幼馴染は女子力が高すぎるようです!?
俺には、一つ下の幼馴染がいる。名前は、白石 あずさという。俺が高校2年生で、あずさが高校1年生。たまたま、生まれた時期も近く、住んでいる場所も家が隣だった。・・・恋愛漫画でありふれた展開の、幼馴染に好かれていて・・・なんていうお約束展開なんかあるわけもない。あずさには、彼氏がいるからだ。故に、お泊まりしたり、お互いの家を行き来したり・・・なんか、ほとんどしたことない。唯一、小さい頃によく遊んだりしているだけだ。そんな感じで、俺たちは高校生になっていた。
「そういやさ、お前、幼馴染いたよな?」
「あぁ。あずさのことか?」
「そうそう。あずさちゃん。俺さぁ、ちょっとあずさちゃんいいなって思ってるんだよね。紹介してくれない?」
あずさは、そこそこ男子人気がある方・・・だと思う。たまに、紹介してくれ。と懇願してくる輩も少なくはない。しかし、あいつには彼氏がいるから、俺がいつも答えるのは、
「残念だったな。あいつにはもうお隣がいるんだ」
「う、うそだろぉぉぉ・・・」
この反応も、もう聞き飽きたくらいには聞いてきた。たしかに、客観視したらあいつはいい女子なんだろう。だが、俺は長年関わってると言うのもあってか、あいつを恋愛視点で見るということは、無理矢理でも出来ないのだった。
「幼馴染であるお前ですら、あずさちゃんの彼氏になれなかったんだな」
「あのなぁ、恋愛漫画と現実は違うんだよ。幼馴染同士で付き合う・・・なんか幻想だからな?」
「急に現実を突きつけられた・・・。まぁ、お前じゃ無理か」
「なんだお前」
「ごめんって。でも、意外とお前をカッコいいって言う女子も少なくないんだぞ」
「え、そうなのか?」
「あぁ。実はいるんだよ」
「・・・この道16年、告白されたことないのに?」
「あぁ。片手に収まるくらいは言ってる人いたぞ。・・・お前が告白されない理由は、態度と目付きだろうな」
「俺、そんな目付き悪いか?」
「悪い・・・というか、ほら、お前さ。一重でその中でも目が細くてつり目気味だろ?」
「あぁ。そうだな」
「だから、少しヤンキー感があるっていうか・・・話しかけにくいタイプではあるかもな」
「そ、そうだったのか・・・」
逆に、それでも遠慮なしに話しかけてきたこいつは相当なアホなのかもしれない。
「俺から見ても、お前の顔は結構カッコいいと思うけどな」
「なんでなんだろうな。男から言われても、別に嬉しくなれないんだよな」
「はっ。そうですか。・・・まぁ、なんでもいい。あずさちゃんにお隣がいるなら、潔く諦めることにするよ」
「あぁ。そうしてくれ」
こんな感じに、割とあいつはモテる。幼馴染としては、嬉しいのか、ちょっぴり寂しいのか・・・。曖昧な部分だが、まぁ青春できてるならいいことだろう。
そんなこんなで、気づけばバレンタインの季節となっていた。俺は、毎年もらえない非モテだと思われがちだが、一応毎年あずさから貰っていたりする。・・・まぁ、友チョコみたいなもんだが。それでも、貰えるのは嬉しい。そして、今年も、
「はい。大和。ハッピーバレンタイン」
「ありがとう。毎年悪いな」
こいつは、料理もうまい。作ろうと思えばなんだって作れるし、お菓子も軽々と作り上げるくらい女子力が高い。
「じゃ、お返し楽しみにしてるね♪」
「・・・へいへい」
ひとつ嫌なことは、お返しとして高値の物を買わされることだ。チョコをくれることは嬉しいことなんだが、お返しで5000円ほど持っていかれるのは、少々学生には厳しい金額だ。ちなみに、チョコを俺に渡していることは、彼氏さんも知っているそうだ。だが、その彼氏がとても優しいんだとか。あずさ曰く、
「ねぇねぇ、私の幼馴染さ、男の子なんだけど、毎年バレンタイン渡してるの。本当は、渡さないのが筋なんだろうけど・・・。家族ぐるみの関わりって言うのもあるし、毎年恒例の行事でもあるからさ・・・渡してもいい?」
と、あずさが聞いたところ、彼氏さんは軽い返事で、
「全然いいよ!!」
と、言われたそうだ。本当に、彼氏さんは優しいらしい。一度、目にしたことがあるが、普通にイケメンだったし・・・。あずさ、いい彼氏を持ったな。
「まじで、お前がいなかったら万年チョコ0の男だったからな。お前には感謝しかないよ」
「大和、意外とモテるんだけどね。チョコは何故か貰えないもんね」
「モテてねぇだろ。適当言うな。・・・まぁ、ありがと。美味しく頂くよ」
「そうしてもらえると私も嬉しい」
やっぱり、持つべきは幼馴染だ。・・・と、俺はそう思うのであった。・・・ちなみに、あずさがくれたチョコ、めちゃくちゃ美味しかったのである。




