表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔紋章のある世界へ  作者: ルケア


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/191

46話 大官に、育てば第10紋章より、他の魔紋章の方が活躍するという

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 歩いて領主館までやってきた。片付けは済んでいるが、大分汚れてしまったのと、ボロボロになってしまったな。ここで戦闘をしていたんだから、仕方が無い事ではあるんだけど。


 そもそも冒険者がもっと強ければって話なんだよな。死に過ぎているからなあ。何でそんなに死にたいのかね? 死にたくなければ魔法を使えば良いんだよ。そんなに難しい事でも無いんだから。身体能力強化魔法でも十分に戦えるのにな。


 知らないって本当に問題しか起きない。知らない方が良いなんて言うけど、知らないと理解できないだけで不幸になるんだよな。基本的には知っておくべきだ。


「おっ! この間の援軍の! 代官に呼ばれたんだってな! 交渉頑張れよ!」


「ありがとうございます。できれば良い条件を引き出したいと思ってますよ」


「安心して欲しい。ここの代官は優秀だ。ちゃんと考えられる人だからな」


 そうなのか。それなら多少は安心材料だ。……言葉には嘘は無かったな。当然だが、嘘を感知する魔法も存在する。第5紋章を使えばこんなもんよ。中級魔法でも嘘ではないと言っている。それなら7割信用できるな。嘘を誤魔化す魔法もあるからな。


 案内されて領主館の中に入る。……なかなかに趣味が良い。金満貴族とかだと、やらかしている事もあるからな。裸婦像とかそういう系に走る貴族もいるし、グロ系統に走る貴族もいる。最悪なのが、宝石や希少金属をこれでもかと使っている調度品が置いてある奴な。見ているだけでもこいつはハズレだなって解る奴。そう言うのが置いていないってのは良い事だ。


 ただ、解る所には解るというようにさりげなく金を使っている。そういうので良いんだよ。何でか知らないけど、金満貴族の半分くらいは独自性に富んだ方向に伸びるからな。そういう貴族家は基本的にハズレなんだよ。ここは居心地も考えられていていい感じだよな。


 とりあえず、応接間に通された。代官が来るのを待つ感じだな。さりげない心づかいがありがたい。俺とアルレニスは良いんだけど、ガストビは尻尾があるし、ドゥニエルに至ってはアラクネなので、椅子が普通のでは座れない。準備してあるという事はそういう事なんだろう。これも好印象だな。


「なあ、何でアラクネ用の椅子があるんや?」


「うむ。背もたれがない椅子は普通は用意しないのである」


「その辺はちゃんとわかっている代官の様ですね。安心しました」


「期待しても良さそうだよな。ここまで来た感じだと、調度品もまともな感性を持っている人だと思うから、多分大丈夫だと思うぞ」


「そうですわね。お金を持つと、その、趣味が大きく変わる人もいますから」


 そうなんだよな。特に1代成金とかはそうなんだよ。よく解らない嗜好に走りがちになるんだよな。何でなのかは知らないけど。


 まあまあ期待できる感じだし、早く来て欲しいが。こういうのって待たせた方が良いって思う貴族も居るから問題なんだよなあ。待たせるというのに悦に入るタイプだと面倒なんだよ。10分くらいで来てくれるのが理想だな。


 なんだかんだと話していたら、代官が入ってきた。……見た目も普通。来るタイミングも悪くはない。印象はちょっと、疲れ気味って感じだろうか。まあ、スタンピードの処理で大変だろうからな。隠そうとはしているが、隠せていない。


「待たせて申し訳なかったな。私はこの町の代官をしている、ゴードン=ヒルストンだ。ああ、貴族ではない。家名はあるが、傍流に当たる。既に貴族家の一員ではない。だが、心持はヒルストン伯爵家にあると思ってくれていい」


「ご紹介ありがとうございます。私は同盟〈光る原石〉の副盟主、アルレニスと申します」


「同じく、副盟主のガストビだ」


「同じく、副盟主のドゥニエルや」


「そして俺が盟主のエルンストです。今日は会う機会をくださりありがとうございます」


「いや、礼には及ばん。というよりもこちらが助けて貰った。他の町の事は聞いているだろう? 今回のスタンピードで無事だったのはメトイルだけだ。それについても感謝をしている」


「当然の事をしたまでです。私たちにとっても、この町は拠点なのです。守らない訳には参りません。それに、非人間を受け入れてくれているのです。こちらこそ感謝をしております」


「それについても礼には及ばん。私としては、人間であろうが非人間であろうが、使えるものは使うという考え方だ。それはヒルストン伯爵家も変わらない。結局は同じ人なのだ。種族で何かの差がある訳でもない」


「全く無い訳ではありませんけれども。龍隣人や獣人は力が強いですし、鳥人には飛行能力があります。メルキュルはかなり手先が器用ですし、ある程度の差がある事は認識しております」


「それはそうだ。だからと言って、獣人を荷運びにだけ使う訳でもない。頭のいい獣人も居ることは事実だ。その個人にあった仕事をやれば良いとは思っている」


「そうですね。ですが、私たちの同盟〈光る原石〉は、魔法に力を入れております。出来る事ならば、可能な事であるのならば、殆どを魔法で何とかしようとしているのです。それは、種族も何も関係なく、魔紋章で仕事を区別しているのです」


「魔紋章か。……教会勢力の事に首を突っ込むことになりかねんが、魔紋章について、どの位の知識がある? 魔法を駆使して何かをしようとしているのは解るが、魔紋章について詳しく知らなければ、魔法を使うという選択肢も無いはずだ」


「それに関しては、盟主であるエルンストから答えて貰いましょう」


「魔紋章についてですが、95%程は理解しているつもりです。完全に理解しているとは思っておりません。ただし、今の価値観の魔紋章の考え方とはまったく違うとだけ申しあげておきましょう」


「ほう、95%の理解があると。それは殆ど知っているという事になる。それに、今の価値観とは全然違うというのは面白い。今の価値観は500年以上前に決まっていること。それとはまったく別の道を歩むと、そういう事ですか?」


「ええ、その通りです。では聞きますが、魔紋章の重要度、これの順番はどうなっているでしょうか? そこからすり合わせていきましょう」


「重要度か。これは昔から言われていることだが、もっとも重要なのは第10紋章だ。その次に第7紋章。これとは別の段に第2紋章。更に下に第1、第3、第6、第9、第4と続く。そして、最下層に第5、第8と続くというのが一般的だ。君たちはそれは違うと言いたいのかね?」


「ええ、まったく違います。私たちがもっとも重要視しているのは、第8紋章です。その次の階層に、第4、第7、第6、第5、第2、第9、第3、第1と続いて、最下層に第10紋章です。これが私たちの同盟の認識です。一般的に最重要であるという第10紋章を否定し、一番いらないという第8紋章を最上位に置いています。後の紋章は、正直な所、横並びですね。順位は付けましたが、重要な場面は各々あります。9位である第1紋章でさえ活躍の場があると思っております。しかし、第10紋章だけは、正直な所、必要ありません」


「ふむ。真逆と言っていい内容だ。それが君たちが出した答えであると、そういう事なのかね?」


「ええ、そうです。第10紋章は初めこそ強い紋章ですが、尖った所が無いのが欠点です。専門性では、各紋章の方が強いと思っております。問題は、そこまで魔法をちゃんと育てるのかという所にあるのです。魔法は成長する。それはご存じでしょう?」


 熟練度システム位は把握しておいてもらわないと困る。教会の話でもあるんだから、ちゃんと知っていて欲しい所。何でそうなるのかは知らなくても良いんだけど、最低限度の知識はあって欲しいよな。特に貴族には。まあ、答え合わせはどうなるのか、だよな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] タイトル案 大官に、育てば第10紋章より、他の魔紋章の方が活躍するという
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ