48話 10年後戦争。第2紋章2つの破壊は町を湖可能、鑑定は第8紋章
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「解った。拠点についてはメトイルしか権限がない。よってメトイルに拠点を作る事になるが、構わないか?」
「はい。それで構いません」
「拠点の許可については、各町に推薦状を出しておこう。領主館と冒険者ギルドに出しておくので安心して欲しい。最大限便宜を計る様に伝えておく。それと非人間を受け入れる、だったな。これは伯爵様にお願いしておこう。今まで以上に集めるようにとしておく。その代わりなのだが、出来るだけ早く拡大をお願いしたい。できれば10年後には、全ての町に拠点があるというのが望ましい」
「それは、つまり戦争が10年後には再開されるという事でよろしかったでしょうか?」
「ああ、10年後には戦争が再開される。第3王子派と第5王子派がこれを狙ってきている。隣国とは不倶戴天の敵である。これを討たずしてどうするのかという機運を今現在も高めている最中だ。そして、反対をしているのは第2王子派と第4王子派だ。第1王子派は、これを機に出し抜くために策を練っているという情報が入ってきている。つまりは、勢力が大きい3派が戦争に前向きなのだ。内政や商業については力を入れないつもりでいるらしい。現王は、王子の好きにやらせている。10年後の戦争も勝てると踏んで推し進めるだろう。現王も今年で43歳。そろそろ後継者を決める予定なのだろうが、戦争の結果を待つ可能性がある。その時に出し抜くための戦力が欲しい」
「それでは、大々的に非人間を集めて貰わないといけないですね。非人間は奴隷にされて、最初に命を散らす事になりますから。出来る限りで構いませんので集めていただきたいです。奴隷同士の交換でも何でも構いませんので」
「解った。出来る限り集めよう。それで、10年後にはどの位の戦力を用意できる?」
「この問いにはエルンストが適任でしょうね」
「……そうですね。戦力としては、10万人程度集まればいいかなと思っております。どの位の非人間が居るのかは解りかねるのと、このヒルストン伯爵領がどの程度広いのかが解らないのと、戦争に参加したくない人は尊重したいので、兵数としては、その様な感じでしょうか。集めることが出来るのであれば、20万30万と集めたいですが」
「そうか。約10万か。それで、他派閥を出し抜くことは可能か?」
「出し抜けるかどうかは解りませんが、相手国の広さ次第では落とすつもりです。王都の陥落までは最低でも行います。広すぎると、流石に全町を落とすのに苦労はすると思いますが、できうる限りやるつもりです」
「……最低でも王都の陥落だと? それが可能な戦力が集まるという事なのか?」
「いえ、可能な戦力なら既に集まっては居るんです。ちょっと魔法の習熟に時間がかかるのと、レベルが足りないのと、もう少し良い装備が欲しいので10年後であれば、王都陥落程度は楽に出来ると思います」
「なあ、130人しか居らんで? 必要な戦力って言ってもやな。何人で国を落とすつもりで居るんや? 普通は軍隊を相手にするんには数が必要やで?」
「うむ。流石に130人では無理があろう。最低でも300万人の軍と事を構えるのである。簡単にはいくまい」
「いや、人が300万人程度なら、カンタレラ1人で終わる。まあ、指揮をするのに俺が行くのと、最低限の防御が欲しいから、ガストビは連れていくけど」
だって、なあ? 魔法を主体に戦うのであればもっと数が欲しいんだけど、第10紋章を英雄紋章とか言っている軍隊に負ける軍隊なんだぞ? カンタレラ1人で終わるだろう。もうちょっと熟練度を稼がせないといけないのと、レベルが300は欲しいから10年後なら十分に時間はあるし。
これが第9紋章2つ持ちを並べた防御陣を敷いてくる相手とかなら、第2紋章2つ持ちを100人近く欲しいという所なんだけど、金属も中の中が最高なんだろう? 上の上の金属とは雲泥の差があるから、正直相手にならないんだよな。
そもそも、第2紋章2つ持ちが本気で戦えば、地形が変わるからな? そういう相手を想定した魔法構成になるから、まあ、魔法を碌に使わない人程度、カンタレラ1人で十分である。それ程に魔法を使わないのはマイナスなんだよ。デカすぎるハンデなんだよな。なんで魔法を使わないのかが理解できないくらいには強いんだけどな。
「カンタレラの責任が重大になった件について。非常識が歩いてるエルンストとは違うんやで?」
「って言ってもなあ。第2紋章2つ持ちってそういう所だから。この町を滅ぼすくらいなら今でも出来るぞ? 手加減しないと生き残りが居なくなるんだよなあ」
「……それ程までの威力があるのか?」
「正直なところですと、今ですらこの町が将来、湖になるくらいには非常識なことがおきます」
「そうか……。では、10年後、期待しても良いのだな?」
「ええ、その位出来る様には仕上げておきましょう。できれば、地図を頂けると。相手国を落とすのにも地図が欲しいですし。軍事機密なのは解っているんですが。できれば、領地内のも貰えると」
「良いだろう。地図程度は構わん。10年後に第4王子派がトップに立てる事を思えば容易い事だ」
おっ、駄目元で頼んでみたら、地図が手に入ったでござる。いや、本当に良いの? 軍事機密の筈なんだけどなあ。特に領地内の地図とか渡したら駄目な奴では? 貰えるのであれば貰うけど。
さて、10年後の話は了解した。カンタレラの熟練度を上げないと。その他の第2紋章持ちをどんどんと鍛えないとな。後は第3紋章持ちも。遠距離から狙撃してやろう。見えない所からどんどんと魔法を撃ち込まれる恐怖を味わうがいい。まあ、国は落とすので、恐怖は1回で済むとは思うけどな。兵士は基本的に殲滅案件なので。平民と冒険者は残すけど、戦争に参加している兵士や相手貴族を生かしておく必要が無いんだよな。後々にお家再興とか独立王政復古とか要らない。
「さてと、色々と話が纏まったし、支援もしてくれるんだから。ドゥニエル、あれを出してくれ」
「おっ! 漸くこれの出番か。待ちくたびれたで」
「エルンスト殿、これは?」
「俺たちの同盟で作った黄鉄製の盾です。3つありますので、比べて貰えれば」
「……普通の品を持って来たという事はあるまい。君、あれを持ってきてくれ。調べるにはあれしかないだろう」
「は!」
兵士君が出ていった。この部屋でずっと待機してたからな。先の10人じゃないぞ? 扉の前に1人ずっと立ってたんだよ。外にも居るんだけど、何で中にも必要なんだろうって思ってたんだよな。何でなのかは今も解ってないんだけど。護衛なら、居なくなったら駄目じゃないか?
暫くすると、兵士が箱を持って来た。……やけに厳重な箱だな。調べるあれと言われたら、幾つか候補は出てきているんだけど。どれなんだろうな。いや、想定しているのでも50個くらいあるから、本当にどれなのかが解らない。
「あ、……女神の瞳か」
「ぬ! 何故知っている!?」
「無限回廊産の宝物ですよね。鑑定魔法を魔力関係なく使える奴ですけど、良いんですか? 第8紋章を1つ持ってないと、中級鑑定魔法しか発動しませんけど」
「何故、私たちよりも詳しい事を知っている? それよりも、第8紋章持ちが必要だというのは本当か?」
「ええ、元々、鑑定魔法は第8紋章の領分ですから。これは第10紋章2つ持ちでも上級鑑定魔法は発動しません。その代わり、第8紋章を1つ持っているものが発動すると、上級鑑定魔法になります。しかも、女神の瞳は、鑑定結果が誰にでも見える様にする物です。第8紋章持ちが使わないと勿体ないですよ?」
そうなんだよな。女神の瞳は鑑定を魔力関係なく行えて、皆に見えるようにするんだけど、それ以外にも、1ランク上の鑑定魔法が使えるようになる。これは下の上を中の下に押し上げる効果なので、中の中までしか見えない第10紋章2つ持ちでは上級鑑定魔法にならないんだよな。第8紋章1つ持ちなら、上級鑑定魔法になるんだけど。因みに第8紋章2つ持ちが使うと、最上級鑑定魔法が使えるようになる。色々と蘊蓄が隠されている隠し要素なんだけど、それは別にいいかなって。最上級魔法に辿り着くには、特定の方法しかないから、言わない方がいいかなってさ。




