妹が増えました!?
僕には、少し気の強い妹がいる。
「おーい・・・」
「だまれ」
どぎつい。世の、妹がいない人間は、ブラコンな実妹、義妹に憧れるものだろう。そんな人たちに言いたい。そんな妹は、存在しない。存在しても・・・ごく僅か。
「お前もさぁ、良い年した高校生でしょ?そのシスコンなところ、直したら?」
というのも、思春期・・・ということもあってか、あまり兄を家族として迎え入れたくないんだろう。母親とは、仲が良いからなぁ。まぁ、仕方ないのである。それが、世の妹ってわけだから。
「あ、そう言えば・・・」
と言って、僕は妹の真愛に言い忘れていたことを言った。
「母さんが再婚して、新しい妹が二人出来るぞ」
「・・・・・・は?」
それから数日して、我が家に新しい親父と、2人の妹がやってきた。
「話は聞いていると思う。私が、新しい父になる茂だ。それで、こっちがこれから次女になる愛梨、末っ子になる三女の明凜だ。よろしくしてあげてくれ」
「う、うそでしょ・・・?妹が、2人も・・・?」
「まぁ。突然のことだったからな。戸惑うのも無理はないが・・・是非、仲良くしてやってくれ」
そうして、俺は妹が3人になった。
それからというものの、実妹の真愛の態度が変わった。
「こいつに近づかないで!!」
相変わらず、言葉は荒いが・・・。
「何してるんだ?」
何故か、腕にしがみついてきていた。これは・・・。漫画で見たことがある。
「お前、まさか・・・」
「なに?」
「えぇっと・・・。お兄さんたちは、仲がいいんですか?」
「え?いや・・・」
と、僕が答えるよりも先に、
「えぇ。仲が良いわよ。これをみたら一目瞭然!!」
「お前。何言ってんだ?」
と、俺が問うと・・・。そいつの口から、絶対出てくることがないと思っていた言葉が溢れ出す。
「だって。だって・・・!!大和の妹は私だったじゃん!!」
「・・・」
だろうな。なんか、漫画で見たことがある展開だった。というか、現実にあったんだ。
「あらまぁ。そうですか」
「ふん!!こいつの妹になりたいって言うなら、それにふさわしい人間になることね!」
と、真愛がそう言うと。段々と次女、愛梨が真愛に近づいて。
「よしよし」
「・・・え?」
「は?」
「かわいいですねぇ。何故か、真愛さんは長女のはずなのに、甘やかしたくなるんですよねぇ。身長のせいもあってか・・・。可愛がりたくなるんです」
「は、はぁぁぁ!?!?!?」
「よしよしー」
と、愛梨がすると。
「え、えへへー」
と言って、既に虜にされていた。
「こりゃだめだ」
と、僕は思うのだった。
ちなみに、家族構成を話しておくと、僕は高校1年生。真愛は中学3年生。愛梨は中学2年生。明凜は小学1年生だ。だから、明凜とはだいぶ歳が離れていることになる。それ故か、明凜はまだ距離感と言うものを知らず・・・。
「おにーさん!!あそぼー!!」
と言って、僕の膝の上に乗ってきた。
「んなっ!?」
「いいよ。何して遊ぶか」
と、僕が明凜に問いかけると、
「ま、まったー!!距離近くない!?」
「いや、6歳だからこんなもんだろ」
確定した。こいつは・・・ブラコンだ。実は、その気持ちを内に秘めていただけで、実はとんでもなくブラコンであったのだ。
「おや?おねーちゃん・・・さては。おにーさんのことが好きなんだ?」
「ち、ちがっ・・・!!そ、そんなわけないでしょ!!」
勘が鋭い6歳児の明凜ちゃん。
「だ、だったら私も構って!!」
「は、はぁ?」
「かーまーえー!!」
何故、妹が出来るだけでこんな豹変したのだろうか。こいつ、こんなキャラじゃなかったはずなんだがなぁ・・・。
「じゃあ、3人であそぼ!!」
「ごめんな。うちの真愛がわがままで」
「ううん!!みんなであそぼう!!」
「見習え。真愛。明凜のほうがよっぽど大人だぞ」
「う、うるさい・・・」
と、突然変わってしまった真愛のキャラに、僕は驚くのだった。
風呂上がり、僕が部屋で本を読んでいると。
「大和・・・」
「ん?あぁ。真愛か」
「やっぱり、奪われたくない・・・」
「だろうな。お前は、ブラコンだったんだな」
「うるさい。仕方ないじゃん」
「ブラコンって、現実にいたんだな」
にわかには信じがたい設定なのである。
「優しくしてやれよ。お前は長女なんだぞ?」
「ずっと、大和に甘えて生きたかった。末っ子でよかったの。それが、愛梨ちゃんや、明凜ちゃんに取られるのはいやなの・・・」
「つまり、妹ポジションは自分だけでよかった・・・ということか?」
「は、恥ずかしいけど・・・。正直に言ったらそうだね。妹は、私一人で十分なのに」
「それを受け入れたら、僕のお前に対する対応も変わるかもしれないぞ?」
「え?」
「僕は、特別扱いをしない人間だからな。平等に、妹達を甘やかす。それの意味がわかるか?」
「・・・まだ、わからない」
「そっか」
そう言いながら、真愛はそっぽを向く。
「大人になれ。真愛。妹を、受け入れるんだ。そうしたら、お前に何かしてやるよ」
「ほんと・・・?」
「あぁ。約束する」
大人になる。ということは、そういうことだ。俺が大人である理由が、みんな平等にすること。




