77話 同盟統合合意。非人間奴隷開放予定。上級ポーション素材は調査中
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「まあ、言いたいことも解らないでもない。だけど、沢山売るには値下げをしないといけない。ヒルストン伯爵家にそこまでの財政的余裕があるとも思えないからな。それに、ヒルストン伯爵家にお金が貯まれば、他の領地から非人間を集めることも可能だ。狙いはそっちの方が大きい。単純に高く売るだけが商売ではない。商売をする目的を間違えると大変な事になる。俺たちとしてはヒルストン伯爵家が弱くなってもらったら困るんだ。他の派閥よりも強くなってもらわないと、非人間を集められない。だから、中級ポーションを安く売って、ヒルストン伯爵家が高く売ればいい。むしろそれを推奨している」
「解らないではないわね。確かにヒルストン伯爵家に潰れて貰ったら困るもの。非人間を対等に扱おうとしているだけマシな貴族家だもの。その支援をするのは賛成ね。でも、もう少し欲張っても良かったのではないかしら?」
「だろう? 5万トマスだぞ? もっと取っても伯爵家には重しにはならないだろう……」
「儂にはこれで終わるようには思わんがな。上級魔法まで書かれているという事は、上級ポーションも作成可能であるという事だ。間違っているか?」
「上級ポーション!? そんなものが、いや、中級ポーションがあるんだからあってもおかしくはないが、本当に作れるのか?」
「不可能だとは言い難いわ。ここに上級魔法があるんだもの。上級ポーションがあってもおかしくない。むしろ無い方が不自然だわ」
「勿論だが、上級ポーションはある。妖精の泉にある素材で作れるのかどうかは解らないけどな。ただ、中級魔法で鑑定不能な素材があったから、作れないとは思わない。ただ、今作ると混乱が大きいと思うから中級ポーションまでしか教えてないし、作る事も考えていない。上級ポーションを作るのは、カルタルで色々と生産体制を整えて、次の町のレノバサで体制を整えて、ある程度時間が経ってからって考えている。まずは素材があるかどうかを確かめないといけないし。因みに素材の組み合わせは、草、茸、水、結晶だな。結晶の素材が妖精の泉にあるのかは、よく解らない。幾つかはあったけど、下級魔法で鑑定可能だったからな。上級の素材があるかどうかは、詳しく探さないと解らない」
「ちょっと、エルンスト? それについては私も初耳なのだけど? 上級ポーションが存在するの? しかも素材を探していたの?」
「これは、いつものだよ。よく解らない内に勝手にやっている奴だよ」
「だがよぉ。オレらにも説明なしはなぁ?」
「うむ。よくある事であるが、説明は必要である」
「おい、なんかそっちでも解ってない奴が居ないか?」
「解っていないから問題なのだの。こういうことはエルンストにはよくあるの。何処からその辺りの知識を貯えているのかが解らないの」
「まあ、な。色々と知っているだけで、詳しい事までは解らないからな。検証も無しに何もできないし。そもそも素材の名前も把握してないんだから、仕方がないんだよなあ」
そういう仕様のゲームである。組み合わせは経験で何とかなるが、素材の名前は毎回変わるので、俺が知っている訳もなく。そりゃあ何回目と同じ名前が使われているってなった場合でも、そもそも全部の暗記は無理だ。魔法だけでも膨大な数があるんだから、全部を覚えていられるわけがないだろうに。覚えているのは検証班と廃人だけだ。プロゲーマーは覚えてないと思うぞ。あの人たちは1つのゲームしかやっていない訳では無いからな。記憶領域は有限なんだから、ちゃんとクールごとに必要ない記憶は忘れていっていると思う。
俺の勘で申し訳ないが、妖精の泉にある素材で上級ポーションは作成可能だ。多分だけど、探せば部位欠損を回復させる再生ポーションもあると思うぞ。普通は必要ないんだけどな。言っているように、セツラミラルーベでくっ付くから。再生魔法も兼ねているから、普通は第7紋章2つ持ちを使うんだぞ? 集まらないからポーションの需要もあるんだけど。
「で、そんな些事はどうでもいいんだよ。簡単に言えば、同盟を統合しないか? って誘いなんだ。こっちとしては即戦力が加わってくれるだけで有難いんだよ。資料の通り、俺たちは魔法を主体で戦ってきた。今後もそのつもりだ。魔紋章を活かした戦い方をする。だけど、まったく近接戦闘が必要じゃないかって言われたら、そうではない。必要な場面も出てくると思う。なるべくそうならない様な立ち回りを求めてはきたつもりではあるんだけど、無理なら無理で近接戦闘もやむなしだからな」
「上級ポーションが些事とは、また大きく出たな。儂としては構わん。〈光る原石〉で同朋が効率よく集められるのであればそうした方が良いだろう」
「あたしとしても是非にと言わせてもらうわ。だけど、将来構想も含めて、ここで話してもらっても良いかしら?」
「我も同盟の統合には異論はない。悔しいが、我らだけでは手が回らない」
「じゃあ、〈光る原石〉と〈獣人会〉、〈ドワーフの集い〉、〈森の守護者〉の統合をよろしく頼む。で、将来構想の話だったな。とりあえずは、何処から話すか。9年後の戦争に参加して、非人間の奴隷を解放させるってのは良いよな? その方向で動くんだけど、その間に何をするのかって言うと、ヒルストン伯爵領の全ての町と都市で同盟拠点を作る」
「まずはそこからなのね。9年後に戦争があるのは解ったけど、それに参加をする意味ね。非人間の奴隷を解放するって言っても、隷属の首輪を付けられているのよ? それはどうするのかしら?」
「それについては第6紋章2つ持ちの上級魔法で解除可能だ。戦場には第6紋章2つ持ちを多く持っていきたい。生産に特化している人たちだから、他の役には立てないだろうが、むしろそれがメインだから、それだけしてもらえばいいかな。後は他の紋章持ちで何とかするし」
「解除可能なのかよ!? あれって一生ものじゃなかったのか!?」
「出来る。まあ、上級魔法なんてそうそう使わないだろうから、仕方が無いとは思うけど」
「でだ、ヒルストン伯爵領の全てに拠点を構えるのは、まあやりたいことは解る。救済をするのに、拠点が少ないのは敵わん。出来れば全同朋を助けたい。だが、後9年で出来る事なのか?」
「可能だろうとは思っている。というよりも後3年で何とかしたい。5年くらいは熟練度とレベル上げをしてもらわないといけないからな。戦争に10万人連れていければいいかなって思っている。その位の部隊は欲しいと思うんだよ。……一応、メルトリスラ王国の地図は手に入れてある。ヒルストン伯爵領の300倍は広いと思ってくれ。正直、何でこんなに広いんだよとは思うが、そこから非人間を集めてくることを考えると、まだまだ拠点が足りない」
「3年ね。無理では無いのよね? 1か所に留まる時間を最小限にすれば、確かに3年で形だけでも拠点を作ることは可能でしょうね。理想的に動かないといけないのでしょうけれど。あたしたちも遠征と言うか、拠点の拡大に動かないといけないかしら?」
「動いてもらいたいとは思っている。具体的には領都に向かってもらいたいかな。多分だけど、領都にも繋がりはあるんだろう? ここは領都の隣だ。そこに非人間の同盟があるんだから、領都にもあるだろうと思うんだよ。むしろ、ここにも無かったら、領都にもない可能性があると思っていたからな。あってほっとしているところだ」
「領とな。確かに繋がりはあるぜ。同盟は違うけど、多少は援助してもらった事もある。まあ、向こうもそこまでの大きさじゃないからな。〈光る原石〉に1本化したいって言うのは賛成してくれるだろうさ。結局、向こうもそこまで拡大は出来ていないしな」
「うむ。その辺りはこちらも把握している。領都には5つの同盟がある。勿論非人間の同盟がだ。それでも多い所で2000人を超えるかどうかだろうな。万もいる同盟は聞いたことがない」
「まあ、普通は同盟って数百人も居れば多い方だろうと思うからな。こんなに大きい同盟は珍しいだろう。しかも、同盟で資金が有り余っているとなると、人間の同盟でも無いはずだ。俺たちは結構色々と秘密も持っているし、資金的にはまだまだ余裕がある」
「訂正しておくの。やれらが秘密を持っているのではないの。エルンストが個人的に秘密を持ちすぎているんだの。ここまで非常識な人もそうそういないの」
「であるな。わしらとエルンストを同じにしてもらっては困るのである」




