表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄されたので辺境で本気を出したら、王国の制度を全部書き換えてしまいました ―戦わずに国家を動かす追放領主の改革録―  作者: 水無月カレン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/53

第47話「連鎖」

塩の供給停止から、半日。


市場は、再びざわめき始めた。


「またか」


商人たちの顔が曇る。


価格板が書き換えられる。


塩が倍。

保存食が上がる。

魚が売れ残る。


だが本当の衝撃は、夕方に来た。


「東方自治連合の銀行が、支払い延期を発表」


噂ではない。


正式発表だった。


理由は簡単。


帝国系商会が、短期債務の一括返済を要求したのだ。


「期限前だろ!」


市場が怒号に包まれる。


だが契約書には、条項がある。


“市場混乱時、即時回収可”


帝国は、恐怖を育てた。


そして今、回収する。


東方自治連合の銀行前に列ができる。


取り付けが、飛び火する。


グランデル政庁。


エリスの顔が青ざめる。


「連鎖です」


「一国が揺れれば、他も揺れる」


ノルディクスからも通信。


「我が国の商会も帝国債務を抱えている」


ガルドが低く唸る。


「完全に計算されている」


レオンは、静かに目を閉じた。


帝国は速い。


恐怖を広げ、

価格を揺らし、

そして債務を引き金にする。


「体力を削る戦いだ」


エリスが言う。


「このままでは」


「保証基金が耐えません」


夜。


東方自治連合の首都。


銀行前で泣き崩れる女。


「子供の学費なんです」


兵が制止する。


だが不安は止まらない。


その光景が、伝令によって伝わる。


協議会内部の空気が変わる。


「もう無理だ」


東方代表の声が震える。


「帝国の融資を受けるべきだ」


ノルディクス代表も、沈黙する。


円卓が、軋む。


レオンは、ゆっくりと立つ。


「連鎖は止められる」


「どうやって」


「債務を、我々が引き受ける」


ざわめき。


「帝国債務を、協議会が買い取る」


「そんな資金は」


「即時保証機構を拡張します」


エリスが息を呑む。


「さらに危険です」


「はい」


レオンは認める。


「だが連鎖を止めなければ終わる」


沈黙。


東方代表が言う。


「帝国は喜ぶぞ」


「協議会の体力が尽きる」


レオンは、はっきりと言う。


「体力勝負ではない」


「信用の勝負です」


「帝国は速い」


「だが帝国は、支配を前提にしている」


「我々は選択を前提にしている」


円卓が静まる。


外では、再び列ができている。


連鎖は始まった。


止められるか。


それとも――


協議会は、ここで崩れるか。


残り一日。


経済戦は、最高潮へ向かっていた。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ