超人気アイドルの裏側は実は甘えん坊です!?
今、日本中を轟かせているアイドルを知っているだろうか。・・・相田 アイ。日本最高の、天才アイドルだ。男女問わずファンが多くいて、『生涯に一度の美少女』とまでもの異名を背負っている。だが、そんなアイドルでも、分類としては人だ。だから、なにかしら欠点があったりもする。俺は、そんなアイドルの、唯一の欠点を知っている。それは・・・
「大和くーん♡」
誰も見ていないところでは、こうやって俺に甘えてきたりするのだ。これは、妄想なんかではない。しっかり、説明するとしよう。実は、僕の名前は夢叶 大和と言って、こいつの幼馴染みだ。よく、漫画などでこういう設定を見るだろう。昔から家族ぐるみで仲がよく、家も隣でよくお互いの家を行き来しているだとか。信じられない話だろう。僕たちはそういう関係だった。そして、漫画でもあまり見ない事が、こいつは俺に甘えてくる。別に、恋愛的に好かれているわけではない。彼女曰く、
「仕事とかで疲れているし、私はただ大和くんに甘えたいの」
だとか。流石の幼馴染みでも、これはかわいいと思ってしまった。
「大和くんもイケメンなのにねぇ。なんでアイドル業界は大和くんをスカウトしないのか」
「やだよめんどくさい。それにイケメンではない」
「そんなことないと思うよ?大和くんは世界一イケメン!!」
「持ち上げすぎだ。別になにも出ないぞ」
「そうやって言いながら、実は照れてるんでしょ。大和くんってばかわいい~」
こういう風に、こいつはいつもこんなことを言ってくる。
「ったく、そんなこと、他の男に言ったらすぐ勘違いされてしまうぞ」
「私は大和くんだから言ってるの。他の男になんか言わない」
「是非、俺にこの愛を向けないでほしい」
「そんなこと言わずにさ!!それよりも、ぎゅーして?私仕事で疲れてるの」
「しない。絶対にしない」
「えーどうして。大和くんから充電しないと、私アイドル活動できない」
「必要ねぇだろ」
「だって幼馴染み出来るのこういう時しかないじゃんか。私は大和くんに甘えたいの」
「お兄さんがいるだろ。お兄さんに甘えたらいいじゃないか」
「お兄ちゃんもいい人なんだけど。兄妹だからなんかそれは気が引ける」
「あぁ、助けて。優生さん」
優生とは、こいつのお兄さんだ。ちなみに、イケメンで、性格もいい。
「とにかく私は大和くんに甘えたい!!だからぎゅーして」
「いやだ」
「もー。そんなこと言うんだったら、えいっ」
「おいごら。抱きついてくるな」
せっかく漫画を読むことに集中していたのに。これじゃあ読もうにも読めないじゃないか。
「ほんと邪魔だ。なんでこんなのが日本中で人気なんだ」
「へへーん。やっぱり私可愛いから?」
「自分で言うなよ。まぁ、そら可愛いけどさ」
「あ!!大和くんが可愛いって言ってくれたー!!」
そう言って、更に抱きついてくる。あー、めんどくせぇ。
「そろそろ大和くんと付き合いたいなー」
「冗談じゃねぇ。そんなこと言うな」
「でも、大和くん好きな人いないんでしょ?」
「いないけどなぁ」
「だったらいいじゃん。この可愛い可愛い幼馴染みが大和くんを養ってあげる」
「不必要だ」
「正直言うとね、私は大和くん以外の有象無象を好きになることはないからね?」
「そんな言い方をするな。失礼だぞ」
「事実だもーん。私は、大和くん一筋だよ!!」
ほんとになんでこんなやつが売れるんだろうか。
「大和くんはさ、アイドルの私か、普段の私、どっちが好き?」
そう聞かれると、
「普段のお前・・・かな」
アイドルのアイとは、答えれなかった。なんやかんや言って、アイドルのアイは、違和感がある。長年素のアイを見てきたからか、アイドルのこいつは違和感があって仕方ない。
「そう。じゃあ、握手会には来てくれない?」
「握手会?」
「うん。言ってなかったっけ?明日握手会なんだよ?」
「そうなんだ。まあ、お前が来いって言うなら行ってやらんこともないが」
「ほんと!?じゃあ来て!!」
「はいはい。わかったよー」
「ちゃんと私の列に並んでね?あなただけのファンサービスも用意してあげるから♡」
「全然いらねぇ」
普通こんな経験をすることなんて、滅多にないだろう。でも、もしこういう経験をしたいと考えている人に届けたい。アイドルが幼馴染みになるということは、こういうことだ。
「まったくもー。大和くんはツンデレ屋さんだな!!この、ツンツン」
「やめろ触るな」
もう、ほんとめんどくさい。
「そろそろ付き合うことも検討してよね」
「何度も言っている。絶対に付き合わない」
「ふふん。そうなの。じゃあ、絶対に私にメロメロにしてやる!!」
「言ったな?じゃあ、やってみろよ」
「じゃあ、お構い無く。・・・そりゃ!!」
「うわっ!!おい!!」
そんな、騒がしい1日となった。改めて言おう。アイドルが幼馴染みになるということは、こういうことだ。夢を見るのは悪くないが、それ以上に大変な現実なんだぞ。と、俺は身を持って伝えておく。
「将来は、大和くんと結婚する!!」
そう意気込んでる奴がいるが、こういうときは無視するのが一番、はぁ、可愛いだけに勿体ないよな。と、僕はそう思うのだった。
これね、全部実話じゃないんですよ。なんか書いてるだけで恥ずかしいですね。皆さんの幼馴染みは、どんな人ですか?