47 毒を祓う輝き
虚空の大蛇が完全に倒れ、静寂が広がる中で、忍者たちはようやく自らの体に蓄積された疲労と痛みを感じ始めた。
戦闘中は気力で押し通していたが、今になって毒の霧がもたらした微かな影響が体の内側で鈍く響いていた。陽は微かに胸を押さえ、息苦しさを感じながらも大丈夫だと自らに言い聞かせるように大きく息を吸い込んだが、その顔には明らかに疲労が浮かんでいた。
涼音もまた、肩口を軽く撫でながら、皮膚のひりつきと内側に残るわずかな毒の残留感を感じ取っていた。毒の霧にさらされた後遺症は全員に残っており、視界がかすむような感覚や微かな吐き気が彼らを襲っていたが、忍びの石の力でなんとか持ちこたえていた。
だが、その痛みが少しずつ強まっていくのを誰もが感じていた。
その時、鋼がふと魔石を手に取り、その青緑色の輝きに見入っていた。
魔石から放たれる不思議な柔らかい光が、鋼の肌に触れた瞬間、毒の不快感が和らぎ始めたのだ。まるで、冷たい水が体内に流れ込んで毒を洗い流してくれるかのような感覚が広がり、彼は思わず息を整えた。驚きの表情で顔を上げると、仲間たちにもその魔石の力を感じさせようと、そっと魔石を差し出した。
涼音がその魔石に触れると、彼女の手から腕へと伝わっていた毒の痺れが瞬く間に引いていき、皮膚のひりつきも消えていくのを感じた。「すぐに治るなんて…」彼女は信じられないという表情で呟き、陽と刃も次々にその石に触れていった。触れた瞬間、毒の霧がもたらしていた疲労感や胸の重さ、吐き気が瞬時に消え、体が軽くなる感覚が彼らを驚かせた。
「これほど強い解毒作用があるとは…」陽が静かに呟く。
今までに手にした魔石とは全く異なるその力に、4人は息を呑みながら互いに目を合わせた。戦いの傷を癒やすだけでなく、毒による疲労まで瞬く間に取り払うその作用は、虚空の大蛇という存在が持つ恐ろしい力に比例するかのようだった。




