29話 第2層大部屋平原で探索の基本方針を確認
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「聞いてはいたが、本当にこんな場所があるんだな。これは不思議だ」
「だなぁ。この先があるようにしか見えないぜ? どういう事だよ?」
「我にも解らない。あるように見えるが、結界か何かがあって、いけないようになっているようにしか感じない。これが無限回廊なのか」
「そうなんだよ。滅茶苦茶不思議なんだけど、これが無限回廊だ。この境界線を越える事は出来ない。例え魔物であっても、人間であっても、非人間であっても、魔法であってもだ。この先は空間があるわけでは無いんだよ。魔法で探ると解るぞ。これは、壁だ」
「……確かにの。地図も壁としか認識せんの。この先に何かがあろうとも、進入不可なのは何となく解るだけだの」
今は無限回廊の第2層の大部屋に来ている。この部屋は、一面が平原なんだよ。平原という事は、この先のすべての部屋が平原となる。そういう場所なんだよ。魔物が1種類しか出ないからな。このタイプに有利な魔物が選ばれているはずなんだよ。
はずであって、解らないんだけどな? 平原なのに、洞窟型のバットが出てきたり、森に居るのが普通のゴブリンが出てくることもある。まあ、通路にも出てくるから、何が出てくるのかは解っているんだけどな? それでも大体はこの部屋に対して有利な魔物が出てくる訳なんだよ。
……コッコだったけどな。ただの鶏である。卵と肉を落とす優秀な魔物だ。これが第2層に居るって事は、恵まれているな。第2層に潜れば卵も鶏肉も食べ放題である。卵は無精卵のはず。……鑑定したら無精卵だったな。という事は、この卵を使って鶏を増やすことは出来ない。まあ、コッコなんだけどな。鶏が産まれてきたらちょっと不思議な事になってしまう。魔物から動物が産まれる事になってしまうからな。
皆も2層を潜ればいいのに。割といい感じになると思うぞ。食料事情が改善するんじゃなかろうか。改善するとどうなるのか。健康な人が増えるという事なんだよ。卵は結構な栄養があったはずだぞ。普通はここから生命が産まれてくるはずなんだからな。
まあ、2層は地図を作らないからな。最短距離だけで良い。その内第5紋章持ちを引き連れた第2層巡りをしても良いかもしれないけどな。宝箱の回収と、卵と鶏肉の回収が出来れば、食費が助かる。それだけでも一考する価値があると思うんだよ。
まあ、第1層も広かったが、第2層も広いからなあ。普通に迷子になる。特に森みたいな部屋では、迷子になる確率が高い。平原は何となく解るし、山は真ん中が高い。洞窟はそもそも通路しか無いのと変わらないので迷い様が無い。部屋の形は重要だぞ。狙い目は山か洞窟か高原だな。
山は高確率、洞窟は中確率、高原は低確率で鉱石が眠っている。部屋なので、上限も下限もあるんだけど、通路は壊せなかったが、部屋は壊せる。壁は無理だが、部屋の中にあるものは壊せるんだよ。洞窟が部屋だと圧死があるから、注意だ。迷わないが、圧死は怖い。魔法の選択肢が狭くなるんだよな。それでも対応できるように魔法は覚えてもらっているけど。
基本的には鉱石の発掘は山で行う。洞窟はリスクが高すぎる。第2紋章2つ持ちの上級魔法で、熟練度が高まっているのであれば、色々と消し飛ばすことは可能なんだけど、鉱石まで吹き飛ばしてしまうからな。それはよろしくない。鉱石は確保したいんだよ。
とりあえずの方針で、黄鉄から採掘することにしたんだよ。下の上の金属だな。これを使って生産職のスキルを育ててもらうつもりだ。25層付近にあると思うんだけどな。こればかりは運が絡むからな。必ず山があるわけでは無い。無い場合は洞窟か高原を掘らないといけないんだけど、なるべく避けたいんだよな。
「それで、どうするんだ? 我らは下層に向かうのが良いのだろう?」
「だよね。ここでゆっくりしてても始まらないし、どんどん下に行くのが良いんじゃないかな。確かに鶏肉と卵は欲しいけど、2層なら簡単に来れるんでしょ?」
「攻略を優先してしまいましょう。その方が良いんでしょう? 無限回廊はまだまだ始まったばかりですものね」
「そういう訳だ。とりあえず、下の階層に行くことを優先する。5層まで行ったら、転移陣を探す。そうしたら1層に戻って次の階層までの最短経路を探す。それを10層、15層、20層と繰り返していくぞ。今日中に5層まで行く予定だ。最悪泊りだけど、準備はしてあるから心配しなくても大丈夫だ」
「泊りの時点で大概だと思うがな。てしもこんな話は聞いたことが無い」
「うむ。狩場で泊まる事は自殺行為とされている。本当に可能なのか?」
「可能だ。まあ、そんなに難しい話じゃない。まず、外と違って通路が存在している。外だと6方向、前後左右上下を守らないといけない。ただ、通路は例外を除いて2方向からしか攻められない。例外は200層を超えて来ないと出て来ないから良いとして、とにかく2方向を守れば何とかなる。それならそれほど難しくはない。結界を張るだけでも十分だからな」
「なるほどの。この部屋で泊まるなら難しいかもしれんが、通路なら何とかなりそうだの」
「何とかなるならいいんじゃない? でも、見つかれば帰れるんだよね?」
「当然だな。基本は泊まる事ではないし。日帰りで5層まで行く。日帰りで最短距離を探す。それの繰り返しだ。最短距離はある程度で良いけどな。通路が多い方が罠が多い。それも考慮に入れたいところなんだよな。罠は通路にしかない。そして、宝箱も通路にしかない。行き止まりに多いというのが俺の中での知識としてある。部屋には無いからその辺は隅まで探す必要は無い。部屋を沢山通る方が良いのか、通路を沢山通る方が良いのかは、各々の判断だろう。ルートは幾つか考えておく方が良い」
「罠は解除できる人が居るなら通路を選ぶべきだろう。これまで通ってきたが、ものの数秒で解除できていたではないか」
「そうとも言えんの。魔法を使って解除するにしても、何処を解除しなければならないかの精密な操作が必要だからの。今は良いかもしれん。だが、下層の罠が今と同じだとは到底思えんの」
「その通りだ。今は罠で被害を受ける事は少ないし、もし間違って作動させても矢が体に刺さる程度だ。死にはしない。だが、下層になってくると、体と首が離れてしまう罠もあり得る。5秒以内にくっつけないと死ぬなんてこともあるんだ。ルートは慎重にかつ確実にだな。対処できる罠なら問題ないんだが」
「矢が刺さる程度というのもおかしな話ではあるがな。それではエルンストとエスメラルダが危険ではないか?」
「結界で何とかならないの? それか、身代わりを使うとかさ」
「身代わりは良いわね。出来そうな気がするし。そんな魔法は無いの?」
「……いや、知らないな。身代わりか。考えたことも無かった。ただ、どの紋章なのかが解らないから、総当たりになると思う。第5紋章であれば、エスメラルダが使えるから良いとして、無いとは思うが、第10紋章だけの魔法って可能性もあるからな。とりあえずは調べてみよう。恐らくだが、今日中に5層の転移陣までは見つかると思う。見つからなかったら、見つけ次第すぐに帰還して調べる。見つかったら、5層までの最短距離を調べたらすぐに帰還して調べる。これで良いと思う。第2紋章では無いだろうし、第4紋章でも無いだろう。第1紋章も違うと思う。調べられるのは第5紋章と第7紋章、第8紋章、第9紋章だな。一応、第1紋章、第2紋章も調べて欲しいけど。俺も第4紋章で一応調べておく」
「ほう。エルンストが知らない魔法というのも珍しいな。何かしら知っているというのがエルンストという人間のはずだ。それが知らないとは、余程の魔法なのではないか?」
「まぁ知らねぇ事もあるわな。全部知っている方がおかしいんだけどよ」
そうだけどな。というか、身代わりか。誰かが秘匿してそうな魔法だな。無限回廊を簡単に攻略できる訳がないんだからな。ちょっと頭を切り替えるか。俺の知らない魔法があるのは確かだろう。知らない魔法なんて山ほどにあるんだから。




