メリークリスマス
メリークリスマス。
彼女が出来た。
「大和。一緒に帰ろ」
僕には、勿体ないくらいの彼女だった。僕の名前は、夢叶 大和。彼女がいること以外ごく普通の高校3年生だ。そして、彼女の名前は澄風 ナギサ。彼女は、僕と真反対の人間だった。容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群・・・。そして、学園みんなからの人気者だ。
「やっぱ、かわいいよな。ナギサちゃん」
「そんな彼氏があいつなんて・・・」
そりゃまぁ、こんな非の打ち所がない人間が、モテないわけもないのである。故に、そんなマドンナと付き合っている俺は、男子からの嫉妬の視線が強いのである。
「もっと自信持ちなさいな」
「いたっ。急に叩くなって」
「だってぇ~。大和全然自信無さそうな顔してるんだもん。彼女が真隣にいるっていうのに、そんなしょぼい顔していたら何か言いたくもなるわさ」
「いや、何度だって思うんだって。やっぱ、僕じゃ勿体ないくらいにナギサは可愛いんだよ」
「ちょっ。・・・いきなり褒めないで」
そう言いながら、ナギサはそっぽを向く。おそらく、照れているんだろう。・・・うん。やっぱり可愛い。
そんなこんなで、今日はクリスマスなわけだ。今日は、一番楽しみにしていたことがある。それは、もちろんそうだ。
「お待たせ。大和」
「全然待ってないよ。それに・・・かわいいな」
「もうっ!!だから急に褒めないでって!!」
「はははっ。・・・にしても、降っちゃったなぁ」
今日は、世にも珍しいホワイトクリスマスになっていた。積雪は、そこまで多いわけではないが、世の一帯は白い世界で埋め尽くされている。
「んじゃ、いこっか」
そうして、俺たちは出発した。
ただ、デートをするだけだ。だが、
「ねぇねぇ。あの女の子可愛くない!?」
「ねー!!彼氏さん幸せそう~!!」
町を歩けば、通りすぎる人たちがナギサに注目した。
(んー。なんか・・・モヤモヤする)
嫉妬・・・というやつなんだろうか。僕の彼女が見られていることが、なんとなくに感じた。
「ん?大和?」
「どうしたの?」
「なんか、浮かない顔してるね。まさか~。嫉妬してる?」
「え、え・・・あ?」
「流石に、学校でも人に見られるんだもん。視線には敏感になってるから。それで嫉妬してるんでしょ~」
「ち、ちちちちちちがうから!!」
「ふ~ん。わかりやすい。大和嫉妬とかするんだ~。かわいっ」
「う、うぐっ・・・」
こいつが言うから、破壊力がありすぎる。
「う、うぉぉぉぉ~」
絶対に、彼女には勝てないと悟った瞬間なのであった。
彼女とクリスマスに会えば、最後にやることはただ一つ。
「買ってあるよね?」
「うん。もちろん」
僕は、それを袋から取り出した。そして、彼女の目の前に出して、
「メリークリスマス」
僕たちは同時に、プレゼントを交換した。
クリスマスは、カップルが集う場所だ。今日も、僕は彼女といちゃいちゃする。




