32話 スタンピードの兆候
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「黄鉄とその他いろいろ、持ってきたぞ。生産してもらうにも素材が無いと何もできないだろうし、金属はこの辺りだと高いからな。今後も色々と持ってきたいけど、まずはこの辺からだよな。黄鉄製の装備を整えたいし。魔法の熟練度も必要だから、黄鉄で盾を作ってもらうかな」
「それはええけどな? こっちも結構な量の皮製品が出来上がっとんや。これはどないするんや? 売るゆうても売り先があらへんで?」
「いや、自分たちだけで消費するから。皮製品なんて消耗品だからな? これからは黄鉄を使いながらの生産になるんだ。皮の使用頻度は下がる。毛皮なら毛布や布団に使ってやってくれ」
「消耗品なあ。その感覚が解らんわ。スラム育ちには贅沢やなあ。ぼろ着も使いまわす程度の生活をしとったからなあ。今もその感覚が抜けん人が多いんやで?」
「消耗品にしないと余って仕方が無いだろう? 余ったらスラムの支援に回しても良いけど」
「そんなん無理に決まっとるやろ。非人間がええもん着とってみ? 身ぐるみ剝がされんで?」
「あー。そういやそうか。それだと支援は難しいか。そもそも同盟員にしてしまわないと難しいのかもしれないな」
「そうやな。同盟員ならスラムに入らへんからな。入っても戦えるやろ? 殺しに来たら殺してもなんも言われへんしな」
「そうか。まあ、その辺は任せる。ただ新しい拠点が出来たら、多分だけど資金的には余裕が出てきていると思うから、次の拠点を作る事にはなるんだけどな。最終的には非人間を全員同盟員にするつもりだし。1万人くらいだろ?」
「せやな。その位や。金もあるなら問題ないやろ。食べ物があって、住むところがあれば大丈夫や」
「後は非人間排斥主義者がこっちにも居ないのかどうかだよな。向こうは潰したけど。こっちはどうなんだ? 居るなら既に襲われてないといけないはずなんだけど」
「居るやろけど、そこまでの規模とちゃうんと違うか? 非人間排斥主義者で権力のある奴が居らへんのやろ。大抵の権力者は非人間も認めとる。ただ、使いたいかって言われたら使いにくいだけや。非人間排斥主義者を排除するよりも非人間を排除する方が簡単やからな」
「見た目で解るってのが問題なんだよな。非人間排斥主義者は見ても解らないし。居るのは居るんだろうけど、ここではそんなに幅を利かせてないんだろうな。楽でいいか」
「目立ってきたら解らんけどな。そういう奴の動きは理屈が関係ないからな」
「そうなんだよなあ。排斥主義者は利益とかそういうのを考えないからなあ。何時か襲ってくると思って構えておいてくれよ。その内何かあると思うから」
「やられたらやり返すのが当然やからな。任せとき」
生産職だからって戦えない訳じゃないからな。1回目の魔力覚醒をさせる為に戦わせたんだから、苦手でも戦う事は出来る。遠距離から魔法を使うだけでいいんだよ。
対人戦では雷属性魔法が使いやすい。性質上速度が速いし、何よりも若干追尾するんだよな。その代わり、色々と誘導されたりもするんだけど。道を作られるとそっちに流れていってしまうからな。その辺は臨機応変に戦って貰いたい。
でも、この世界だと多分だけど雷属性の魔法が強いんだろうな。碌に防御手段も使ってこなさそうだし。魔法をメインで使うはずのゲームだったんだけどな。この世界の住人は剣とか槍とかを普通に使うみたいだし。
魔法をメインで使うのであれば、もっとレベルが上がっていないといけないんだよ。200レベルが希少とか言われていないはずなんだよな。俺みたいにどんどんとレベルが上がっていっている奴も大概だとは思うけどな。
もしかしたら、貴族とかは自分たちだけレベルを上げている可能性はあるよな。解らないけどな? 普通にしていたらレベルが200なんて簡単だと思うんだよな。
強い敵が出てきても困るんだけど。非人間排斥主義者が強いとか最悪だからな。死人が出るし。ウォークエストとかどうするんだろうな。いずれは参戦するつもりでいるんだけど。
レベル300もあれば十分活躍が出来るはずなんだよ。後は熟練度がどうなのかだよな。第3紋章2つ持ちが10人くらいは欲しいけど。第3紋章持ちで牽制しつつ、第2紋章持ちの射程まで進んでいってからの高火力の打ち合いだな。
そうすると、結局戦争をするのであれば、第2紋章、第3紋章、第5紋章、第9紋章が必要になってくるんだよ。俺が好きな第1紋章なんかは普通は使わない。乱戦に持ち込まれたら使う程度の紋章である。乱戦になんて普通はさせないけどな。どう考えても第2紋章で火力をぶっぱする方が強いんだもの。乱戦に持ち込むのは負けている側のやる事なんだ。
でも、ウォークエストをやる場合は、俺たちはどの位置に置かれるんだろうな? 非人間が戦争でどの立ち位置になるのかが解らない。最前線って可能性が高いんだよな。簡単に言うと、肉壁である。剣とか槍とかの時代なんだろ? 肉壁にするのが一番効率がいいんだろうな。
結局は支配層が人間なんだから。絶対数が多いんだから仕方がないんだけど。ウォークエストもやりたいとは思うんだけど、肉壁要員は余りよろしくは無い。最低でも遊撃ポジションにはなりたい。後方? お貴族様の護衛とかだと思うから、後方は論外。非人間がそんなところに居られるかという感じだろう。
結局は重犯罪奴隷扱いが正しいって感じになるんだろうな。それでも生き残る手立ては考えるけど。報酬が美味しいだろうし。……非人間だけ報酬が低いとかは無いと思うんだよな。権力者は利益主義なところがあるし。利益さえ出してくれればそれでいいみたいな感じだろうな。
「なんかまた物騒な事を考えてそうな顔しとんな。まあ、ええけど。とりあえず、黄鉄の装備を作ればええんやな? 盾と鎧でええんか?」
「盾は、そうだな。丸い盾を作ってくれるか? 50cm位の片手で持てるようにしてくれ。それが一番使いやすいんじゃないかな。ウォークエストになったらまた別の盾を作ってもらわないといけないだろうけど、とりあえずは片手で持てる事を意識してくれ。持てないのであれば、40cmくらいまで小さくしても構わないから。それと鎧なんだけど、軽鎧で頼む。何でかって重いと無理だから。大事な部位を守るだけで良い。首はどうしようもないから考えないようにして、心臓だけは守る。とりあえずはそれでいいかな。それ以外なら回復魔法が間に合うから。付与は出来れば軽量化したいから、デバフ方面の付与をかけて欲しいんだけど、それについてはどっちでも構わない。でも鑑定書はちゃんとつけておいてくれ」
「盾と軽鎧で、心臓を守ることに特化な。付与は何とかしてみるわ。あれやろ? 付与も素材返しをしたら無くなるんやろ?」
「ああ、素材返しの魔法な。あれは上級魔法を使ってくれ。中級以下だと付与された物は素材に返せないからな。魔力の管理をしっかりとしてくれよ。何度も素材返しは使っているとは思うけど」
「当然やな。素材返しは本当に便利や。半分くらいしか返って来んけど十分やしな」
ランダムだからな。何とか解除する方法も探したんだけど、無かったんだよ。まあ、理由は簡単だ。付与を解除できる魔法って、戦闘中でも使えるって事だからな。だからそんな魔法は存在しないのだ。やるのであれば、生産系の第6紋章2つ持ちが素材返しをしないといけない。
もちろん、戦闘中にそれをやることも出来るが、第6紋章2つ持ちをパーティーに入れる事の方がリスクがあるからな。出来なくはないが、誰もやろうとは思わないだろう。
「エルンストは居るかしら?」
「いるぞ。アルレニスもゆっくりしたらどうだ? メラリアも帰ってきているだろう?」
「ゆっくりできるのであればしているわ。冒険者ギルドから要請よ。スタンピードの兆候が見られたそうよ。冒険者全員に強制依頼が出されたわ」




