第一話 渋谷のカギ
多様性。
近年よく聞く言葉ですね。
多様性の意味はなんでしょう。
調べてみるとこう出ました。
様々な人種、性別、年齢、宗教、価値観、性的指向、障がいの有無など、異なる特性を持つ人々が、組織や集団の中で共に存在し、互いを尊重し、理解し合うことの意味であると。
実に平和でいい言葉ですよね。
さて皆さま。私たちは何者なのか。どうやって生きていけばよいか考えたことはありませんか。
私はなんども考えましたが、未だに答えは見つかっておりません。
このお話を通し、少しでも自分とはなんなのかそのヒントが見つかることを祈っております。
夜の渋谷はいつも喧騒に満ちていた。
ネオンの光が雨に反射し、歩道を虹色に染める。
綾香はイヤホンから流れる音楽に合わせて歩いていたが、ふと足を止めた。
路地裏のゴミ箱の陰で、何かが光っているのを目の端で捉えたからだ。
「なんだろ、あれ」
好奇心をくすぐられた綾香は拾って見ることにした。
それは古びたカギだった。
「鍵??落とし物かな」
そのカギはおとぎ話で出てくる本に鍵が付いている物を開けるようなデザインの丸っこいカギだった。
その時、なぜかカギから自分を呼ぶコエが囁いた気がした。
「え?」
咄嗟に回りを見回したが、誰も近くにはいない。
もう一度カギに目をやるとそのカギは薄くぼんやりとだが、光っていた。
まるで生きているかのように、光は脈打っている。
またコエが頭に響いた。
「持つべきものに還る」
そう聴こえた瞬間だった。
カギから猛烈な光が放たれ、綾香はとっさに目を瞑り、カギを握りしめた。
「わぁっ」
綾香がかわいい小さな悲鳴をあげた。
次に目を開けた時、そこは見知らぬ森の中だった。。。
ご一読いただき、誠にありがとうございます。
宇井 燿と申します。
今回から小説の執筆に挑戦してみようと思い当たり、投稿させていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。




