38話 ゲーム時代から擬態魔物対策で、教会は大人を魔紋章で人か判断
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ジスレアと非人間排斥主義者を殲滅して、とりあえずこれで平穏が訪れるだろうと思う。これ以上に大きい勢力があるのかが解らないからな。もうこれで終わって欲しいとは思うんだけど。
大体だが、300人くらい殺して回ったかな。首謀者を確殺して、怪しい所も殺して。そうしているうちに300人くらいになったんだ。
少ないとも思わないし、多いとも思わない。こんなものだろうと思う。全部じゃないとは思うけど、もっと勢力が強ければ簡単に襲えたと思うしな。
「これだけ潰してもまだいるかもしれないんだよね。何で同じ人なのに排斥したがるんだろうね?」
「あいつらにとって、非人間は人じゃないんだろうな。完全に動物か何かと勘違いをしているはずだ。子供が出来るんだから同じ種のはずなんだけど」
「そうなの? まあ、鹿や猪と子供が作れるかって考えると、作れないとは思うけど」
「一応な。出来る組み合わせもあるみたいなんだけど、そうなるとその次の子供が作れないんだよ。そうなっているらしい。だから、人間も非人間も、子供を作って孫も出来るから、同じ人間に分類しても良いはずなんだよな」
「ふーん。まあ難しい話は置いておくとして、これで何とかなってくれるといいんだけどなあ」
「当面の間は大丈夫だろうと思う。これでもまだ居るのであれば、そもそも俺たちがパーティーを組んだ時点で襲ってきているはずだしな。そういう訳でもないって事は、数自体が少ないんだろうな。後は、上位の奴らが居なかったからってのもあると思う」
「今回潰した商人は中堅だったしね。むしろ若干小さ目? そのくらいだったと思うんだけど。でも、大きいお店が違ったのは良いことだよね。そこを潰しちゃうと色々と面倒になるでしょ? 仕入れ先なんかも変わるんだろうし、お金が必要になるんだよね」
「お金が必要なのは仕方がない。何をするにしても金金金だからな。お金がないと碌に生活も出来ない。教会が何とかしてくれるって言っても、結局は寄付金でどうにかしているだけだからさ」
「だよねー。教会は全員に優しいけど、他はそうでもないし。皆教会の人を見習ってほしいよね」
教会だけは非人間を絶対に差別しない。教義的にそうなっているんだよな。教会関係者は魔紋章を持っているのかどうかで人かどうかを判断している。魔紋章が無い人を人とは認識しないんだよな。子供は別だけど、大人で魔紋章が無いってなると、神から見捨てられた人という事になり、彼らの保護対象にはならないんだよな。
……ゲーム時代でも、そんな人は居なかった。人間に擬態する系統の魔物が居たから、それを見分ける為にってのもあるんだろうけどな。特に悪魔。高位の悪魔で快楽主義者とかは人間に擬態しつつ殺していくのを楽しむ奴も居る。素材にもならないし、悪魔は本当に要らないんだよな。
そんな悪魔が出てきたら、まあヤバいだろうな。国が亡ぶ可能性すらあると思うぞ。今のままだとそうなると思う。今回の青鬼の認識から、実はかなりヤバいのでは? と思い始めているんだよな。いや、第10紋章を英雄紋章とか言っている時点でヤバいのは解りきっていたんだけど。
どう立ち回るのか、だよなあ。それにはまず、国の制度というか、どういう国なのかの情報が無いとどうにもならない。冒険者ギルドで聞ける情報は2割程度だと思う。国に関しては、まずはここの代官に話を聞かないといけない。民主主義ではないのは解っているんだけど、じゃあ他の体制でどれなのかってのが解らない。共和制でも無さそうではあるんだけど。コールスで思いっきりやったことに対して、何も言ってこなかったという事は、そういう事なんじゃないかと思っているんだよ。
ゲーム時代は、多種多様な国があったんだよ。どの国も特色があるんだよ。王様が居るのかいないのか。貴族が居るのかいないのか。政党があるのか無いのか。職業政治家なのかそうでは無いのか。考え始めるときりがない。個人的には、この国は王国か帝国だと思っているんだよ。国の在り方がそうな気がするってだけなんだけどさ。
ちなみに冒険者ギルドは基本的にノータッチだ。国に属しない組織だから。冒険者ギルドはどの勢力にも属さないが、戦争なんかにも参加はする。強制では無いけど。強制参加の場合は、今回の様な魔物に関する災害だけなんだよ。それ以外は基本的には自由なんだ。
その自由のせいで襲われたりもしているんだけどな。それはさておき、国に関しても情報収集を始めないといけない時期にやってきたという事なんだろう。まずは、このメトイルを誰がどうやって治めているのかの確認だな。それとコールスについてもだ。同じ人が治めているとは思うんだよ。関税が無かったからな。だから貴族が居るんじゃないかって予想が出来た訳なんだけど。
共和制や民主主義だと、町ごとに政治体制が違うなんてことがままあるんだよ。それがなさそうだという事は、貴族が治めている可能性が高い。後は広いのか狭いのか。融通が利くのかどうかなんだけど、その辺はもう運の領域だから。生まれてきた場所の問題だから、どうにもならない。
ただ、1つ言えるのは、ちょっと前までは戦争があったって事なんだよ。俺を奴隷に売り飛ばす気の母親が、売れなかったのを考えるに、奴隷が余っているという事は、戦争が終わってしばらく経ったという事なんだよ。戦争に勝っても負けても、奴隷は必要だからな。それが要らなくなったという事は、暫く戦争はしていない。
そして、前線からも遠いんだと思う。近ければ、軍事に傾倒していてもおかしくないんだよな。なのに、この町の兵士の人数は100人程度。10万人居るなら、1000人は軍人にしても良いはずだ。それをしていないという事は、そこまで大きな家では無いのと、前線から遠いという考えが及ぶんだよ。
当てにならないという訳ではない。ある程度の経験から言うと、この町が所属しているのは王国か帝国で、貴族が治める領地であり、戦線から遠いという事なんだよな。何処まで予想が正しいのかは知らないが、そういう事だろうと思う。
その貴族様が非人間排斥主義者であった場合は、ちょっとお話が必要なんだけど、この感じを見ると、そういう訳ではないと思うんだよな。むしろ非人間の逃げ道になっている可能性がある。メトイルもコールスも非人間のスラム民が多い。それはそういう事なんだと思うんだよ。もしも貴族が非人間排斥主義者であるならば、スラムからも根絶やしにする可能性が高い。
こういう所から考えて、貴族が治めている土地であった場合は、話し合いで何とでもなると思うんだよ。平和的な解決が出来ると思う。俺だって毎回毎回お話し合いをすることが良いことだとは思っていないからな。出来るのであれば、穏便に済ませたいのが本音だ。
教会勢力に遠慮するのかってのがあるしな。教会勢力も別に差別はしないだけで、積極的に非人間を助けてくれるわけでも無い。ここはひとつ、協力者を増やしておくべきだろうと考える。その為には影響力を持たないといけない。町に影響を与えるくらいの事が出来ないといけない。そうしないと話し合いの場さえも作れないからな。
いずれにせよ、教会とは仲良くやりつつ、非人間排斥主義者を徹底的に殺して回るのが正解だろうな。殺さない選択肢はない。彼らが改心する事なんて無いんだ。人間、そう簡単に心が変わるわけがない。変わったのであれば、悪魔の誘惑を考える方が自然だろう。
「エルンストはなんでそんなに難しい顔をするんだろうね? もっと簡単に考えれば良いじゃない」
「とはいってもな。これでも一応は盟主なんだ。考えもするさ」
「そうじゃなくてだよ? どの道、敵対するのであれば、徹底的に叩き潰せばいいだけの話でしょ? 難しいことを考えなくても、殺したらすっきりするって」
「……まあ、そうなんだけどな。その為には、勢力を大きくしないとな」
「まずはこの町からでしょ? そこまで難しくは無いんじゃない?」
「そうか?」
「そうだよ。後100倍大きくすればいいだけでしょ? 6人から100人になったんだもん。直ぐに1万人になるって」
そう簡単にはいかないんだけどな。まあ、良いか。気楽に行こうって話なんだろうし。問題は住む場所だけなんだけど、流石に大工に頼まないと家は怖い。魔法で建築って出来るんだろうか。そんなことは考えたことが無かったんだけど。




