39話 最終局面だ。敵が多いから2班同時で戦うぞ
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「激しくなってきてな。間隔が殆どなくなっている。もう少し余裕が欲しい所なんだが、魔物の量が多くなりすぎている」
「うーん。となると、そろそろ終わりが見えてきたか。リーダーが率いているはずだから、この8時間で終わるかもしれないな。異常に増えている訳では無いんだろう?」
「異常かどうかは解らん。ただ、面倒だと思うくらいには襲ってくるようになった。これで終わりになるのであればいいんだが」
スタンピードの終わりが見えてきたな。今回で20時からの戦闘が3回目だ。この8時間か、次の8時間で終わるんじゃないかな。少なくとも、俺たちが4回目を戦う事は無いだろう。
がっつりとした戦闘はこれで最後だと思う。4回目があったらゴブリンジェネラルは出なくても、赤鬼は出てくるかもしれないな。そんなことは無いと思うけど。
外の人間の冒険者も持ちこたえているし、大丈夫なんじゃないかな。ここからが山場になるんだけど、余裕はあると思う。
こっちには余裕がある。ちゃんとドロップ品も回収できているし。これが回収できなくなってきたら本番だ。そうなったら2時間から5時間は戦闘を終われない。ゴブリンリーダーの数にも因るんだけど、まあ大丈夫だろう。そうそう終われないなんてことは無いはずだし。
魔法による飽和攻撃が出来るのであれば、そこまで大変じゃないんだよ。どれだけ苦手な人でも、最低4つの魔法は並行使用できるようにしてあるんだから。ジスレアなんて12から15は使えるんだよ。俺は39個フルに使えるけど、下級魔法だからな。中級魔法とは難易度が違うんだよ。
「余裕があるし、大丈夫だろうとは思うけど、アルレニスにだけは言っておいてくれ。多分だけど、最終番だと。切り抜けられるはずだ」
「了解した。では、交代も出来たようだし、退却するよ。起きたら終わっているというのが理想だがね」
「上手くいけば終わっているさ。……なんとなくだけど、そんな気はしないんだけど」
「おいおい、冗談でも不吉な事は無しにしてくれ。まあ、よろしく頼むよ?」
任せろと手を上げてそれまでだ。後は終わるかどうかは運に掛かっている。スタンピードは特に宝箱があるわけでも無いからな。あまり美味しくないんだよなあ。影響するのは認知度が上がるって事くらいなんだけど、認知度が上がると、良いことも悪いことも引き込むから、必ずしも良い事とは限らないんだよな。
さあ、終盤戦だ。ここからは耐久テストみたいな感じだからな。俺も魔法を待機させておくかな。余力は残しておかないといけないが、索敵以外にやれることと言ったらその位だからな。直線的に進む魔法しかない訳では無い。特殊な魔法を使えるのは、割と少ないんだよな。小鬼の森をメインに活動している人たちだと無理なんだよ。大狼平原で活動している人たちは使えるけど。
そして、6時間ほど戦っているんだけど、終わる気配どころかどんどんと酷くなっていっているんだよな。まだ終わらないのかね。ちょっとだけ不味いかもしれない。
赤鬼は出てくるかもしれないな。こっちに来るのかが問題なんだけど。こっちに来てくれたらどうとでもなるんだけどな。他の冒険者の方に行った場合は、どうなるんだろう。死人が出るかもしれないか。別にいいんだけど、メトイルが荒らされるのは問題だよな。それが無ければいいんだけど。
領主館を守っている兵士も何処まで戦えるのかも解らないし、本当に解らないことだらけなんだよな。出来る事をやるだけなんだけど、このまま順調に終わってくれるのか心配になって来た。
ほら、よくあるじゃないか。転生者の運命力的なものが。そういう漫画も読んだからある程度は知っている。こういう時に限って何か問題が起きるんだよな。
「ジスレアから報告です。強いのが出たけど何とかなった。だそうです」
「解った。こっちでも確認してたから解っている。多分、今後の主力は赤鬼だ。中級魔法を遠慮なくばらまいてくれと伝えてくれ」
「解りました」
索敵魔法である程度は解っている。ある程度の強さくらいは観測している。多分そうだよなって思いながらも、違ってくれと思っていたからな。
まあ、赤鬼に苦戦することは無いし、こっちは問題ないんだよな。こっちはだけど。他の冒険者なんて知らん。そっちは自分たちで何とかしてくれ。こっちも自己責任でやっているんだから。
でも、何とかドロップ品も回収できているし、大きな問題はないよな。このまま終わるのかが問題な訳なんだけど。終わってくれるのかね? 終わってくれるといいなあ。
赤鬼が出てからも暫くは戦いが続いた。何体かの赤鬼が倒されている。こちらの被害は無しだ。当然だな。その位で苦戦してもらっても困るんだよ。ジスレアもちゃんと配分は考えているようで、下級魔法と中級魔法を使い分けているようだ。緩急って大事だから。特にこんな耐久戦はな。
……あ、これが最後だな。団体さんが来ている。間違いなくこれで終わりだが、ゴブリンジェネラルでは無かったな。この規模でジェネラルは無い。リーダーが30体くらいは居るかもしれないけど。それでも、赤鬼まで出てくるんだな。別に報酬が美味しくなるだけだからいいんだけど。
「エルンスト、交代ですわよ。そろそろ準備をしてくださいな」
「いや、継続だ。これからが最終局面だ。ここで一気に叩くぞ。俺の班が帰るのが遅くなるけど、2班同時に攻撃した方が良い規模がやってきている」
「そうなのですか? ただ、町の方にも人を配置した方が良いかもしれませんよ? 冒険者の防衛戦を抜けられていましたから」
「……守れてないのか。いや、でも流石にこの規模を素通りさせる訳が無いから、ここで防衛だな。町の被害は後で何とでもなる。住民の被害はこの際無視しても良いからな。スラムが無事ならそれでよしとするしかない」
「その判断なのでしたら戦力に加わりましょう」
「指揮はお願いしても良いか? 俺も魔法を使った方がよさそうだ。数が数だし、下級魔法でもばら撒きくらいにはなるからな」
「請けましょう。それでは何とかしてくださいね?」
「無茶では無いからな。何とかしよう。皆でな」
前線に上がっていきながら、撤退は出来ない事を伝えて回った。ここで終わりだからと、勝負を決めるという事で、何とか納得をしてもらった形だ。俺もどんどんと魔法を使っていくぞ。
39個の魔法を並行使用できる俺は、狙いを小物に絞った方が良いんだよな。それくらいのコントロールは出来る。もちろんだが、索敵系の魔法は使いっぱなしだ。そうしないと敵を視認できるかどうかが魔法の有効範囲内だとなってしまうからな。下級魔法の射程くらいは頭に入っている。ギリギリのラインを攻めるつもりでいるんだよ。
「エルンストが人外な件について。この連射は反則でしょ! どうなっているの!?」
「ジスレアも訓練すればこのくらいは出来るようになる。魔法を発動させて待機させる技術だ。その分魔力を食うが、同時使用よりも連射できる方が強い。これに回避先を読んだ攻撃なんかを織り交ぜるとウルフ系統にもかなり戦えると思うぞ。まあ、まずは39個の魔法を並行使用する技術を身に着けてからにはなるけどな」
「道のりが遠すぎるんだよねえ。まだまだって事なんだよね?」
「まあな。こんなものは慣れと経験だ。常に身体強化魔法をかけていればこのくらいは出来る様になるんだよ」
「自分よりも年下に経験を語られる件について。でも、青鬼や赤鬼は狙わないんだね?」
「狙っても倒せない事は無いけど、ジスレアに任せた方が早いからな。雑魚の掃討をした方が他の人たちが狙いやすいだろ?」
「そこまで考えて魔法を使わないといけないの? 人生足りなくない?」
「足りるって。10年もしないうちに十分な実力が身につくようになる。まずは大狼平原でフェンリルを探してもらう所からだな。居るのかどうかは知らないけど」
マジックエンブレムのタイマンでは、このくらいは出来ないと上位に食い込めないからな。下級魔法は使いつくしていると言ってもいい。第1紋章でもそれは変わらない。
皆の手本になりつつ、雑魚を中心に掃討していく。青鬼と赤鬼は任せておくに限る。どうせ集中砲火をしないといけないんだから、俺がやる必要は無いからな。




