99話 大魔の森を消し飛ばす場合、神が聖域にできるのならしてもらう
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「じゃあ、今回の要求を確認するぞ。まずは、戦争で切り取り自由、最終占領派閥がその領地を獲得するという事で1つ目。大魔の森を調査次第で消し飛ばしても良いのかの確認が2つ目。ヒルストン伯爵領の無限回廊に関する権益を貰う事が3つ目。敵国から獲得した領地で、非人間だけで構成する村や町の領域を作って貰う事が4つ目。その場合に最低でも無限回廊は1つを含むことが5つ目。これで良かったか?」
「それくらいが妥当な所じゃない? むしろ貰い過ぎな気もするけど、どうなの?」
「要求としてはこれで良いと思うの。突っぱねるのも向こうの仕事であるからの。ただ、1つ目をどうにかして通さない事には、4つ目と5つ目が死ぬの」
「だがまぁ、1つ目に関しては通さざるを得なぃんじゃねぇか? むしろこれは他の派閥の方が言いそうだろぅ?」
「であろうな。1つ目の要求など、他の派閥から本当に良いのかと疑問に思われるくらいである。むしろ積極的に向こうの派閥が押し通しそうである」
「2つ目に関しては、決定権はそもそもこちらにあるもの。ヒルストン伯爵家がどうこうしようと思って出来るものでもないわ。今現状で放置という選択肢しか取れていないもの。要求として入れてはいるものの、本当に要求なのかが怪しいわね」
「だが、自由に出来る権利を貰うのは悪くない。後はその場所に何が出来るのかの権利も貰うのだったな。何を作る気なのだ?」
「大魔の森を消し飛ばした場合、神様が聖域に出来るのであれば、聖域にしてもらうつもりだ。聖域とは、魔物が出ない狩場、みたいな感覚で思ってくれればいい。個人的には、初級ポーション、中級ポーション、上級ポーションの材料が採れる聖域にしてもらいたいと思っている。そうすれば、ポーション関係が作りたい放題になるからな。無理なら村で埋めて貰う事になるんだろうけど、出来るのであれば聖域化を狙って行きたい。これもレベル900越えの奴が居るから、何とかなるんじゃないかとは思っているんだけど、これで死なれたら、ちょっとどころではなく損失なので、何とか生きて貰いたい所ではあるんだけど」
「レベル900……。誰がそこまで上げたんだ? 色々とおかしいだろうに」
「無限回廊に嵌まったやつらが一定数居るのである。コールスがもっとも階層を攻略しているのである。今は、755層だったはずである。その位になれば、経験値も凄まじいのであろう」
「まあ、そのおかげで宝物の収集もかなり良いみたいだし順調よね。でも、神様クラスの魔物? だったかしら? それが出てこないらしいけど?」
「うーん。俺も詳しいことは解らないからな。700層越えとか未知の領域だし。魔物が強いのは外の方が強いとはよく言われてたんだよ。無限回廊で怖いのは徘徊型。それさえ対処が出来て、ある程度のレベルがあれば、時間があれば攻略できるんだよ」
その時間が無かったのがゲーム時代だからな。運と運と運が必要だと言われていたからな。無限回廊を攻略するにはひたすらに運が必要。後は、ゲームに注ぐ時間がどれだけあるかの勝負になる。廃人様は18時間ほどをゲームに使っていたと言われているが、真相はどうなのかは知らない。けど、その位のプレイ時間で、3か月戦い抜いても500層までしかいけないと言われてたんだよ。
普通は100までで良いんだからな。マジックバッグが出てくれるといいなと期待しつつ、上の上の金属を手に入れて、後はレベルを上げて神様級を討伐して装備を整えたら、大体2か月半使うんだよ。神様級で負ける事も良くある話。でも、そこまで装備を整えないと、対人戦で上位にはいけないから注意が必要だ。上の上までしか手に入らなくても、50位くらいまでなら行けるけど。
「それじゃあ、これで良いか? 明日にはアポを取ってくるというか、皆で行くんだけど、交渉に参加するのは、俺とガストビとメラリアで良かったのか? 他の皆も参加しても良いんだけど」
「面倒だからパス。そぅいぅことは任せる」
「レラも無理。貴族様相手に話さないといけないとか無理だし」
「まあ、頑張ってくれ。てしは領都の観光に行ってくる。エスメラルダもどうだ? 索敵担当として連れていきたい」
「承るの。領都を見て回りたいのはやれも同じだからの」
「あ! レラもレラも! ついて行きたい!」
「我は同盟拠点で話を聞いていることにする」
「それじゃあ、ガストビとメラリアは頼むな。じゃあ、領都に移動するけど、忘れ物は無いよな?」
忘れても2時間ほどで帰って来られるんだけどな。でも、交渉で何が必要って訳でもないんだよな。神降ろしの宝玉の本物があればいいかなって程度で。それ以外は会話でカバーするしかないと思うんだよ。それだけのトーク力が求められるんだろうけど、プレゼンって高校生以来だよな。代官とは話をしてきたし、それなりに通用するとは思うんだけど、どうだろうか。
代官との話も、半分くらいはゲームの話をしていると思っていたからな。その位の気持ちで臨んだ方が良いのかもしれない。ゲームについて語ろう、貴族様と。って感じかね。貴族様って部分を除けば、俺でも出来る事だし、むしろ望むところである。楽しんでいこうぜ?
無礼打ちとかは無いと思う。あっても殺し返すけど。ここまで来て無礼だからって斬り捨てられないと思うからな。一応、領地内最大同盟だよ? 敵には回せないよな。普通の貴族であればな。まあ、普通ではない貴族は、非人間を厚遇と言うか、人間と同じに扱おうなんて思わないんだろうけどな。その点は評価できると思うんだよ。どんな人なのかは知らないけど、平和主義な日和見貴族よりはマシだと思う。俺の認識としては、平和主義者の方が差別する。俺みたいな病院暮らしの奴を見下すのは、何方かというと、平和主義者だ。差別主義者と呼ばれる人ほど、ステータスで差別をしないような気がしている。差別するに値する何かがあるから差別している気がする。
こんなのは、個人の感覚でしかないけどな。俺みたいな障害持ちだと、近寄ってくるのは少ないんだ。特に授業も全部画面越しに見ていただけだからな。遊んだやつは殆どいない。話した奴も殆どいない。こんな俺に話しかけてきた奴らは、特殊な奴らだけだった。何かの属性を持った奴らが殆どだった。周りとの和を大切にする奴ほど、話しかけては来なかった。
さあ、ヒルストン伯爵様はどんな人なのかね? 人を見る目は持っていない。曇った目でしか見たことがないから。でも、解る事があるとすれば、今回は魔法が使えて、その魔法である程度は解ると言う事なんだよ。嘘も解る。でも、隠したいことは解らない。色んな魔法が使えるんだ。使わない手はない。俺みたいな中途半端な奴は、頼るものを頼らないとやっていけない。
ただ、これでヒルストン伯爵様が信用に足る人物でなかった場合、どうするべきだろうな。この大きくなった勢力を持って、何処か別の場所に行かないといけないのだろうか。それとも革命か? 有りだとは思う。兵力もある。兵站もある。戦う力はあるんだ。それで足掻くかどうか。
他人の話の延長線だと、どうにもな。信用するって事ほど、難しいことは無い。無意識に信用したがる気持ちも解るんだけど、俺はそれで痛い目を見過ぎた。ゲームの世界だと思っているからまだマシだ。現実だと思うと、どうしても人間不信が出てきてしまう。これはゲームの世界。俺は新しい俺になったんだ。切り替えていくべきだろうとは思うんだけど、どうにもな。
ただ、仲間の不利益にはならないようにしないと。そうなったら、メラリアもガストビも止めてくれるとは思うけどさ。ヒルストン伯爵様か。どんな人なんだろうな。




