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魔紋章のある世界へ  作者: ルケア


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125/191

125話 ヒルストン伯爵に魔王が来る前に大陸統一戦争と、第4王子に護衛

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 俺が求めて求めて、結局は得られなかったもの。前世の俺は、ベッドから移動することが殆どなかった。そんな俺が自由を求めることは、そんなに間違っているだろうか。恰好を付けたい訳では無い。ただ、昔の俺のような思いをしている人たちが居る。家畜で居れば、確かに食べるのには困らないだろう。ただしそこに自由はあるのか? 子孫が増えていく事も間違いはないだろう。ただしそこに繁栄はあるのか? 全てを管理されて生きている。それは本当に生きているといえるのか? 俺は、自分自身がベッドの上で生かされていたと思っている。だから、最後の決断だけは自由に決めたんだ。俺にはその自由を選択する権利があった。


 今の非人間たちは? 何かを決定する自由はあるのか? ベッドの上の俺と何が違うんだ? ただ、生かされている。それだけなんじゃないか? 人として生きるという事をしていないんじゃないか。それでいい人も居るかもしれない。けど、俺は今が凄く楽しい。自由に動き回り、生きる事が楽しい。そう思っている。その選択肢を与える事は、俺のエゴか?


 エゴだろう。未来が決まっている人たちに、別の選択肢を与えようと思うのは、俺のエゴだ。だが、その選択肢を選んで欲しいと思う。自由に、色んな事をしてみて欲しい。俺もこれからもそうするつもりだ。自由という選択肢を与える。それが嫌なら教会に養ってもらえばいい。それもまた、自由な選択だ。


「このことについて、教会はどういう反応をしているんですか?」


「……本当にお前は。どうしてこうも頭が回る? この国の教会、いや、他の国の教会もそうだ。非人間の家畜化に反対している。ただ、あそこも勢力が分裂していてな。今の感じだと、人間が全ての人の上に立つべきだと主張している奴らが4割、非人間と人間を差別するのは反対だと言っている奴らが3割。何方の方が自分に利益があるのかと考えている奴らが3割だ。今の所、エドレルファス神聖共和国の偉い所の判断としては、非人間も人間としての権利を与えるべきだと思っている。だから、教会もそれに右へ倣えだ。その考え方が変わった瞬間に、教会が割れると思ってもいい。非人間を排除する方が良いと思う奴らが5割を超えたら、あの国は割れる事になる」


「それも隣国のうちの1つですか?」


「そうだ。この国の北西にある国だな。そこが教会の元締めだ。最近になって、人間が上に立つべきだという意見をいう奴らが進出してきている。そうなったら、世界が2分する可能性がある。それは、望むべきことでもあるんだが、それにしては力が足りん」


「因みにですが、教会勢力から、その非人間の家畜化を妨害する組織は無いんですか?」


「ある。私がどうやって非人間の奴隷を入手しているのかと言うと、その組織からだ。見た目は奴隷商人として動いているが、本業は非人間解放に動いている。家畜を飼っている場所から盗み出し、奴隷として第4王子派に売りさばいている。……良心的な価格だぞ。人間の奴隷よりも安いくらいだ。暗に買ってくれと言っているんだ。あいつらも資金源が無いと辛いだろうからな」


「それなら、割と好都合ですね。粛清だけで併合が進みそうですから。それで? この大陸には国が幾つあるんですか?」


「ん? 大陸とはなんだ?」


「ああ、この星にある、この世界にある陸地です。海に囲まれた陸地を大陸と言うんですよ。それはこの世界には6つあります。その内の1つがここですね」


「ああ、そういう意味か。国の数は11だ。……ん? ちょっと待て。今大陸が6つあるって言ったな? 何処でそんな事を知った?」


「この間、神様を呼んだじゃないですか。ケセリリ様を呼んだわけですけど、その時に教えて貰いました。そして、6つの内の2つが、魔王に占領されている土地になります」


「待て。魔王とはなんだ?」


「魔王は、この世界とは違う場所からやってきた、魔物たちの王ですね。それが後、30年か50年くらいしたら、何処かの大陸に出てくるんですよ。6つありますから、6分の1の確率で、魔王が出てくることになります。あ、勿論ですが、もの凄く強いですよ? ヒルストン伯爵領にある同盟〈光る原石〉の総力を上げて挑んでも、10%くらいしか勝ち目が無いんじゃないですかね?」


「それも神様から仕入れた情報か?」


「そうですね。具体的な日時は解らないらしいですが、この大陸が選ばれたことは無いそうなので、確率的には出てきてもおかしくはないそうです」


「おい、おいおいおい。人間と非人間が争っている場合じゃないだろう。それ以上の脅威が迫ってきているじゃねえか」


「対抗手段はありますので、何とでもするんですが、色々と巻き込むので、出来れば、大陸の力を合わせておいた方が有難いんですよ。具体的に言えば、魔王が出てくる前に大陸を統一しておきたいと思いまして、今回の戦争を早めて貰おうかと」


「……大陸を統一したら、魔王にも勝てると思うか?」


「勝てる勝てないではなく、勝つしかないんですよね。既に2つの大陸が滅んでますが、2つの大陸共に、魔王には何度か襲われて、何度も撃退しているらしいんですよ。この大陸では実績がありませんけど。他の大陸では討伐の実績もあるみたいですね。まあ、被害も甚大みたいな感じですけど」


「結局、私に選択肢は無い訳だ。戦争を早めて、世界を統一する方向に舵を切るか、戦争を遅らせて、非人間の解放も敵わずに朽ち果てるだけか。選べる選択肢ではないな。実質1つしか選択肢がない」


 だと思う。自由をどうのこうのと思っているが、今を生きる俺たちに自由はない。既に時は動いているし、流れは変えられないと思う。しかも、下手をしたらこの大陸が魔王にやられて人類滅亡。選択肢として幾つもある様に見えて、実質は1択という理不尽な世界だ。マジでこんな世界に転生して楽しいと思っている自分が怖い。魔王に勝つ気満々で居るからな。神はサイコロを振らない。神以上の上位存在がサイコロを振るのだ。俺達には止められない。


 だから、俺たちに賭けるか、魔王が出ない目に賭けるか。実質1択。選択肢は1つしかない。酷い選択肢だ。考えた奴は酷いと思う。それでも、選択肢が与えられたのは今なのだ。ヒルストン伯爵にとっては、今が自由な選択を迫られた時なのだ。


「……はあ。結局は、お前の言うとおりにするしかないと言う事か。第4王子を旗印に、人間と非人間の平等を謳った国を作り上げる。そして、その後に全ての国を落とす。そういう事なんだろう?」


「そういう事ですね。具体的には色々とやることはありますけど、順当に王位を簒奪できれば何も問題は無いんですけど、第1王子が何を考えているのかが解らないですからね。王位を奪われる可能性があります。なので、ヒルストン伯爵には、最低限第4王子の身柄を抑えておいて欲しい訳です。殺されてしまえば、それまでですしね」


「一応だが、モリエラルト公爵様が精鋭50人で守りを固めている。固めているが、正直お前たちの方が強いと私は思っている。お前たちからも人員は出せないのか?」


「出せますが、王城に入れますか? まずはそこだと思うんですけど。入れるのであれば、こちらも精鋭を用意します。流石に俺が行く訳にはいかないですけど。なので、非人間になりますが、良いですか?」


「構わん。精鋭を何人用意する? 暗殺者や毒見なんかも仕事になるぞ。そのつもりで居てくれ」


「20人を向かわせましょう。それ用の魔法もしっかりと覚えさせておきます。色々と作っておいたのが功を奏しそうですね。色々と作っておくべきなのはその通りですか」


 まさか冗談で作ったものを本気で使う日が来るとは。色々と道具を作ってあるんだよ。大抵は魔法でどうにかなるんだけど、どうにもならない状況もあるだろうと思って、調べて作っておいたのだ。そんな道具も作れたんか? って思う出来栄え。ゲーム時代も知っておきたかった。

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タイトル案 ヒルストン伯爵に魔王が来る前に大陸統一戦争と、第4王子に護衛 「勝てる勝てないではなく、勝つしかないんですよね。既に2つの大陸が滅んでますが、2つの大陸共に、魔王には何度か(教)われて …
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