122話 隠れ第1王子派貴族が第4王子派以外の派閥に潜り、内戦させた?
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そんな訳で、圧倒的な速さで終わらせてきた。援軍がギリギリで間に合うとかどういう感じなんだろうか。数日しか待ってないのにな。始まったら最後。殲滅までやり切ったが。高々13万。こんな余裕の勝利はないな。強制的に背水の陣を取らせてしまったので、味方の被害は甚大になってしまったんだけど。まあ、味方かって言われると、違うんだけどさ。今回は味方だっただけで。
疑惑は色々とある。なので、終わったという報告と疑惑の事についてはヒルストン伯爵に話しておかないといけないだろうと思った。なので、報告に来たんだけど、兵士に驚かれてしまった。あれ!? 戦争は!? って感じで。うん。終わったんだ。小規模の戦いだったし。本気で兵士を集めたら、あんなもんじゃ済まない筈だもんな。
その後、控室で少々待たされて後に、ヒルストン伯爵と会談することになった。一応だが、メラリアとガストビにもついてきてもらっている。補足なんかがあれば、遠慮なく言ってくれと言ってあるんだけど、話さなくても良いでしょ感が出ている。
「兵士から聞いたぞ。もう戦争が終わったのか? 流石に早過ぎるだろう。援軍に出てまだ10日も経過していないのだぞ?」
「終わりましたよ。3日で移動して、2日待機した後に戦争が開始。その後5時間後には向こう側が全滅。それで捕虜をクロマトル伯爵家に渡してきて、後日報酬が渡される筈ですので。まあ、この位は楽に終わらせられるので良かったですが」
「そんなに小規模な内戦だったのか?」
「小規模ですね。こちら側が俺たちを含めて15万。向こう側が20万でしたし。ああ、でも開幕味方陣営から3万、敵陣営から7万の非人間の奴隷を救出したので、実質は12万と13万の戦いですね。半数がこちら側の援軍という点が気がかりですが」
「いや、10万を超える兵力が居たのだ。内戦としてはかなりの大規模な戦いだぞ? それを何かよく解らない内に戦争が終わった? どういうことだ?」
「と言われましても、こちら側の被害は0ですし、敵が居なくなったので帰って来た次第です」
「敵が居なくなった? そんなに早く敵前逃亡する様な部隊で来ていたのか? 数だけ集めた徴兵兵士だけで内戦を起こしたのか?」
「いえ? 徴兵された兵士って感じでは無かったですよ? というか、敵前逃亡なんてさせる訳がないじゃないですか。最終的には9万対0で勝利です。確実に殲滅したので、生き残りは捕虜の30人程度ですね」
「……ちょっと待て。味方が壊滅しているじゃないか。そして、敵が殲滅された? 時間的におかしいだろう。5時間後には13万の兵が0になっていたのか?」
「ええ、まあ。その位は出来ます。大分手加減をしたので、クロマトル伯爵家にも相当なダメージが入ったとは思いますが、勝てたので良しですね」
「……色々と常識はずれな事をやらかしてくれているようだが、終わったというのであれば仕方がない。本当に終わったのだろう。しかし、たった5時間で6万人で13万人を殲滅するとは」
「大分手加減してのこれですからね。手加減なしで開幕からぶっ放していたのであれば、20分で終わったと思いますよ。ですが、それだとクロマトル伯爵家に被害が出ないと考えたので、下級魔法だけで殲滅した次第です」
「一応は、同盟を結んでいる間柄なんだがな。派閥は違う故に構わんと言えばそうなのだが」
「援軍は俺達だけでは無かったみたいですよ? なんというか、クロマトル伯爵家自体は殆ど兵数を用意していなかったみたいなんですよね。それでなんですけど、ヒルストン伯爵家が軍を起こす場合、どのような編成になるのかを教えて貰ってもいいですか?」
「なんだ急に。まあいいが。基本は最前衛と前衛と後衛に分かれる。最前衛は犯罪奴隷を中心とした部隊だ。それを突撃させる。前衛はそれを確認して、魔法を打ち込む。また、犯罪奴隷たちがやられた場合、盾を持ち敵の攻撃を受け止めて貰う。後衛は魔法を使いっ放しだな。弓矢を使うものも居るが、矢の本数が限られるからな。結局は魔法を使う事になる。それがどうかしたか?」
「いえ、普通は魔法を組み込みますよね? って話ですよ。まあ、確かに訓練もしてなければ、並行詠唱も重複詠唱もしない。その場でばかり魔法を使うって事になるんでしょうけど、クロマトル伯爵家の兵士が魔法を一切使っているようには見えなかったんですよね。自己強化の魔法を使っている風にも見えませんでしたし、第2王子派はその様な戦い方をメインにするんですか?」
「いや、違うな。戦法として違うのは第1王子派と第3王子派だけだ。他の派閥は似たり寄ったり……ん? いや、待て。待て待て待て。お前は何か? クロマトル伯爵家が第1王子派ではないのかと言いたいのか!?」
「戦っている感じ、そうではないかなと。魔法を毛嫌いしているのは第1王子派でしたって話ですし、第2王子派のクロマトル伯爵家が魔法を使わない理由が無いんですよね。使えないなんてことは無いですから、使わなかったという方が正しいのではないかと思いまして」
「第1王子派で第2王子派に紛れ込んでいる? 第4王子派は……あり得ないか。第4王子派に潜り込むのであれば、非人間排斥主義者がそれを許さないだろう。非人間が日常的に歩いているのでさえ嫌う連中が第4王子派に潜り込めるわけがない」
「俺も第4王子派は気にしなくても良いのかなとは思いますね。そこまで主義を曲げる必要はないでしょうし、そもそも弱小派閥である第4王子派に潜り込ませて良い事があるのかって言われると、微妙な所ですしね。もっとも、それでも第2王子派に潜り込む理由も解らないんですが。第2王子派もブービーですし、潜り込ませるのであれば、第3王子派でしょう。ですが、第3王子派を削るためにあえて第2王子派を利用しているという事は考えられるでしょう」
「そうだろうな。今回のように、自分たちがそこまで兵を出さないのにも関わらず、援軍で来たはずの第2王子派の兵数とこちらの兵数を削れると思ったのだろう。目論みは外れてしまったわけだが、第3王子派を削れたのであれば、これもまた良かったという事になる」
「そうなんですよね。クロマトル伯爵家が第1王子派だった場合、内戦を起こすことに得しかないんですよ。しかもエラミルダ伯爵家が内戦を起こしたきっかけも、非人間排斥主義者が絡んでいるんでしょう? 第1王子派が企んだ罠に嵌まってしまったと考えた方が自然ですね」
「そうなると……既に第3王子派にも第5王子派にも潜り込んでいる可能性はあるな。第4王子派だけは潜り込めない。非人間の解放を謳っているからな。非人間排斥主義者を潜り込ませて何とかする程度の事しかできない訳だ」
「俺もそう思います。第4王子派は問題無いかと思います。問題としては、それ以外の派閥に第1王子派が潜り込んでいるのだとしたら、実質的にはどの位の勢力差があるのだろうかという事ですよ。今のままでも3倍の大きさな訳ですが、それが4倍、5倍の可能性もあるという事です。これは、現王が健在の時に、戦争での取り分を決めておかなければ不味い事になりませんか?」
「不味い事になるだろうな。非常に不味い。公爵家が潜り込んでいるなんてことにはならないはずだが、モリエラルト公爵様に色々と伝えておかなければならないことが出来てしまったな……」
しっかりと伝えて貰ってください。というか、モリエラルト公爵家が第4王子派のトップなんだな。派遣を領都組みに任せていたので、そんなところにも影響が出ているとは。知らなくても良い事なんだけどな。領地は国土の半分くらいを占める事になるんだ。公爵家よりも大きい領地がドンと出来るんだから、別に構わんだろう?




