表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄されたので辺境で本気を出したら、王国の制度を全部書き換えてしまいました ―戦わずに国家を動かす追放領主の改革録―  作者: 水無月カレン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/101

第27話「境界を越える枠組み」

提案は、ノルディクスからだった。


『制度導入国による定期協議会の設立』


名目は、情報共有。

実質は――連携。


王都の会議室で、その書簡が読み上げられる。


「連盟……だと?」


軍務官が眉をひそめる。


「軍事同盟ではありません」


財務官が補足する。


「制度導入国による経済・財政連携です」


「つまり」


旧守派の一人が低く言う。


「王国の外に、もう一つの枠組みが生まれる」


沈黙。


それは脅威でもあり、機会でもある。


一方、グランデル領。


「予想より早いですね」


エリスが言う。


「ええ」


レオンは、静かに頷いた。


「制度が共有されれば、自然と協議の場が必要になります」


「参加しますか?」


「参加します」


即答だった。


「拒めば、王国が孤立します」


数週間後。


グランデル領で初の国際協議会が開かれた。


王国。

ノルディクス。

東方自治連合。

小規模国家二つ。


円卓を囲む代表たち。


旗は並ぶが、上下はない。


「本協議会の目的は明確です」


ノルディクス代表が言う。


「制度の相互運用」

「信用指数の共有」

「保証機関の連携」


王国代表が口を挟む。


「主権は維持されるのか」


「当然です」


レオンが答える。


「これは支配構造ではありません」

「共通基準の確認です」


東方自治連合代表が頷く。


「基準が共通なら、摩擦は減る」


議論は穏やかだが、重い。


国家の形が、変わろうとしている。


休憩時間。


ユリウスがレオンに近づく。


「……これが、お前の狙いか」


「狙い?」


「王国の外に枠を作る」


「いいえ」


レオンは首を振る。


「枠は自然に生まれます」

「必要だから」


ユリウスは、静かに息を吐く。


「王国は、もう単独ではいられない」


「どの国もです」


会議終盤。


共同声明案が読み上げられる。


『制度導入国は、定期的な協議会を設置する』

『財政透明性と契約保証基準を共有する』

『相互査察は、合意のもとで実施する』


軍事条項はない。

だが。


これは、経済圏の誕生だった。


採択。


各国代表が署名する。


グランデル領の名が、中央に記される。


夜。


協議会が終わり、静かな高台。


エリスが、ぽつりと呟く。


「……もう、王国の内側の話ではありませんね」


「はい」


レオンは、遠くの灯りを見つめる。


「境界は、薄くなりました」


「それで、良いのですか」


「境界は消えません」


一拍。


「ただ、柔らかくなるだけです」


遠く、複数の旗が夜風に揺れる。


戦争はない。


だが。


秩序は、確実に再編されていた。


本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ