57話 山が消し飛ぶ採掘、そろそろ生産職専任を。ヴァンパイアバロン
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「何度見てもおかしな光景である。これが採掘というのも変だとは思うのだが」
「そうね。そろそろ慣れたかしら? 思った以上に効率が良いのは確かだもの。でも、普通であれば勿体ないとも思うのよ。消し飛ばしている訳だし」
「普通の鉱石ならこれで消し飛んでいるはずだからな。だが、ここにある金属はそんな程度じゃあ傷も付かねえ。純度は低いが、鉱石と解るものが多くあるんだから、これで正解なのだろう」
「見て居る分にはそういう解釈もできるが、これが1日で修復されてしまうんだからねえ。無限回廊も解らないものだよ」
何を言うのか。これが正しい採掘の方法だ。効率を突き詰めた採掘方法だ。どうせ明日になったら綺麗に元通りになっているんだから、これで良いのだ。多く金属が手に入る方法なんだよ。効率的に山を破壊して回るのが良いんだ。最終的にはクレーターになるんだけど、この位は採掘できるんだよ。登るのが大変だけどな。今いる地面も掘り返すんだよ。徹底的に掘りつくすからな。
「カンタレラ! 次はこっち側に大きいのを頼む! 上級魔法で頼むぞ!」
「まっかせてよ!」
カンタレラの熟練度を上げている。戦争で使う魔法を使って、熟練度をどんどんと上げていってもらっている。熟練度はまだまだだ。熟練度が高くなってくると、この山を消すのは1回の魔法で良くなるからな。今はまだ20発くらい撃たないと山が無くならないけど、今後に期待がもてる。因みにここは90層の採掘場だ。既に25層と60層の採掘は終えてきている。無限回廊も201層のマッピングを終わらせた所なんだよ。徘徊型? ヴァンパイアバロンだったよ。割と強敵を引いた感がある。
ヴァンパイアバロン。吸血鬼男爵だな。吸血鬼系統はそこそこの強さまで行く。下級神と同レベルまで強くなる系統だな。実は鬼系の亜種である。ゴブリンの親戚だな。ただ、まあ面倒なんだよ。実体があるので、壁は貫通してこないけど、常時霧化かコウモリ化しているんだよな。そして、知らない内に接近されて近接戦闘でやられるって事が多い。索敵回避能力も伯爵から持っている。まあ、所詮は男爵なので、中級魔法の索敵でも十分に対応できるんだけど。伯爵からは、上級魔法でないと認識できないし、真祖はそもそも索敵に写らない。
俺は視界に入った瞬間に解ったけど、これは慣れが必要だからな。吸血鬼は物理型の魔物だ。なので魔法で倒すのが正解。特に日光系の魔法に弱い。光属性ではなく、日光である。人工光には普通に耐性があるので注意だ。そして、聖属性魔法。これさえ覚えておけば吸血鬼系統は怖くない。
ゲーム時代はよく真祖と殴り合いをしていたなあ。物理型の魔物だから、物理に耐性があるんだよ。でも、それが楽しいんだよ。対人戦をメインにしていたけど、魔物で一番好きな系統はと言われたら、吸血鬼系統と答えるだろう。殴り合うのが楽しいから。
そして、ドロップも結構いいんだよな。何種類かあるんだけど、聖灰をドロップするんだよ。これは毎度毎度のお馴染みのアイテムで、何かしらの金属と合金に出来るんだよな。中級金属とが多いんだけど。合金はメリットが大きいから、作れるのであれば作った方が良い。色々とあるし、そもそも組み合わせが多いので、スルーしている事も多いんだけど、その中でも吸血鬼系統のドロップの聖灰は、95%くらいの確率で合金に出来ると判断されていた。単体で出来る場合と、聖灰と何かと金属って場合もあるんだけど、嬉しい特典が付くことが多いんだよな。
強いけど、弱点があるしドロップも美味しい。これは狙わない訳にはいかない。聖灰が何の金属と合金になるのかを調べて、何が起きるのかも調べないといけない。過去に一番良かったのは、コウモリ化出来る能力が付与された盾が強かったかな。コウモリ化回避っていう感じ? 全滅したら駄目なんだけど、1匹でも残れば無傷で生還できる能力だったんだよな。第2紋章には弱いんだけど、第4紋章2つ持ちとかには強く出れる。まあ、プロゲーマーはそれでも対応してくるんだけど、一般人相手なら結構大丈夫なんだよな。俺? あれは苦手だった。コウモリ化されると、5匹くらいしか潰せないんだよな。30匹くらいに分かれるから、対処が大変なんだよ。
自分で使ったことはないから何とも言えないんだけど、マントとかなら使ってたかもしれない。基本的にナックルダスター2つ持ちだったし、その他のアクセサリー系統も自己バフガン盛り、物理影響力ガン盛りだったからな。
まあ、そんな訳だ。無限回廊は順調に攻略出来ている。そして、余った時間は採掘しているんだけど、やっぱり露天掘りは最高だよな。吹き飛ばしながら鉱石だけを残しているんだから。土は消し飛ぶけど、鉱石は残る。そうやって集めるのだ。下級鉱石は直で精錬をやった方が良いんだけど、上級鉱石は出来ないからな。鉱石のママ持ち帰る。
「とりあえず、こんなもんだろう。良い感じのクレーターが出来たし」
「はーい。お疲れー」
「非常識だがな。地上で落盤を恐れながら採掘している連中に見せてやりたいくらいだ」
「まったくである。ここまでだと逆に清々しいまであるのである」
「慣れるしかないの。いちいち気にしていてもしょうがないの。どうせ明日も明後日も同じ方法で同じようにやっているの」
「そうね。それでエルンスト? 今日の鉱石はどうするの? 昨日の分も合わせて馬車で送るのは良いんだけど、そろそろ大狼平原の方のレベル上げも終わって来ているらしいわよ? 何でも、魔力覚醒をする者たちが出て来たって話を聞いているし。生産職でレベル100になった人達は、一先ず先に生産の方に切り替えた方が良いんじゃないかしら?」
「そうだな。今日帰ったら第6紋章か第8紋章持ちで、生産職希望で、レベル100を超えた人たちは生産に専念してもらうか。そうなってくると、半分くらいは黄鉄を残しておいた方がいいかもしれないな。黄鉄以外は採掘していないし、……どうするか。黄鉄も鉱石のままの方が。いや、赤鉛とバリル、ロズロルを鉱石からインゴットに精錬してもらうか。向こうは精錬の熟練度はもう大分上がっているだろうし、上級金属で熟練度を稼いでもらうか。魔力覚醒をしているのであれば、中級金属の精錬位は簡単に出来るだろうし、熟練度もちゃんと上がるしな」
「一先ずは仕分けからでしょうね。……拠点の倉庫に入るのかしら?」
「入るのかは疑問だな。それくらいには採掘している」
「だな。1日での成果としては破格の量だからな。これが8人でこの量だというのだから凄まじい」
「まあ、実働は殆ど1人だがの」
「うむ。わしらは拾っているだけである」
「まぁ難しぃことは任せるわ」
うーん。鉱石の割り振りなあ。明日以降から生産職が残り始めるんだから、結構な量が必要だろうと思うんだよな。どのくらい必要なんだろう。でも、今後は採掘も任せられるからな。
大狼平原に行く組と、無限回廊探索をするパーティーに分ける。そうすれば、無限回廊産の宝物が増える。第7紋章2つ持ちは居ないけど、100層までならまあ、必要ないだろう。即死は無いし、致命傷になりそうな罠も無かったし。150層辺りから、致命傷になりそうな罠も出てきているけど、まだ失敗してないしな。魔法一辺倒って感じでも無いんだよ。罠解除の魔法って。なんと言うか、手先の器用さも求められている気がするんだよな。
まあ、もう少ししたら無限回廊で宝箱回収部隊も作るからさ。これでマジックバッグを回収しまくりたい。必要な数は無限だ。1人1個を目標にしたいな。
 




