49話 無限回廊25階層に黄鉄、誰でも付与の運で素の赤鉛製以上を作れる
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女神の瞳を使うために、兵士で第8紋章も持っているものが選ばれてきた。そんなに緊張しなくても、女神の瞳は壊れないから。落としても大丈夫なんだよな。無限回廊産の宝物って壊れないんだよ。武器も壊れないぞ。デフォルトで不壊を付与されているとかどうとか検証班が言っていたっけな。最上級鑑定魔法でしか見えないから、普通は解らないんだよな。
女神の瞳に最上級鑑定魔法を使うのであれば、もう1つの女神の瞳か、それに類する鑑定魔法を使える宝物が必要だからな。あるのはあるんだろうけど、そもそも使い方を解っていなかったところを見ると、色々と解ってないんだろうなあ。面白い蘊蓄が結構出てくるんだけど。まあ、その蘊蓄の中には、何でこんな所に書いてあるんだって物もあるんだけど。
さて、鑑定結果を見ると、そこには俺たちが用意した鑑定証と同じ表示が出てきた。防御力なんかは無い。この世界には攻撃力や防御力と言ったものがない。全部、物理影響力と魔法影響力という言葉に変換されている。これは、攻撃も防御も関係なく影響するという意味だ。
そして、鑑定の結果はこの通りだ。
・黄鉄製の盾 物理影響力:170 魔法影響力:160 (付与:物理影響力160%、魔法影響力140%)
・黄鉄製の盾 物理影響力:166 魔法影響力:170 (付与:物理影響力150%、魔法影響力170%)
・黄鉄製の盾 物理影響力:170 魔法影響力:170 (付与:物理影響力120%、魔法影響力130%、重量軽減15%)
黄鉄製の物理影響力と魔法影響力の最大値が170。これは熟練度がそこそこ無いとこの数値にはならない。これを見たときは驚いた。ドゥニエル達はかなりの練習をしてくれたみたいなんだよな。これが喜ばずには居られるか? 無理だろう。
そして、付与の物理影響力と魔法影響力の上限は170%これもかなり頑張っている数値だ。重量軽減については、黄鉄だと20%減までが最高だ。これは十分に有用な防具兼武器になり得るんだよな。
「……素晴らしい数値だが、付与とはなんだ? まずそこから聞きたい」
「物理影響力と魔法影響力と言うのは、簡単に言えば、物理攻撃に対してどれだけの抵抗を見せるのかというのと物理防御に対してどれだけの攻撃力を誇るのかという数値ですね。魔法影響力は物理の所を魔法にしてもらえればと思います。これは中級鑑定魔法で解ります。そして付与とは、上級鑑定魔法により見破る事が可能で、単純に影響力に対して、その数値を掛けて貰えれば良いんですよ。この盾だと、魔法影響力170に、170%を掛けて貰うと、289になります。これは、赤鉛の数値の最大である250を超える盾になります」
「まて。それでは、この盾は魔法影響力だけなら赤鉛製の物よりも性能が良いという話になるが、それは本当なのか?」
「本当ですよ。単純に付与されていない赤鉛の製品の何よりも、魔法影響力が高いものになります。まあ、魔法影響力なんで、魔法を使わないと意味がないんですけど」
「……このような盾が存在するのか。という事は、こちらの物理影響力170で付与が160%付いている盾は」
「単純に計算して272の物理影響力があります。これも赤鉛よりも強い盾ですよ」
「なぜこのような事が起きるのだ? そもそもの話。これを作り上げるには魔法が必要だろう。第10紋章持ちでなければ、品質の良い武器や防具は作れない。そのはずだが?」
「認識に差があると言ったと思いますが、そもそも生産を得意とする魔紋章は第6紋章です。それにそもそもの話、黄鉄は下級魔法で加工が可能なので誰でもこのレベルの装備は作れるんですよ。付与には運が絡むので、一概には言えないですけど、魔法を使い込んで行けば、誰にだってこの程度の数値の武器は作れるんです。まあ、これははっきり言ってそこまで使えないので、欲しければどうぞ。お売りしますよ?」
「そこまで使えない? そんなバカなことがあるか! 赤鉛でさえ凌駕する物理影響力を持った盾が必要ないだと!? 一体何を考えての発言か! そもそもだ! 我が伯爵領では黄鉄までしか採掘できていないのだ。それなのにこれがあれば、赤鉛の軍隊を作れると言う事になるんだぞ! どうなっている!?」
「結局は黄鉄製の武器防具って、練習でしか使わないんですよ。実戦でも使うといえば使いますけど、これよりも良いものがあるので、まだまだ魔法の熟練度を上げるための道具でしかないんですよね。黄鉄が一番採掘しやすい所にあったので、採取しているだけなのと、下級魔法の熟練度を上げないといけないので、結局は黄鉄か青銅は何方にしても入手するつもりではあったんですが」
「まて! 黄鉄を採掘した? 何処でだ!? 鉱山まではそこそこの距離があるはずだ。それに、採掘は伯爵家で管理している。密掘は犯罪だぞ!?」
「いや、密掘なんてするわけがないじゃないですか。これは無限回廊で採掘した黄鉄ですよ。無限回廊ならそれこそ無限に採掘出来ますからね」
「無限回廊? そんなところが無限回廊の何処にあるのだ?」
「無限回廊の25階層の転移陣の近くに、いい感じの山地があるんですよ。そこで採掘しています。無限回廊の資源を入手していないなんて、勿体ないですよ? あそこは資源の山なんですから、無限回廊に通うのは必然でしょうに。あんな立地の良い鉱山、なかなか無いですよ?」
「馬鹿な!? 無限回廊の25階層だと!? 生きて帰って来るのが不思議でならない。そもそも、それだけの距離をどうやって移動するつもりなのだ!?」
「徒歩で行くに決まっているじゃないですか。まあ、無限回廊の5階層ごとに転移陣がある事も知らないんですから、無理もない話なんですけどね」
無限回廊は、広いように思うかもしれないが、1階層はそこまで広くはない。1日に5層も降りられるんだから、そんなに広い訳がないんだよ。新宿駅の10倍くらいの広さらしいぞ。行ったことがないから解らないけど。なんか、日本にもダンジョンがあるらしいんだよな。そこの10倍だ。そこそこ広い程度のものなんだよ。
まあ、階段を見つければ良いだけなので、実質は1つ分くらいしか移動はしないんだけどな。それに、地形的に階段がある場所はなんとなく解るんだよ。無限回廊はレベル上げに何度も通ったからな。マップ生成の癖くらいはなんとなくだが想像がつくんだよ。
簡単に言うと、100層まではそこまで難易度が高くない。それは必要な資源を入手して欲しいからだ。この難易度を上げてしまうと、ゲームが成り立たないので、100層までは簡単なのだ。事実、その感覚で潜っている訳なんだが、階段は見つかっている。大体10移動する範囲にあるんだよ。通路で1、部屋で1。この法則で成り立っている。だからスムーズに階層を攻略出来ている訳なんだ。ヒント無しでさまよっている訳では無いんだよな。
102層目からは、完全にランダムだと言われているけどな。その先は余り行ったことがないから、よく解らない。1層でどの位の時間がかかるのかなんだよな。まあ、その為の魔法があるんだが。既に俺もエスメラルダも何度も何度も使っている魔法だ。階段を探す魔法は無いんだけど、先の地形を把握する魔法ならちゃんと用意されている。問題はない。
知らないと本当に迷路だから迷うけどな。どうあがいてもこれ以上先に進めないってことは無い。足掻けば方法はあるんだよ。それを知らないだけなんだ。知ってしまえば、それこそ兵士でも余裕で探索が出来るぞ。やっぱり魔法を使わないってだけでも大きすぎるハンデなんだよ。何で自分たちでハンデを背負うんだろうか。意味が解らない。魔法はしっかりと便利に使っていくべきものなんだよ。




