133話 4日目夜の戦場の端まで眠れず、非人間を開放、敵を全滅の強行軍、
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一応は戦場に着いた。まあ、士気が出鱈目に高いこっちの戦力を見て、ヒルストン伯爵家の兵士が困っているんだけどな? とりあえずは抑えておけているから問題ない。戦争が開始された瞬間に色々と爆発するとは思うが。だって、向こうには肉壁として非人間の奴隷が並んでいるんだから。開戦の合図を今か今かと待っている状態だ。……個人的にはもう始めても良いと思うんだけどな。
一応、段取りはあるらしく、今日の太陽が頂点に来た時が戦争開始の合図らしい。……大体だが、非人間の壁の数は30万程度。これを一気に解放して、殲滅後に次の戦場に向かうというローテーションを取るつもりだ。完全に殺し切ってから移動をする。ヒルストン伯爵側の兵士には手出し無用と伝えてある。手出しするまでもなく終わると思うが。頑張って占領地に向かって走っていってもらいたい。殲滅は任せておくが良い。
「全軍! 前進せよ!」
「「「「「おおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!」」」」」
バフのかかった非人間の軍勢が飛び出していく。……バフは良いよね? 開始前にバフをかけていてはいけないなんてルールは聞いてないし。そして、虐殺が始まった。第1紋章持ちたちによる乱戦を仕掛け、その内に非人間を救出、そのまま列車で離脱する部隊もかなりある。列車もこの時のために、大量に用意したからな。止められるのであれば止めてみればいい。まあ、無理だとは思うが。バフがかかっているので、近くの第4王子派の領地に向かうだけなら1日もかからない。これがあらゆる戦場で起きるのだ。そして、これからも起こす予定だ。
「うぉおおらぁあああ!!!」
「死に晒せええぇぇえ!」
「殺す殺す殺す!!!」
混乱が極まっているが、こうなる事は解っていたから止めなかったんだけど。……俺は第1紋章を持っている奴らだけだって言ったはずなんだけど、第6紋章持ちと第8紋章持ち以外は突っ込んでいるじゃないか。まあ、負けなければ良いけどな。負傷しても知らんぞ。第7紋章持ちまで突撃しているし。もう訳が解らん。それだけ色んな感情に刺さったんだろうけどな。やはり薬が効きすぎたか。でも、あの話をしておかないと、今回の戦争で見る羽目になるんだしな。しょうがない所はあるよな。それでも冷静にってのは無理がある。とにかく索敵を続けているが、約300万人が凄い勢いで減っていく。あ、第2紋章持ちがやりやがったな。特大の範囲魔法が弾け飛んだ。……今ので5%くらい消し飛んだぞ。これもう駄目な奴だよな。
まあ、駄目だったんだよ。1時間も立たないうちに終戦した。結果は圧勝。当然だけどな。こうなる様に仕向けたのは俺だ。
「よし! 予定の200人は俺と一緒に行動だ! 後は任せたからな! 全員進め!」
「「「「「おおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!」」」」」
戦場を移動する。隣の戦場は実は第2王子派の戦場だ。俺は一番端っこに割り当てられていたんだよ。何とかコントロール出来るのが俺だろうと言う事で割り当てられたんだけど、これを? 無理だろ。そのままなるがままにしかならないと思う。
バフの効果で音速を超えて移動する俺達が敵の集団の横っ面を捉えた。そして、そのまま本日2回目の殲滅戦が行われる。俺は索敵担当なので見ているだけなんだけど、上級魔法のぶっ放しは見ていて気持ちがいいなあ。これぞ戦争。本来であれば、集団魔法をぶち込むと結界の多重展開で守りに来るはずなんだけど、そんな事も何もなく、塵になっていく人間。向こうも戦力を大分集めているみたいだからな。かなりの数を誇っている。
と同時に、第2王子派閥の軍勢にも突撃。例によって非人間を奴隷として使っているので、これは第8紋章持ちが制御を奪う。そして、戦闘を辞めさせる。……それでも何千人も死んでいるからな。助けられなかった命もあるという事なんだよ。それによって、こっちの軍勢は激しく燃える。士気が限界を突破する。そして、無事に殲滅する。今回は速さが肝心。列車は後から沢山来るのである。非人間は一先ず放置でいい。命が無事であれば、何とでもなる。
「次の目標に行くぞ! 後は味方が回収してくれる! 時間がないぞ! いけるところまで突っ切る! ついて来いお前ら!」
「「「「「おおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!」」」」」
戦場から戦場へと駆ける。約2000ある戦場を1日で全部行くのは無理だ。無理だと解っていても、止められないものがそこにある。多くの奴隷を助けるために。多くの同朋を助けるために。限界ギリギリまで体を酷使して走り抜ける。そして、気が付けば、1日目の夜中には200箇所の戦力を潰した。移動で1分、戦闘で2分。この位のペースで走り抜けた。既に体は酷使して限界ギリギリだ。空腹もあるが、それ以上に戦争の空気に染まっている。多少の負傷もあるが、それ以上に狂気の方が上回っている。流石にこれでは不味い。色々と限界なのは解っている。休ませる必要があるが、この状態で休めるのかどうかだな。ま、無理だろうからここは無理をしてでも突っ走る。
「皆! 今日はここまで! っと言いたいところだが、多分だが、安心して夜も眠れないだろう? だったら、ここまで来たんだ。多少の無理はしてもいいだろう。食事を10分以内に終わらせろ! 上級ポーションを飲め! 腹が膨れて体が癒えたら出発するぞ! 目標は戦線の崩壊と殲滅だ! 同朋を助けるまで眠気を起こすんじゃねえ! 寝るのは全部の掃除が終わってからだ! 返事は!?」
「「「「「殲滅せよ! 殲滅せよ!」」」」」
良し。ならば準備しよう。10分で色々と終わらせろよ。飯も糞も終わらせろ。何、眠気にはまだまだ寝ていて貰えばいい。後でたっぷりと眠れば解決だ。戦場を走り抜ける体力が回復したら直ぐに出るぞ。そうしないと、こいつらの精神状態が持たない。異常に高い士気のせいで、狂気に近い精神状態で、眠れるわけがない。ならば進もう。安心して眠れる状態になるまで突き進もう。安全は後で確保すればいい。今はただひたすらに己を信じて突き進め。
戦場を駆け抜ける。夜は普通に野営をしているだけだったので、簡単に片が付いた。殲滅する速度も上がるってもんだ。乱戦だと色々としないといけないことがあるが、野営をしているのであれば、上級魔法を叩き込むだけだ。それ程苦労もしない。当然だが、こういう奴らが非人間と一緒に寝る訳が無いので、分けるのには助かった。その分殲滅が早く進む。
400、800と駆けていき、2日3日と過ぎていく。体は常にボロボロ。それでも眠気を叩きのめして次の戦場へ。自分たちが遅れた分だけ同朋の命が散っていく。限界を超えての強行軍。それでも止まらぬだけの精神力を持っている。目の前に居る同朋を助けるために。まだ見ぬ同朋を助けるために。戦場を駆け、4日目の夜には一番端である戦場に辿り着いた。
「やり切ったぞお前ら! よくやった! 褒めてやろう!」
「「「「「おおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!」」」」」
「じゃあ、安心して眠ってくれ! モレラト!」
「「「「「……zzzzz」」」」」
ここまでの精神的疲労は確かなものだ。それ故にこういう魔法が良く効く。下級睡眠魔法。本来であれば、第8紋章持ちが使う魔法である。まあ、第4紋章持ちで使うと、数は多くなるけど、レジストは簡単になるんだよな。ここまでの状態であれば、下級魔法でも十分に効果がある。200人分をかけるのには何回も使ったが、それは別にどうでもいい。熟練度も碌に稼げてない魔法だが、ここまで睡眠を無視していると普通に貫通するんだよな。さて、俺の仕事はまだあるからな。色々としないといけないことがある。今のうちにやっておこうか。




