17話 同盟を拡大するぞ
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ゲームの時には種族差なんて無かったが、此処は現実だ。学校の授業で習ったことがある。……全部オンライン出席だったが、差別があるそうだな。特に日本人も含めた黄色人種や黒人は差別されていたと言われていた。俺が死ぬ前は、表面上は駄目だったと思う。
実際に差別があったかどうかは知らない。そんなことを意識したことが無かったからな。だが、差別はあるんだろうな。この感じだと。多いだけでそうなるのか。生きているのは同じだから変わらないとは思うんだけどな。
「スラムでも人間が優遇され、非人間が蹴落とされる。教会は差別しない。等しく信者だからな。だが、住まいは別だ。人間が非人間の場所を奪う事が頻繁にある。人間が死にそうなときは、非人間を殺してでも生きながらえさせる。そういう差別がスラムでも平然とあるのだ」
「補足しておきましょう。冒険者の99%以上が人間だと言いましたね。差別があるのですから、当然ですが人間は冒険者にも人間を選びます。非人間は選びません。ですから、非人間の冒険者が殆んど増えないのです」
「それはわちしでも知っているのだ。だから、エルンストが声を掛けてきたときは驚いたのだ。人間に似た別の新種族なのかと思ったのだ」
「そういう訳やな。人間は冒険者になれる可能性がある。けども他の種族はほぼない。やったら、うちらが道にならなあかんやろ。エルンストとジスレアは人間やろ? せやけど、ジスレアは肌が白いどころか髪の毛まで真っ白や。そんなのが人間が人間と認めるわけがない。やからジスレアは非人間の枠でええとおもうんや。エルンストは……なんやろな。ここまで出鱈目な人間、人間として扱ってええもんなんかも解らんわ」
「まーね。あたしも差別されてた側だし、皆の気持ちはよく解るんだよ。エルンストがとびっきりおかしいのは、今に始まったことじゃないしね」
「そもそも本当に人間なのですか? ここまで2か月、懸命についてきましたが、この成果は異常と言わざるを得ません。皆をレベル200以上に育てるなど、普通では考えられない事です」
おかしいな? 俺はこれでも普通の人間なんだが。人外認定されているぞ? というか、3か月で育て上げるのがゲームの趣旨だったんだから、レベルは3か月もあれば200は超えるだろう。まあ、レベルで関係があるのは魔力だけなんだけどな。それ以外はほとんど関係ない。HPすらない世界だ。レベル差は、ある程度までいってしまえば関係が無い。
すべては魔法。熟練度の世界だ。熟練度を何処まで上げられるのか。その競争なのだよ。上限はあるが、もちろんだが使用魔法は熟練度上限近くまで育て上げるのが常識だ。それ以外に選択肢はない。そういうゲームだったからな。
「俺は一応だが人間だ。それは間違いない。まあ、差別なんて何も考えてないけどな。全ては魔法で決まると思っている。だから、魔紋章で全てが決まるんだよ。そもそもだ。第10紋章が英雄紋章だと言われている時点で間違っているからな。第10紋章は一番使えない魔紋章だ。この同盟には、第10紋章の奴を受け入れる気は無いからな」
「……スラムにも第10紋章は殆どいないわ。非人間でも、奴隷として売られているもの。まだ生きる価値がある部類、ですわね」
「そうだな。価値としては、第10紋章の人間、第10紋章の非人間、普通の人間、そこに超えられない壁があって非人間だ。第10紋章を持っているだけで、人間と同じだけの権利を与えられる。わしも第10紋章の加入は反対だ。……エルンストみたいに第10紋章が一番使えないなどという事は言うつもりはないが」
「じゃあ方針としては、第10紋章以外の非人間を同盟に加えるって事でいいか? まず、マーマンは居ない事が前提の種族だから考えても仕方が無いんだが、それ以外の種族は受け入れる。こういう方針で良いのか?」
「マーマンは仕方がないでしょう。水辺が無ければ殆ど見かけませんし。彼らが一番マシなのは解っていますからね。そういう方針でいきましょう」
「異論はない」
「うちも問題ないで」
「じゃあそれ以外の要因だが、基本的には同じ紋章を持っている者を引き入れてもらいたい。重点的に見つけて欲しいのが、第6紋章と第8紋章だな。第2紋章も第7紋章も欲しいんだけど、スラムに居るのか? 俺が探した限りではいなかったんだけど?」
「……第7紋章を2つ持っている非人間は、殆ど奴隷として売られていますから。居ない事は無いとは思いますが、難しいでしょうね」
「第2紋章を2つもっている人も同じかな。見たこと無いかも。一応は探してみるけど、居なかったら1つでも良いんだよね?」
「ああ、構わないぞ。2つ持ちが望ましいってだけだからな。第10紋章以外なら、どんな紋章でも使い道はある。絶対に2つ持ちが良いって訳では無いな」
「そんな事よりも第6紋章と第8紋章が欲しいって言うのもおかしいのだ。特に第8紋章は一番いらないと言われている紋章なのだ。わちしがそれを一番解っているのだ」
「せやんな。どう考えてもおかしいことを言うとるからな。世間一般の評判を知らんのと違うか?」
「知らないぞ? 使えない第10紋章が一番とかいう馬鹿らしいことを言っている時点でどうでもいい評価だ。第10紋章以外はなんとかして使えるが、第10紋章は特に良いことが無いからな。確かに最初からある程度強いんだけど、それだけだし。最終的には他の紋章の方が強くなる。それは絶対的なものだからな」
「一応だが、言っておくのである。順位としては、第10紋章が1番。第7紋章が2番。超えられない壁があり、第二紋章が3番。さらに超えられない壁があり、第1紋章、第3紋章、第6紋章、第9紋章、第4紋章、それ以上に超えられない壁があり、第5紋章、第8紋章となっている」
「何も解っていないんだな。一応俺の認識を言っておくが、第8紋章が1番。超えられない壁があり第4紋章が2番。第7紋章が3番。第6紋章、第5紋章、第2紋章、第9紋章、第3紋章、第1紋章、絶対に超えられない壁があって、第10紋章だ。第8紋章が絶対であり、第10紋章がゴミ。それ以外は殆ど団子状態だ。優劣はその時々の状況次第だな」
「なんか言うてるで。全く常識とはかけ離れたことを平気で言うとる。第10紋章は英雄紋章やったやろ? それをゴミて」
「いいんじゃない? 第10紋章を探せって言われた方が難しいもん。解ったことは、同じ紋章持ちを探すのが1番って事なんでしょ?」
「まあ、それも第6紋章と第8紋章以外はどうでもいいけどな。その2つは2つ持ちが望ましいってだけだ。望ましいだけで、受け入れない訳では無いから、受け入れたい人が居たら第10紋章持ち以外は受け入れるから」
「探すのも楽であるな。基本的に非人間を探せばいいだけである。出来れば同族を受け入れたいところであるな」
「そうね。非人間と一括りにしても、同族の方が大切だものね。エルンストもそれでいいかしら?」
「別にその辺は好きにしてくれ。俺が言えることは、紋章だけ気を付けてくれればいい。第10紋章は人権が与えられるんだろう? ならそれはそっちで良いだろうから、それ以外の人を頼む」
「父母でも良いのだ? まだ生きているのだ。引きこんでも構わないのだ?」
「問題なし。魔紋章も使える奴なんだろう?」
「当然なのだ。スラムにいる時点でお察しなのだ」
「それで? 各々何人まで連れてきたらいいのかしら?」
「俺が行くと色々とありそうだし、そもそも冒険者ギルドに作業をしに行かないといけないからな。だから、とりあえず拠点に入る人数って事で、1人15人くらいで頼む。最大でも20人って思ってくれればいいかな。150人くらいなら何とか頑張れば入るだろう?」
「150人……余裕じゃない? 1部屋にベッドを置かなければ10人くらい住めるし」
「500人くらいは大丈夫なのだ」
「余裕は持っておきたいから、150人で妥当じゃないかしら?」
「まあ、余裕があることはええことやな」
「将来的には同盟拠点を増やすからな? それも考えておいてくれよ? この辺一帯の拠点を買うつもりでいるんだから」
「「「「「……」」」」」
いや、そんな非常識の塊みたいな目で見ないでも良いだろう? 同盟は大きければ大きいほどいいんだから。資源を集めに行くんだから、当然だろ? 職人の第6紋章はどれだけ居ても養えるし、第8紋章とか使いどころしかないからな。どんと集めてくれ。




