41 仙台ダンジョン:最奥への道
7人の忍者たちが慎重に足を進める中、ダンジョンの奥から冷たい風が吹き抜け、不気味な気配が漂い始めた。周囲の壁が微かに揺らめき、忍び寄る異常な静寂に、誰もがその身を引き締めた。
そんな時、先頭を歩く陽が前方の動きを鋭く察知し、手で合図を送る。
暗闇の中から現れたのは、厚い岩の鎧を纏った巨大な魔物──岩甲魔獣だった。
その巨体が地面を重々しく踏みしめるたびに、周囲の空間が震え、土埃が舞い上がった。涼音はすぐにその姿を確認し、腹部の柔らかな部分が唯一の弱点であることを仲間たちに知らせるため、短く指示を出した。
「腹部を狙って!耐久力があるけど、腹が弱点だ」陽は力強く頷くと、自らの特注刀を構え、忍びの石が静かに脈動するのを感じながら岩甲魔獣に向かって突進した。彼の刀が繰り出される度に、鋭い斬撃が岩甲魔獣の装甲に食い込もうとしたが、厚い岩の層が防御し、なかなか致命傷を与えることができない。忍者たちは岩甲魔獣の鈍い動きを利用して、一斉に腹部へ攻撃を加えようとした。
その瞬間、岩甲魔獣が巨大な前脚を振り上げ、重い一撃を繰り出してきた。近くにいた忍者たちはとっさに身をかわしたが、その一撃が地面に叩きつけられると、激しい衝撃が走り、石の破片が四方に飛び散った。周囲には粉々になった石の破片が散乱し、彼らの体力を奪おうとする。
涼音は神威と交信をしながら冷静さを保ちながら、岩甲魔獣の隙を見つけ出し、鋭い刃でその腹部を切り裂いた。途端に苦しむような唸り声を上げた岩甲魔獣は、やがてその巨体を崩れ落ちさせ、地面に沈んでいった。
仲間たちが短く息を整えたその時、冷たい霧が静かに漂い始めた。霧の中から現れたのは、瘴気の爪鬼だった。腐敗した空気と共にその姿を現したその魔物は、体中から毒の瘴気を放出し、霧を操りながら忍者たちの視界を奪っていく。
涼音は瞬時に口元を覆い、毒霧を吸い込まないように警戒しつつ、周囲の状況を把握しようとした。
「毒の霧!吸い込むな!」
陽もその霧の中で身をかがめ、瘴気の爪鬼が繰り出す鋭い爪から身をかわした。瘴気の爪鬼は暗闇に紛れながら、忍者たちの背後から奇襲を仕掛けようとする。彼の動きを感知した涼音は、冷静に影の方向を見定め、短刀を構えて爪鬼の鋭い爪に応戦した。毒の霧が濃くなる中、涼音は何度も鋭い目で視界を確保しつつ、一瞬の隙を見て攻撃を加えた。
忍者たちもまた、この毒霧の中での戦いに臨みながら、瘴気の爪鬼の周りを取り囲み、一撃を狙い定めていく。
瘴気の爪鬼の動きが一瞬鈍ったその瞬間、仲間たちが連携し、鋭い一撃を繰り出して魔物を仕留めることに成功した。毒の霧が徐々に晴れ、仲間たちは短く息をつきながら、その場に広がる静寂を確認した。
さらに奥へと進んだその時、周囲の空気が不自然に熱く感じられた。次に現れたのは、全身を炎のように燃え上がらせた火蜥蜴であった。高熱を発しながら周囲に燃え盛る姿を晒し、忍者たちに炎の壁のように立ちはだかった。涼音はその異様な光景に目を見張りつつも、炎が纏わりついた火蜥蜴に警戒心を強めた。
「熱に触れないよう、遠距離から攻撃!」
涼音が凛とした声で指示を出すと、忍者たちは火蜥蜴にできるだけ接近せず、手裏剣や遠距離攻撃を駆使して炎の隙間を突いて攻撃を仕掛けた。しかし、火蜥蜴は自身を護るように炎の渦を作り出し、忍者たちの攻撃を防ぎながらも次々と火の球を放ってきた。炎の熱風が吹き付ける中、陽は特注刀で冷静に防御し、巧みに身をかわしながら火蜥蜴との距離を詰めた。
涼音も短刀を構え、瞬時に判断して火蜥蜴の攻撃の隙を見つけ、狙いを定めて投げ放った。
火蜥蜴の咆哮が響き、その炎が一瞬だけ弱まった瞬間、仲間たちが一斉に攻撃を加え、火蜥蜴の姿を次第に消し去った。
これらの激闘を経て、彼らはついに最奥の部屋へと続く扉の前にたどり着いた。