185話 狼は連携がよく、人狼のバフで、普通のコボルトも速く成り苦戦
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
まあ、クライマックスなんですが。
OFUSE始めました。
https://ofuse.me/rukea
ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
https://rukeanote.hatenablog.com/
さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
https://twitter.com/rukeanote
「耐えろ耐えろ! まだまだ時間はあるが、急がないと面倒になるだけだぞ!」
「クソが! 狼系って魔法を使ってきやがるのか!」
「吸血鬼系も魔法を使ってきただろう! 何を言ってやがる!」
「足が早くて困っているんだよ! こうも連携を取られると厄介極まりない! まともに攻撃させて貰えねえ!」
「1人で戦おうとするな! 数人で囮や誘導を行うんだ! 連携で負けてどうする! 向こうはまだまだ余裕の構えを見せているんだぞ! こっちも反撃をしていけ!」
北側にやってきたんだけど、絶賛苦戦中である。吸血鬼系統はそこまでじゃなかったんだけど、狼系統は連携がメインになってくる。弱いからと言っても、数が多いとかなり厄介である。吸血鬼系統はそれでも楽だったんだよ。ただ、逃げられる可能性があったので、先に倒したんだけど、連携能力では狼系統の方が上なんだよな。それは今も絶賛解らせられている所なんだよ。
魔法を使っているのは人狼系統やアヌビスと言った人型の犬、狼系の魔物だ。そいつらが指揮を執りつつ、魔法で支援をしてくるので本当に戦いにくい。吸血鬼は個体で強いせいで連携も何もあったものじゃないんだけど、こっちは連携が怖すぎる。人種の連携を易々と超えてくる。まあ、こっちの戦力も急造だからってのもあるんだけどな。でも、ここまで苦戦するとは思ってもみなかった。
「まだまだ神様を呼ぶところにも達してないぞ! しっかりと連携を崩していけ! こっちが崩されてどうするんだ! 横に居る人の存在を感じ取れ!」
「解ってるっての! でもよ! あいつらがそれ以上なんだっての!」
「予想よりも強いんだが!? これで雑魚なのかよ!?」
「コボルトに苦戦する日が来るとはな……。ここまで厄介な敵に化けるのか……!」
まあ、気持ちは解らないでもない。普通であれば簡単に倒せる敵であっても、連携をしてくることでしっかりと役割を持つと、本当に面倒くさくなるんだよな。人狼がバフを盛りに盛っているせいで、普通のコボルトでさえ面倒な敵になってしまっている。これじゃあ中々前に進めない。何とか打開策を考えないといけないな。……上級魔法でこの辺一帯を吹き飛ばすのは最後の手段だ。この辺も居住区にする関係上、そんな大穴ばかりを空ける訳にはいかないんだよ。出来れば中級魔法程度で倒しておきたい。そうしないと、後々の開発計画が狂う事になるからな。それが狂うと色々と狂ってくるから何事も無ければ、このままでいきたいんだけど。
けれども、そうも言ってられないって感じになってきているんだよな。出来ればとっとと片を付けたい所ではあるんだけど、中々奥に進ませてもらえない。他の分隊も大丈夫だろうか。怪我人が出ることはあるだろうが、死者が出ていないと良いんだが。あまり死者を出したくはない。出てしまうのは仕方がないにしてもだ。
知っている人が居なくなるのはちょっと。知らない人が居なくなるのは別にどうだっていいんだけどな? 今でも1秒間に何千人も何万人も死んでいるんだから。その代わり、同数以上の数の子供が生まれているはずだ。そうしないと人口が増えていかないからな。人口が増えないと未来がない。魂の個数が幾つあるのかは知らないが、生きている人の数だけの魂があるんだ。もっともっと増やしていかないといけないだろうなあ。目指せ1兆人。その位は必要だろうと思うぞ。6大陸で2000億人ずつでも、1兆2000億人だし。まだまだ増やしても問題ない。むしろ増えてくれないと困るまであるんだよな。人口が減り始めたら、末期である。
「ちょっと休憩をしていくか。連携がここまで厄介になって来るとはなあ。正直想像以上だ。こっちが連携を取れないってのもあるんだけど……」
「流石になあ? 急造の分隊じゃあこんなものだろ。防御だけするっていうなら出来るかもしれないが、攻めるってなると、急に難しくなる。相手を崩す必要も出てくるし、囮や罠、誘導も交えつつ何とかしないといけないんだからよ」
「機動力が負けているのが一番辛い所だ。吸血鬼系の時はそうでもなかったが、今回の敵は機動力が武器だな。あれは人じゃあ追いつけねえ。どれだけバフがかかっているんだ?」
「後ろの人狼がやばすぎるな。しかも不利になったら逃げる頭も持ってやがる。簡単には勝たせてくれないんだろうが、それにしても厄介すぎるんだよ」
「気持ちも解らないでもないんだが、しっかりと誘導を心がけるだけでも違うぞ? 結界での誘導や、魔法での誘導、その他色んな方法があるが、それをしっかりとやるだけでも違ってくる。まあ、俺も得意な方ではないんだけどな。でも、それらが出来る奴らがやって、それを理解して戦うだけでも違うんだぞ? それは解っているか?」
「解っている。解っているつもりでは居るが、急に結界を張られても、それの意味を理解する前に状況が動くからな。こっちでも出来る限りはしているつもりでは居るんだが……」
「そうなんだよな。解っている奴らと解っていない奴らが連携をするんだから、難しいんだよな。俺は解ってない方の人だがよ」
うーん。それもあるんだよな。急に連携を取れって言われて取れるようなら苦労はしないんだよ。結界を張るだけなら、足りない所に張っていけば良いだけなんだけど、攻撃をするとなると、難易度が跳ね上がるんだよな。フレンドリーファイアをしないって前提もあるし。急造の分隊だとこうなるのも仕方がないという事なんだろう。無理に命令で縛り付けるのも違うしな。……俺にそんな指揮能力は無いからな。急に生えてくる訳がないんだ。これは訓練しないといけないんだけど、そんな暇が今までにあったのかと問いたい。普通の狩場での指揮とは訳が違うからな。数が多すぎてぐちゃぐちゃになっているんだよなあ。
それでも神様に頼る訳にもいかないし。後数日分くらいは奥地に行く必要が出てくる。ここでも休んでいるが、遠巻きに敵が見張っているんだよな。それをどうするのかだよ。休憩を取らせてくれているのか、はたまた追い込まれているだけなのか。それがよく解らない。こちらだけでは判断が付かないんだよな。他の連中は大丈夫なんだろうか。同じように苦戦をさせられているんだろうな。
進まないって選択肢は無いので、進むだけなんだけど。どんどんと進んでいく方が良いんだよ。領域を狭めていく方が良いんだ。纏めて色々と処理が出来るようになるからな。積極的に追いやっていく方が後々は楽になるんだよ。問題は今も十分に厳しいってだけなんだけどな。予想外に苦戦を強いられている。もっと簡単にいくものだと思っていたんだよなあ。
休憩もそこまでだな。休めたのかは解らないが、徐々に包囲されて行っている。崩さないといけないことになるんだけど、気が付いて、居る奴も居るな。顔が強張り始めている。危機感を感じている証拠だ。警戒しておくことは良い事だ。この状況で下がることは許されないので、甘んじて包囲をされるしかないんだけどな。
「さて、休憩は終わりだ。包囲されつつあるからな。ここら辺で決着をつけにくると予想できる。強敵が出てくるぞ。皆で耐えて奥地にいくぞ。これが終わったら暫くは休みに出来るんだ。永眠するにはまだ早いぞ。気を引き締めていけよ」
俺もまだまだこんな所で死んでやるわけにはいかないからな。さて、包囲網が完成する前に奥地へと突撃をかけるとするか。結局は奥地へ進まないといけないんだ。やることは同じ。それに時間をかけられるのかだけなんだよ。




