58話 吸血鬼系スキル素材聖灰。ベルベリアリの杖。罠解除失敗し回復
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「おっ! 聖灰ゲット! 順調すぎてやばいな。このまま一気に300層まで行けると良いんだけど」
「でもさ、ちょっとずつだけど苦戦するようになって来たでしょ? 中級魔法までしか使ってないけど。そろそろ上級魔法を解禁したら駄目かな?」
「そうであるな。中級魔法でも倒せるが、早期の討伐の方が望ましいのである」
「だがそれだとカンタレラにおんぶにだっこになるぞ。我の魔法は中級魔法までしか使えん」
「後はグロスに頑張って貰うしかないな」
「任せておけって。ヴァンパイアバロンは無理だがよぉ。他のは何とかなるぜぇ?」
「まだまだ中級魔法で行くぞ。と言うか、苦戦することを覚えないといけないからな。楽勝で進んでいくと不味い。中級魔法で対処可能な敵は中級魔法で倒す方が戦い方の勉強になるからな。どうせ最終的には上級魔法でも苦戦するようになるんだから、今の内に感覚を掴んでおかないと厳しい。それに、まだまだ熟練度が足りていないからな。上級魔法に切り替えるのは当分先だ。少なくとも上級魔法の解禁は300層以降だ。そうしたら400層までは割と直ぐに行けると思うから、そこから先は、苦労をしてもらう事になると思う。まあ、400層以降って、本当に前人未到の地ではあるんだけど」
「それを言うのであれば、既に前人未到の地ですよ。無限回廊を潜った記録が残っているのは2層までなのですから」
「まったくだの。400層以降がどうのこうのと言っておるが、そもそも今も前人未到の地を進んでいるの。これだけでも相当な快挙よの」
いや、400層以降は殆ど記録に無いのは本当だぞ? ゲーム時代では最高到達階層が425層だったんだからな。情報は少しだけしかない。上級魔法持ちで、熟練度をしっかりと貯めていて、余裕とは言い切れないって言っていたしな。インタビューは俺も見たことがある。3か月で到達するには、実力もそうだけど、運も必要だからな。
そもそもなんだけど、生産職を頼れないからな。そんな暇があったら、宝箱を開けて、先の階層に進むことをした方が結果的に早いそうなんだよな。到達階層を止める方が不味いらしい。採掘もしている余裕は無いそうだ。宝箱で当たりを引かないと奥には進めない。そういう感じなんだよな。まあ、425層まで行った猛者の最高装備品は中の下の金属だったらしいが。
魔法をしっかりと鍛えておけば、400層以降も戦えるんだよな。装備が絶対に必要になってくるのは600層以降だと言われていた。本当なのかは解らない。だって、誰も到達したことがないんだから。
まあ、そんなマゾプレイをするつもりは無いので、そこそこになったら装備を更新するんだけどな。現状は装備を持っているのはウルドーラだけだ。かなりの当たりの杖を手に入れたからな。ヒーラーに持たせておく方が良い。
それがこれだ。
・ベルベリアリの杖:物理影響力599、魔法影響力858(物理影響力330%、魔法影響力879%)
ネームドではない。一般装備でこれだからな。異常性が解ると思う。単純に計算しても7500を超える影響度だ。これで治らない怪我はないと言えるだろう。最高の影響度は金属単体では8100なんだ。それに近いというだけでも凄いものなんだよこれは。当たりの中の当たりだ。
ネームドの武器武具も存在する。と言うか、宝箱全般ではネームドの方が多いんだけどな。普通の宝箱産のものはネームドである。武器武具が特殊なだけなんだよ。武器武具のネームドが極端に少ない。だが、ネームドを引き当てられたら、もの凄く高く売れるんだよな。因みに、銃は全部ネームドだ。前に引き当てた罪深き猟銃はネームド。今回のように、金属名+武器名になっているのがネームドではないものなんだよ。ネームドの武器武具は当たらないものと考えていても良い。当たったら、運を使い切ったと思った方が良いとまで言われていたからな。
無論、ランカーも通常の武器を愛用していた。ネームドなんて殆ど出回らないからな。要らないって人の方が珍しいから、大体は無限回廊攻略組が持っているんだよ。
現在、245層を攻略中である。魔法陣が見つからない。階段も見つからない。まあ、まだ昼を過ぎて少ししたところなんだけどな。この調子なら今回も泊まらないで帰れるだろう。
「罠だの」
「ああ、罠だな。俺が解除するからちょっと待っててくれ」
「では、身代わりの魔法を掛けますね。パペットマンパティオ!」
「これは上級魔法でないと怖いからな。ティックセンス! 問題は何処まで影響しているのかが解らない事なんだけど。っと、これでだいじょう――! うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
「!? ウルドーラ! 急いで!」
「任せろ! セツラミラルーベ!」
「うぁあ! ああ! ああああ!」
「おいおい、落ち着け! もう切れてねぇよ」
「こういう時は他の痛みで紛らわせる方が良い。ほれ!」
「ふぐぉ!? ぐぐぐ」
「雑にするな。もう1度だな。セツラミラルーベ!」
「大丈夫かの? 足は辛うじて繋がっていたようだが」
「っはっはっはっは。はぁ。もう、大丈夫だ。傷は、塞がっているな。すまん。油断した。最後の最後でやらかした」
「珍しいであるな。エルンストがミスするのは」
「ああ、我も初めて見た」
「そりゃあ、ミスもするよね。エルンストって何でもできる様な気がしてたけど」
「……何でもは無理だぞ。第5紋章で出来る事しか出来ないからな。しっかし、身代わりの効果が大きい事も解ったな。これからも絶対に必要だな」
「おぃおぃおぃ。さっきまで死にそうな感じだったのによ。身代わりが重要なのかよ? オレもその内使わされるんだろうけど。どんな感じだったんだよ?」
「ああ、身代わりの魔法が無かったら、脚が3分割くらいになっていたはずだからな。罠を解除するときに、失敗したら何が起きるのかまで解るんだけど、それの書き方だと、太もも、脹脛で切断されるって内容だったんだ。それが太ももを大きく切り開かれるまでになっていたんだから、身代わりの効果は大きいと言う事なんだよ。……もっとも、こんな感じで実験をする予定なんて無かったわけなんだけど」
「安心材料にはなってないの。やれもその可能性があるとなると、冷や汗が止まらんの」
「これは、100層までと比べてどうなのかしら?」
「100層まではここまでじゃない。精々貫かれる程度だ。だから、中級回復魔法で大丈夫なはずだ。流石にさっきの傷だと、第7紋章1つ持ちでは厳しかったかもしれないけど」
「安心材料にはならんがな。第7紋章2つ持ちはてしだけだろう? 他にも探す方が良いんじゃないか?」
「っつってもなぁ。コールスであれだけ探しても居なかったんだぜぇ? まず居ないだろうよ」
「そうだの。奴隷として高く売れるからの。金欲しさに売る親も少なくないの」
「まったく、度し難い親も居たものだな」
「ソルガスは家族をかなり大切にするものね。今回の募集でも、ソルガスに期待していたのだけれど、流石に第7紋章2つ持ちは居なかったわね」
「聖女の噂も聞かなかったからな。居ないんだろうよ」
「うむ。それくらいには噂になってもおかしくないのである」
「メトイルでは良く隠せたよね。まあ、片腕を包帯でグルグル巻きにしていたら、解らないのも無理ないけど」
「いや、すまん。話題を変えてくれて。もう大丈夫だ。脚も普通に動くし、大丈夫のはずだ。ウルドーラもありがとうな。回復してくれて」
「何、これがてしの仕事だ。むしろ漸く仕事が出来た。今までは本当に居るだけだったからな」
「ヒーラーの仕事が多いってのは駄目な事だからな。ヒーラーは居るだけで良いんだよ。今回みたいな事にならない限りは出番がない方が良い。第7紋章2つ持ちは貴重なんだから、これからも頼むよ。でも、無限回廊で油断したのは俺の落ち度だ」
慢心駄目絶対。解除したと思っても、解除しきるまでが罠外の仕事だ。首じゃなくて本当に良かったと思う。首だったらと思うと、ぞっとするな。それでも皆が助けてくれたとは思うけど、失敗しないことに越したことは無いな。




