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魔紋章のある世界へ  作者: ルケア


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116話 ヒルストン伯爵に、魔物に攻撃しても倒せなく反撃されないと聞く

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 事は何事もなくレベル上げをしていた時に起こった。


「ん? ヒルストン伯爵が呼んでるのか?」


「ええそうね。悪いけど、明日には来てくれるかしら? 明日に設定しておいたのよ。何人できて貰っても良いそうだけど、5人以下でお願いするって事らしいわ」


「解った。何の話なのかは解らないけど、了解。明日には向かう。何時でも良いんだよな?」


「そうよ。時間の指定まではしていないわよ。今はコールスに居るのよね? 十分間に合いでしょう?」


「間に合うけど、なんでまた急に」


「知らないわよ? 向こうが呼んできたんだし。何かあるとしても、何とかなるでしょ?」


「そりゃまあ、何とかなるけどさ。何とかするけどさ。なんなんだろうな?」


 突然の呼び出しである。領主様から声がかかる様になるとは、凄いな。有名人になった気分だ。何か嬉しい事があるのかと言われたら、何もないんだけどな。嬉しい事なら良いんだけど、そういう事にはならないよな。多分だけど。


「という訳なんだよ。メラリアとガストビについてきて欲しいんだけど、駄目か?」


「駄目ではないけれど、理由が解らないのは辛いわね」


「うむ。ケセリリの聖域の事であれば、もっと早くに呼び出していてもおかしくないのである」


「だよなあ。何が待っているのかは知らないけど、とりあえずこういう時は第8紋章と第9紋章を連れていくのが基本だし。エスメラルダも考えたんだけど、行きたくないって言いそうだったからな」


「そうね。最近はまた資料作成を依頼したんでしょう? それでグロッキーになっていたから、行きたいとは言わないでしょうね。何を頼んだのよ?」


「いや、色々と作っただろ? それの検証資料を少々? 皮紙に200枚くらいだからまあ、そんなには多くないぞ?」


「十分多いのであるな。エスメラルダはああ見えて現場タイプである。書類仕事は苦手であるな」


「事務仕事も第5紋章の得意分野だからな。書類は付き物だ。まあ、自分でやらずに得意な誰かに任せれば良いんだがな」


「責任感も強いのよ。察してあげなさいよ。まあ、いいけれど」


「そんな訳で、領都のオーレリアに行くぞ。メラリアのバフで走れば1時間もかからないだろうからな。本気のバフをくれ」


「はいはい。解ったわ」


 移動には第8紋章。バフって絶対に必要なんだよな。強行軍をするのにも第8紋章、鑑定なんかも第8紋章。第8紋章が不遇とか訳が分からん。一番使い勝手が良いのが第8紋章だ。まあ、皆奴隷を使うんだけどさ。自分で使うのはちょっと……って感じなんだよ。サブで欲しいのは欲しいんだけど、メインで使いたいのかって言われると、微妙? バフデバフは必須だけど、プレイヤーじゃなくても良いんだよな。


 そんな訳で、馬車道4日はかかる所を1時間程度で走破。余裕があってこれだ。本気で走ったらもっと違う結果になるんだろうけど、別段急ぎって訳では無かったし。いや、伯爵にとっては急ぎなのかもしれないけど、俺たちに取っては、な? そんなに急ぎでもない。


 そもそも何で呼び出されたのかが解らないのだ。それも解らないのであれば、急ぎかどうかも解らない。そんなに無茶ぶりされるほどの好感度は稼いでいないと思うんだけど。何かやったことってあったか? 同盟を作って、聖域を作ったくらいなんだけど?


 で、門番に理由を話したら、どうぞどうぞと言わんばかりに控室まで案内された。……そこまで切羽詰まっている感じなのか? やたらと好感度が上がっているような感じがするんだけど。気のせいではないよな?


 納品とかも特にした覚えが無いし、何がそんなに好感度を上げたんだろうか? 無限回廊産の宝物を納品する契約って言っても、まだ4つしかしてないと記憶しているんだけど。ダブって要らない奴とかを中心に。必要なものはこっちで確保してあるからな。それの要らないものリストを適当に作って1回渡したくらいじゃないのか? それでそんなに好感度が上がるのか?


 むむむ、解らん。解らんけど、何故だか好意的に接してくれているらしいので良いんだけどさ。反抗的な態度を取る必要がないだけ楽だよな。敵対している訳では無いから、楽できるのは良い事だよな。


「お待たせしました。こちらへどうぞ。ご案内します」


 1人でうんうんと首を捻っていたら、呼び出しが来たでござる。メラリアとガストビも難しい表情をしているし、結局何で呼ばれたのかが解ってないんだよな。それが痛いよな。もうちょっと対策を練る時間が欲しかった。急遽だったからな。何を言われるんだろうな。


「来たか。まあ座れ。急いできてもらったが、時間的にはまだ余裕がある。楽にして聞いてくれればいい」


「そうなんですか? なんだか急ぎだと聞いたんですけど?」


「急いでは居るが、焦っている訳では無いと言う事だ。今回の件では私も本当なのかの裏どりをするのに手間取ったのでな。猶予は1か月ある。それまでに結論を出して行動できれば良いだけなんだ。移動時間もある。その辺は問題ないだろう」


 ふむ? そうなってくると移動しないといけない案件なんだな。何の話なのかは全くわからないが、急いでいないと言う事は解った。焦っていないって言っているけど、急がなくても良いと言う事なんだろう? よく解らないけど。


「さて、呼びだした要件を単純に伝えるだけでも良いんだが、他の事も纏めて話をしてしまおう。とりあえずは、大魔の森を消し飛ばした案件からだな。それからは全く別の狩場に変化したという報告を受けたが、……魔物が倒せないという苦情も来たのだが、知っているか?」


「いえ? 普通に倒せますよ? ドロップ品がもの凄く良いものですので、冒険者ギルドでも高く買い取ってもらっていますけど?」


「まあ、お前らは倒せるんだろうな。だが、他の冒険者が言うには、歯が立たないらしい。具体的に言うと、ランク3の冒険者が青銅の武器を使っても傷1つ負わないと言っていたのだ。何故か攻撃してこないから、攻撃を何度も当てたのだが、防御もされていないのに全く倒せなかったらしいぞ? 本当にどうなっているんだ?」


「……え? 攻撃されない? そんな事なんてありますか?」


「あるからこういう報告が着ているんだろう? こっちが聞きたい。そんな事があるのか?」


 ……ノンアクティブの魔物をアクティブにするには、ヘイトを稼がないといけないんだが、もしかしてカスダメも入ってないのか? まさかの0ダメージでヘイトが0? そんな事ってあり得るんだ。そんな経験がないから全く知らなかったけど、ノンアクティブの魔物ってそういう感じなんだ。攻撃したとも思われていないと。それは、笑えて来るんだけど?


「一応ですが、話を聞いた限りの事でお答えします。まずもって、聖域の魔物は襲わない限り襲ってきません。そういう魔物なんです。それで、襲われたというのが、恐らくですが、ダメージを負った時になるんだと思います。俺も初めて知ったことなんですが、ダメージにならない攻撃なら、向こうが攻撃と見なさないみたいなんですよね。だから反撃されなかったと言う事なんですよ。多分ですが。俺達には普通に反撃をしてくるので」


「……弱すぎて、敵としても見て貰えないと言う事か?」


「そうだと思います。魔物の格としては、大魔の森よりもずっと高いので。その代わり絶対にスタンピードは起こりません。それは絶対ですね。それが聖域なので。あそこはケセリリの聖域ですので、ケセリリが怒らない限りスタンピードは起きませんよ」


「魔物が強くなった代わりに、相手にもされなくなったと言う事なのか。……死亡事故が増えるよりはマシか。下手に強い奴の方が死にそうだが」


「いやー、ロズロル辺りまでなら、ダメージを負わないんじゃないですかね? それくらいの格はあると思うんですよね。詳しくは検証したことが無いので、解らないですけど」


 検証以外にも、そもそも想定外である。ノンアクティブの魔物ってそういう特徴があったんだな。俺も初めて知った。勉強になるな。活かされるかどうかは解らんけど。

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タイトル案 ヒルストン伯爵に、魔物に攻撃しても倒せなく反撃されないと聞く 普通の冒険者はレベルや装備が不足だけじゃなく、魔法使わないし、上級魔法知らないしな 単発上級魔法でも防いでしまうデメデルには…
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