154話 この地の上級魔法使い非人間は、人間帝国対策を急いでない、交渉へ
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「北方領地の魔王」
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「全く、何処の人間も似たような感じだなあ。第10紋章って事は、そういう事なんだよなあ。苦労して強くなる気がないって事なんだよな。しかもそれで帝国にまでなってしまっているのか。最悪だな」
「ほっほっほ、どうやら似た病に侵されていた者もいる様じゃな。そうじゃ。第10紋章を崇めているような奴らには負けてはやれんの。儂らも戦えるという所を見せてやらねばならん」
「確かに。魔法に年齢は関係ないからな。関係あるのは熟練度だ。むしろ年齢が高い方が魔法に慣れて居る分強い可能性がある。まあ、装備次第って所ではあるんだがな」
「そうじゃな。……そして、儂らの国ではお前たちの国には勝てん事が解った。その武器と防具の金属が何なのかも解らんかった。文明レベルはそっちの方が上じゃの。赤鉛かとも思ったが、そこまで鮮やかな赤色では無いからな。何かの合金じゃろう?」
「これはベルベリアリとの合金だな。文明レベルは大して変わらない感じだ。こっちがこれを見つけたのはここ3年の間だからな。それまでは合金すら無かったんだ。むしろそっちの方が進んでる」
「いやいや、儂らの国もそこまでは進んでおらん。合金も僅かに見つかっているだけじゃ。上位の金属との合金なんぞは見つかってはおらんよ。精々が黄鉄との合金が見つかった程度じゃ。それではお話にもなりはせん」
「まあなあ。でも、この国が同レベルの文明国であることは解った。それだけでも収穫だな。これでこの国とは戦争をしなくても良さそうだし、何とか話し合いで片が付きそうだ。エルフが普通に暮らしていけているって事は、差別も殆ど無いんだろう?」
「まあの。じゃが、この国は基本的には、エルフ、ダークエルフ、ドワーフ、ダークドワーフ、獣人、鳥人が主体になっている国じゃ。他国にも他種族の国はある。トンダミテタ帝国は人間至上主義の国だがの。その他の国は同盟を組んで対抗している所じゃよ」
「という事は、大陸の地図も大体解っているって考えてもいいか? どんな形なのかも書いてもらってもいいか? こっちも交渉をしないといけないからさ。国の名前と大体どんな国なのかも書いてもらえると助かる。文字は言葉が同じなんだから、同じだろう? まあ、神様がちゃんと居るんだから、同じで無いと困るんだけどな?」
「良かろう。貸してみろ」
ふんふん。この大陸は……前方後円墳の出来損ないみたいな形をしているのか。円の方が北で若干くびれが深いか? まあ、そんな形だ。それで北西にこの国、マカラタチア共和国があって、北東にジェンディア神国があると。ジェンディア神国は種族が平等な国なのね。成る程。で、中心にトンダミテタ帝国があって、人間至上主義国なのね。で、南東にイベルト王国がある。ここが竜鱗人とメルキュル、アラクネの国で、南がメタリカ王国。ここはハーフリングとエラメラの国と。で、最後に南西がキュロル王国になるんだな。ここにアルマサニーとソルガスが居るのか。マーマンは?
「なあ、マーマンはどうしたんだ? 全くいないって事は無いんだろう?」
「マーマンは殆どおらんのう。国が昔はあったんじゃがな。今は無くなってしもうとる。300年前かの? 大嵐があった時に壊滅してもうた。今は部族単位で生活をしておるはずじゃ。大体が南に進出してしまっておる。北には殆どマーマンはおらんよ」
「成る程なあ。大嵐でやられたか。でもまあ、よくもこんなにも他種族の国家があるな。色々と大変だろう? 全部と同盟を組むとしても、陸地が繋がってないんじゃどうしようも無い気がするんだが、どうしているんだ?」
「手紙のやり取りは、マーマンを使っておる。トンダミテタ帝国はマーマンにとっても敵だからじゃな。その辺は手を取り合っておるよ。滅ぼされるのも嫌じゃからな」
「でも、滅ぼそうとはしなかったんだな。正直な所、攻め滅ぼそうと思ったら、出来ただろ? こっちは上級魔法を使えるんだ。勝てない敵ではないとは思うが」
「勝っても、土地を管理するものがおらんからな。人口がもっと増えれば良いんじゃろうが、思ったよりも増えとらん。それでは限界があろうて」
「あー、そうだな。非人間は人間よりも繁殖力が低いんだったな。いや、人間が異常と言うだけなのか? 人間は放っておけば増えるからな。非人間は増やそうと思えば増やせるが、まあ、難しいか。自由意志もあるだろうし」
「よく解っておるの。その通りじゃ。増える気がないとも言えるがの。それでもジェンディア神国は徐々に勢力を蓄えて少しずつだが、領土を獲得しておる。早いか遅いかの違いじゃな。お前さんらがやれば、もっと早く終わるじゃろうて」
「いやー、こっちもまだまだ人口が足りなくてな。戦力はあるんだが、人口ってなると難しいんだよな。女性を強姦する訳にもいかないだろう? いくら種として増えないといけないからって、それをしだすと色々と内部で分裂してしまうし」
「そうじゃな。だからかの。変化が欲しいとこの歳で思うのは。そろそろトンダミテタ帝国にも痛い目を見て貰わんと困る訳じゃ。やるなら徹底的に叩く方がええ。お前さんらが勝手にやる分には問題ないじゃろう。後は、どういう交渉が出来るのかどうかじゃ。好きにしてみんさい」
とはいっても、もう少し時間がかかるとは思うけどな。人間至上主義国があると面倒なんだよなあ。民族浄化しないといけない可能性もあるし。上だけなら良いのかもしれないけど、民衆がどう思っているのかは聞いてみないと解らないな。それは先遣隊の役割ではないので、まあ後で来る人たちに任せる。同盟員には人間も多くいるんだ。そっちに任せる方が良いんだよ。適材適所だ。聞き込みをやってもらう必要があるだろう。
「ありがとな、村長さん。それでなんだけど、交渉がしたいから、共和国の首都は何処にあるんだ? 交渉の窓口を探しているんだけど」
「首都はこの辺じゃの。交渉は議会制を敷いておる。議員を見つける事が最優先じゃの。議会の事は解るかの?」
「大丈夫だ。代表を出して話し合いをするところと、それをする人って意味だろう?」
「知っておるのであればいいわい。健闘を祈るぞ。儂が生きている内に変化を起こしてくれると助かるわい」
「少なくても5年以内には終わらせたいとは思っているんだけどな。どうなるのかは、こっちの上に話をしてみない事には何ともな。じゃあ、邪魔して悪かったよ。お茶ありがとうな」
「ほっほっほ。この位で礼を言われるとはの。若人よ、期待しておるぞ」
さて、情報収取は完璧だな。色々と解ったことが多い。これを元に色々と作戦を練らないといけないだろう。まずは、マカラタチア共和国から交渉だな。そこから色々とやらないといけないことが多くあると思う。順番に片を付けていく方がいいだろう。味方を作ってから侵略をした方が効率が良いからな。前の大陸? 何を言っているのか解らないな。あれは蛮族の住まう大陸だったのだ。だからあれで良かったんだよ。あれ以外に方法なんて無かっただろうけどな。交渉でどうにかなる未来が見ないんだもの。仕方がないだろう?
「いい感じの人だったよね。話が纏まって良かったよ」
「うむ。有意義な話し合いであった。この大陸の事を知れただけでも大きな収穫だな」
「しかし、結局ご老体の思い通りの行動を取らなければならなくなってしまったな。ああ見えて強かに自分の望む方向へ誘導されていたぞ」
「そうね。その辺はエルンストも解っていなかったでしょうね。どうせやるんだから同じことではあるんだけれど」
「話を誘導されていたのかは、全く気が付かなかった。でも、結果的にやることは1つしかないんだよ。大陸の統一をしないと始まらないし、終わりも見えないんだからさ。やるって決めたらやらないとな。爺さんの言い分はさておくとしても、議員に当たりを付けないといけないのか」
それが問題だよな。誰が議員なのかをはっきりとさせないといけないんだけど、議会ってそもそもどうやって入り込んだら良いんだろうか?




