183話 ケセリリ様が真祖魔王を見つけ行軍、敵に囲まれ防御、神を10柱召喚
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そんな訳で、魔王狩りである。吸血鬼系統の魔王を見つけるには神様の索敵能力が必要。という事で早速ケセリリ様を呼び出して見つけて貰おうという作戦だ。別にどの神様でも良いんだろうけど、第5紋章の神様だし。索敵と言えば第5紋章になるよね。でも、死人を出さないためにも第5紋章の使用者は見つけるだけで良いと思うんだよ。戦闘になったらまた呼びだすから。まずは見つけるところから始めないといけない。まあ、大分敵の勢力のど真ん中を選んだつもりなんだけど。
「そういう事なので、よろしくお願いします。多分真祖なので、索敵には映らないと思います。なので、ケセリリ様が見つけてくれると助かります」
「いいよいいよ。見つけるだけで良いんだよね?」
「ええ、見つけて貰ったら、後でもう一回呼び出しますので、その時に戦ってくれればと思います。まあ、露払いくらいはやって貰わないといけないでしょうけど」
「解ったよ。じゃあ、探すね? ―――――!!! ―――――!!! ―――――!!! うんうん。大陸の南部に居るね。ここからだと走って2時間くらいかな? 大分敵に近い所で呼び出されたんだね。案内するけど大丈夫? ついてこれる?」
「勿論です。それじゃあ移動しましょう」
大体の制限時間は3時間。それ以上は命の危険があるから目標に近づくだけで良いんだよ。とりあえずはついて行く。それから戦闘を開始するんだけど、神様を呼ぶのにも10分くらいかかるから、それだけの時間を守らないといけない。それが勝負の分かれ目になってくる。
耐えるだけなら問題ないとは思うんだけど、敵地のど真ん中になるからな。苛烈な攻撃が予想される。それを守るだけでは難しいので、こちらも攻撃を加えないといけないんだけど、魔王の攻撃力が何処までなのかだよなあ。基本的にはバッファーなので、直接の戦闘はあまり得意ではないと思っていたんだけど、特性上そういう訳でもないらしいからな。なるべく死人を出さないようにして戦わないといけない。何とかなるだろうとは思うが、慢心は駄目だ。幾多のキャラクターを葬って来たのはゲームで知っている。直接戦う事は出来なかったけどな。
ぐんぐんと進むケセリリ様の後を追うように走る。途中で色々と敵が居たけど、撃退している。確実に倒せているのかは解らない。けど無視でいいからな。目標は魔王なんだ。魔王さえ倒せば後はどうにでもなるんだよ。消えてなくなるんだからさっさと魔王を倒してしまった方が良い。色々とあるのかもしれないが、まずはそれでいくんだよ。
「ケセリリ様。やっぱり魔王は真祖のネームドであっているんですか?」
「あってるよ。真祖アルカレイドだね。あたしたちでも多少は苦戦するかな。それでも2時間もあれば倒せると思うし、今回は10柱呼ぶんでしょ? 数分で終わるんじゃないかな?」
「それは頼もしいです。いい感じの所で止まっていただければ。そこで召喚をするのと、耐える時間になりますので。なるべくなら真祖アルカレイドとは直接戦闘は避けたいですし」
「まあ、そうなるよね。危ないから直接はやめておいた方が良いよ。いくら装備を整えても、人の子であることには変わりないからね。倒せるだろうけど、時間もかかるし、犠牲も出ると思うんだよ。それは嫌なんでしょ?」
「そうですね。出来れば犠牲無しで倒したいところです。せっかくここまで皆でやってきたので、出来るだけ皆で帰りたいと思っていますので」
「じゃあ、近づくのもそこまでにした方がいいだろうね。まあ、見えているんだろうけど。襲い掛かって来ても防御に徹する方が良いよ。耐えられるのかは微妙な所だと思うけど」
「そうですか。なるべくなら雑魚の数も減らしたいんですけど、駄目なんですか?」
「うーん、駄目じゃないけど、雑魚って決めつけるのは早いかなって。最低でもこの世界の神様系統の強さはあるよ? 制限はあるだろうけど、普通の真祖も出てくるし、それがバフで強化されているから、単純にはいかないかな。ここに何人いるんだっけ?」
「ここに居る分隊は1万人です」
「なら防御だね。しっかりと守るんだよ? そうしないとみんな死ぬ可能性もあるから。反撃もしていいけど、それ以上に防御をしっかりと固める事。死人を出したくないならそうした方が良いよ。魔王を舐めてたら普通に人の子は死ぬからね」
「解りました」
方針は変更か。基本的に防御を重視することになるんだな。結界で守りを固めて何とかする感じになるんだろうな。仕方がないけど、神様を頼らせてもらう。出来ることはやった方がいいとは思っていたんだけど、そこまでの戦力差があるのであれば、厳しいだろうからな。それでも反撃はしたいと思っているんだけども。出来る事であれば反撃もしていくぞ。倒せなくても怯ませる事くらいは出来るだろうからな。積極的に倒しに行くんじゃなくて、消極的に倒しにいく。それでいいだろうと思う。どこまで通用するのかを見極めないといけないからな。
そして、2時間後。
「ここら辺が限界でしょ。もう向こうは気が付いているし、これだけ襲ってきているんだから、急いだ方が良いよ。もう一回あたしも呼ぶんでしょ? なら早くした方がいいかな。これだけ忙しいんだよ。簡単には勝たせてくれそうもないでしょ?」
「……ですね。すみませんが戻ってくれますか? また呼ぶので」
そうやってケセリリ様には戻って貰った。そして、10人でのコールゴッドが始まる。綺麗な光景なんだろうけど、そんな事を言っている場合ではない。さっきから攻撃の雨がやばすぎる。
「耐えろよ! たった10分間だ! 全力で防御! ここが死地だぞ! 簡単にくたばってやろうとは思うな! 死んでもこの10人を守り切るぞ!」
既に魔物の軍勢の中心部に居るんだよ。索敵で見る限りざっと100万には囲まれている。強い魔物ばかりに囲まれているからな。どうなっているのかはよく解らない。しかも真祖は索敵に映らないから何処に居るのかが解らないし。ヴァンパイアエンペラーも結構な数が居るんだよ。皇帝級とかもやばいんだよなあ。バフが盛盛でやってくるから結界の消費が早い。
「とにかく質よりも数で勝負だ! 破られることは前提! 10枚20枚を常に展開し続けろ! 勝つんじゃない、耐えるんだ! 耐えたら勝てるんだから全力で耐えることを選択しろ! こんな所まで来て死ぬことは許さないからな!」
上級結界魔法ですら、数発で破られる。デーヴァルドの装備に付与までしっかりとかかっているのに、数発っておかしいだろう。魔法影響力がどうなっていると思っているんだよ。余裕の100倍強化のはずなんだけどな。ここまで難易度がおかしいと本当に笑いが出てくるな。出鱈目にも程があるだろう。AI軍勢もよくこんなのに勝てたな。
「残り7分! まだまだこれからだぞ! 半分も経ってないんだ! 耐える時間は短いぞ! 必死になって戦えよ!」
たった3分間戦っただけなのに、冷や汗が止まらない。手からも噴き出てくるような感覚がある。これが魔王軍か。神様を呼ばなかったらどれだけの犠牲が出た事やらだ。これを撃退できていた所があるって言うんだから、凄いと思う。この大陸の人たちも頑張ったんだよな。最後には力及ばずって感じになったんだろうけど。
後5分、後4分。徐々に危ない局面が出てきている。攻撃が抜けてくることはないが、破られそうになることはある。それでも何とか耐えて耐えてしている。まだか、まだ来ないのか。そう思わずには居られない。しかし、それも長くは続かなかった。
「待たせたな。―――――!!! ―――――!!!」
視界の端で魔物が吹き飛んだ。ああ、間に合ったんだな。そう確信した。




