34話 スタンピード迎撃部隊編成
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「さて、集まってもらったわけなんだけど、スタンピードが明日くらいから起きるらしい。アルレニスが冒険者ギルドで聞いてきたことだ。これの討伐に参加することになる。冒険者は強制参加なので、生産職の皆も戦ってもらう事になる」
ざわざわと声が聞こえる。スタンピードを経験したことのある人は、居るだろうけど、そもそもどんなのだったか忘れていたりするだろうからな。それか逃げてきたのか。ヤバい所がスタンピードを起こしたらもうその町は駄目だろうからな。
「今回スタンピードを起こすのは、小鬼の森らしい。小鬼の森で出てくる魔物で一番強いのは、精々青鬼がいい所だろう」
「青鬼なのだ!?」
「おいおい、やばいんじゃないのか!?」
「冒険者だから逃げられないの!?」
「まあ、聞いてくれ。青鬼がどのくらい強いのかという話なんだが、大狼平原の2層目くらいの強さだ。つまりは、皆の実力で勝てる。青鬼とはその程度の魔物なんだ。ジスレア、大狼平原での狩りはどんな感じだ?」
「順調だよ。2層目も余裕だし。苦戦らしい苦戦もしてないよ」
「という事だ。青鬼の強さは大狼平原の2層目程度。今、大狼平原で狩りをしている人たちが余裕で倒せている。つまりは、何も恐れる事は無いという事なんだ」
またざわざわとしている。仕方が無いことではあるんだけどな。倒せると言われても、実際には青鬼とは戦闘をしていないからな。倒せるのか疑問なんだろう。
だが、青鬼程度はどうでもいいんだよな。それ以上の話になってくるとちょっと問題が出てくるかもしれないけれど、出てくるとしても赤鬼かゴブリンジェネラルだろう。赤鬼は単体で強いが、ゴブリンジェネラルは軍団でこそ生きる。スタンピードではジェネラルの方が強いだろうな。
言わないけど。来るかどうかも解らないからな。赤鬼が来たら上級魔法をぷっぱすればいいし、ゴブリンジェネラルが来ても、範囲中級魔法を撃ちこむだけである。結局第2紋章持ちが居れば何とでもなるんだよな。火力特化は伊達ではない。
それに最悪は第1紋章2つ持ちの人が近接戦闘で叩きのめせばいいだけなんだよな。物理耐性があるとは言え、ちゃんと魔法を使うのであれば、そこまで苦戦するほどでもないんだよ。
「だから安心して戦えばいい。目標は被害なしで終わる事だ。町の、ではなく、同盟のだ。後はスラムの非人間たちを守れれば勝ちと思えばいい。出来る事はすべてやるつもりで動いてくれ。さて、それじゃあ戦力を均等にするからな。3班体制で戦ってもらう。戦闘をする班、寝る班、拠点を守る班の3編成だ。時間がかかるから休みは必須だ。食事と睡眠はしっかりととる事。でも、8時間は戦ってもらう事になる。紋章の事も考えて班編成するからな」
当然だけど、1つの班を突出させることは悪手だ。全体的に戦力を割り振らなければならない。そうしないと詰むからな。弱い所で向こうが攻めてきたら普通に負ける事もあり得るんだよ。
今回だと、生産職を纏めたとかだよな。第5紋章と第6紋章と第7紋章を纏めましたとかはやってはいけない。最低でも1人は第2紋章持ちが欲しいし、第9紋章持ちも欲しい。余裕があれば第3紋章も欲しいしな。全体的にばらけた方が良い。
俺が居るから大丈夫って事も無いしな。第4紋章と第5紋章だと、索敵がメイン。どうしても戦闘では10歩くらい後れを取るんだよ。技術でカバーするのも限界があるんだよな。出来る事をするしかない。後は、指揮を執れる人がどのくらい居るのかにもかかっている。
指揮官は誰なのかは決めておかないといけない。こればかりは紋章は関係ない。出来れば第6紋章の人や第5紋章の人がやってくれるのが良いんだけど、そういう訳にもいかないからな。適材適所というものがある。魔紋章の関係はあくまでも魔法であり、指揮官とかは別の才能だからな。
「よしよし、3班の編成が出来たな。それじゃあ、各班ごとに聞いてくれ。まずは全体の指揮官を決める事。全体を見ないといけないから、基本的には戦闘に参加できないと思ってくれ。全体を見渡せる第5紋章持ちや、生産職の第6紋章持ちなんかでやれる人が居ればそうしたほうが良い。後は第7紋章だな。回復は必須だけど、指揮をしながらでも回復魔法は使える。それぞれ出来る事を出来るだけする事。指揮官を選んだら、後で指揮官だけで集まるからな」
指揮官だけで打合せをすることになる。どんな順番で、自分の班は何が出来るのか、何が出来ないのかを洗い出す。出来ない事は無いと思うんだけど、それでも得手不得手がある。
出来る事を話し合い、出来ない事を話し合い。それで指揮官で情報を交換する。そしてさらに出来る事と出来ない事を煮詰めていくのだ。これが一番大変な作業なんだよな。イベントでは集団で戦うのであれば、これらの事は気を付けておかないといけない。俺はソロで参戦することが多かったけど、それでもNPCとの連携は取っていたしな。
「さて、こっちの班は第1班だな。こっちでは誰が指揮官をやるのかだ」
「この班は簡単やろ。エルンストでええやん。それ以外にあるんか?」
「そうだよね。エルンストで良いんじゃない? 全体の指揮を執るとかは必要ないんでしょ?」
「ドゥニエルもジスレアもこう言っているが、他に意見は無いか? 自分がやった方が良いんじゃないかってのもありだ。なんでも言ってくれ」
結果、何も出なかったので、俺が指揮官になることになったんだけど。大体は予想がついていた。そうなるんだろうなって。指揮官も出来そうな人を向こうに配置したからな。その辺は予想通りって感じだけど。
やれること、やれない事の確認は皆でやった。これはちゃんと共有しておかないといけない事だからな。集団戦では、自分の役割があるんだよ。それを熟すのが第一なんだよな。
攻撃をするのか、防御をするのか。どちらかが欠けても駄目なんだよ。大体攻撃7割、防御は2割、その他諸々が1割といった所。スタンピードは魔物を討伐しないと終わらない。だったら魔物を討伐するしかない。攻撃に偏るのは仕方がないんだよな。
ウォークエストとなると、色々と勝手が違ってくるんだけど、今回は突発イベントのスタンピードだからな。攻撃重視で十分だ。攻撃魔法も最低1つは皆使えるし、結界魔法も熟練度は皆稼いでもらっている。餓鬼やゴブリンには後れを取る事は無い。
やいのやいのと話し合いをして、指揮官で話し合いを進める。まあ、人選は妥当な所だろうなとは思った。想定通りというか、そうなるだろうという感じだ。2班はアルレニス、3班はウルドーラだった。ヒーラーを指揮官にするのは有りだよな。
「さて、持ち寄った話でどう感じたのかだな。戦力的には均等に分けたつもりだ。こちらでは攻撃が7割、防御が2割、その他が1割と言った感じになった。そっちはどうだ?」
「こっちも概ね同じね。結局はスタンピードを終わらせるには、魔物の討伐が必要なんでしょう? そうした場合、守っているだけでは終わらないもの。ある程度は攻める必要があるわ」
「そうだな。思い切って攻撃に出る方が良いだろう。てしらも攻撃を重視することになった」
「順調だな。出来る事は沢山あると思うんだけど、まずは出来ない事が無いかの話だな。1つだけ言えるのは、第7紋章持ちが少ないのは仕方がないって事だ。こればかりはどうしようもない。だから、他の件で出来ない事を言ってくれ」
「こちらの戦力だと、出来ない事は無いわね。概ねできると思っていいわ。攻撃に関しても十分だし、防御も十分。補助系の魔法も生産職に使って貰えればいいんだし、問題ないわ」
「それは3班も同じだな。出来ない事は今のところない。見落としているだけかもしれないが、少なくとも不可能な事ではないと思っている」
「そうか。1班も出来ない事は無いな。じゃあ出来る事を順に出していこう。使い方を間違えなければ、魔紋章は答えてくれるし」
「そうね。2班ではまず始めに第3紋章と第9紋章で数を減らす方が良いと判断したわ。遠距離からの攻撃で減らすのと、罠を仕掛けておいて、罠で攻撃する。それが良いと思ったわね」
「ほう、罠か。第9紋章が得意としている魔法だな。てしらではそのような案は出ていないな。出来るかどうかの検討はしておこう。結界を捨てるという選択肢では無いのだな?」
「罠は罠で、結界は結界で使うわ。切り替える事は出来るもの。罠を設置しっぱなしという訳にはいかないけれど、近づかれるまでは結界は必要ないもの。罠の方が効率は良いと思うわ」
「そうだな。出来れば罠も積極的に使った方が良いだろう。それはどの紋章についても言えることだ。まずは第3紋章と罠で数を減らす。その後は飽和攻撃を出来ればいいなとは思っている。で、近づかれたら結界で隔離と第1紋章がタイマンで倒してくれるのを期待、かな?」
話し合わないといけない事は沢山ある。出来る事と出来ない事を明確にする方が良いんだよ。出来ない事は殆どない様な編成にしたんだけどな。




