108話 無限回廊廃人を待つ間、太魔の森の調査する。不吉な最小四体グル―プ
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地図の複写という地獄の作業から解放されて、領都の拠点に指示を出してきた。誰が何処に向かうのか。それを確認するためだ。それが出来る面子が、領都には揃っている。全部俺が指示しないといけないなんてことはない。それならこのヒルストン伯爵領の残りの町の全部に人員を送り込んだり出来ないしな。しかも今回は各方面からリーダー格を集めさせて貰った。これで全部の都市町に一度に送り込める。ああ、魔法のマニュアルについても複写したぞ。エスメラルダがちょっと発狂しそうになっていたけど、誤差だろ。仕方がないんだよなあ。魔法のマニュアルも模写しないと、ちゃんと教えられないだろう? だから、追加でマニュアルを5000作ったんだ。マニュアルはA4用紙に50枚くらいびっしり文字が書いてある。まあ、追加の作業があったことを伝え忘れた俺もすまなかったとは思うが、これも必要な作業だったんだ。
それで、コールスに帰って来た訳なんだけど、凄いことになっているな。拠点が全然違うじゃないか。建て直したんだな。一軒家って感じの建物だったはずなのに、ちょっと訳の解らないことになっている。木材資源はどうしたんだろう。無限回廊から採ってこれるけど、ちょっと乾燥させたりするのが面倒なんだけどな。浸漬、乾燥、浸漬、乾燥って感じでやらないと、木材によっては使えないはずなんだが、しっかりと処理されているように見える。
まあ、難しい魔法じゃないので、マニュアルには記載していたんだけど、ちゃんと工程を踏んだんだな。誰かが知っていたんだろうと思うけど、博識だな。俺も詳しいことは知らないってのに。俺よりも使えそうな感じがする。魔法って出来ない事も多いけど、出来ることは出来るんだよ。だから、木材集めも頑張ったんだろうな。面倒なことだとは思うけど。
「で、やっぱり無限回廊に向かっていってしまったと。休みって概念が無いのか?」
「流石に休んでますよ。月に34回くらい行ってますけど」
「いや、それは休んでないだろ。1か月は36日あるんだぞ? 何か問題ありますか? みたいな感じで言っているけど、問題大ありだからな? 17連勤ってどうよ? ……どうなんだ?」
「解らんのである。そもそも休みという感覚が無いのである」
「やれらは休んだことがあったかの?」
「あるよ? あるけど、似たようなもんじゃない?」
「普通はスラムの奴に休みなんてねぇだろ? 生きるのに休んでどぉすんだよ?」
「我らも殆ど休みなしだ。それが当たり前であり、生きるためだ。何か問題があるのか?」
「……俺も労働基準法なんてそもそも知らないから、よく解らんな。働き過ぎな気がするけど、これが普通なのか?」
普通の会社員てどのくらい休みがあるんだろう。こう、残業ってイメージしかないんだけどさ。よく言われてただろ? 残業が多すぎるからって言って強制的に休ませる法律が云々って。まあ、実状は強制的に休ませるから、普通の休みの日に出勤するって話を聞いたことがあるんだよ。本末転倒な気がするけど、法的にはそれでいいのかね? でも、俺も年中病院に居たからよく解らないんだよなあ。病院が休みとかになる事はあったけど、看護師さんは居たし、医者も居たからな。あれ? 医者も休んでなくないか? 医者が居なかったら入院している人が困るよな。夜中とかも呼び出されるし、……医者も休んでない気がするな。なら、17連勤くらいは普通なのか。なるほどな。
「まあ、細かいことは気にしたら負けだな。それで、無限回廊の攻略はどうなんだ? そいつらが最前線組だよな? 確か、700層付近をどうのこうのという話は聞いているんだけど」
「最前線は今の所1パーティーだけですね。今は830層まで進めていたはずですけど……。今日中には攻略して転移陣で戻って来るって言ってましたけど」
「……前人未到の835層まで攻略してくるってか。これは、あれだな。無限回廊廃人だな。リアルでも居るんだなそんな人が。多分、何かがきっちりと嵌まってしまったんだろうな」
「それで、どうするんですか? 居ないと流石に困ると思うんですけど……」
「先に大魔の森の調査だよなあ。夜には帰って来るんだろう? 泊まり込みって事は無いんだよな?」
「泊まりで行くのは禁止してますからね。初めは泊まりで行っていたこともあるんですけど、801層目からは、徘徊型が2体に増えたので1パーティーじゃ危険って事になりまして。801層には現在10パーティー進んでいるんですけど、安全を考えて20パーティーくらい来たら泊まり込みを許可したんですよ。なので、今は攻略階層の更新作業を手伝っているところです。多分、後2日もすれば行けるんじゃないですかね?」
「徘徊型が増える!? え? マジで? やばすぎるだろ。流石はエンドコンテンツ。これは1000層以下もマジであり得るな。むしろ何処まであるんだろう。色々と気になる事が多すぎてやばい」
徘徊型が2体とか悪夢過ぎる。凶悪すぎるだろう。何を考えているんだ世界は。1体だったから対処は簡単だったんだよ。強すぎる徘徊型も居たけど、1体だから何とかなったんだ。対策をすれば良いだけだからな。2体って、連携されたら終わる組み合わせとかもあり得そうで怖い。特に対になる神様コンビとか、やばくないか? それがあり得るんだからどうしろと?
「ま、まあ、今日中に帰って来るならいいや。とりあえず、大魔の森の調査に行ってくるから。それ如何では神降ろしの宝玉を使うからよろしく言っておいてくれ。俺達の方が後になる可能性もあるからな」
「解りました。行ってきてください」
色々と気になる事があるんだけど、言いたいこともあるんだけど、とりあえず調査を終わらせてからだな。話はそれからだ。推定悪魔であると。最悪の場合は悪神。そこそこの所で魔神。悪神は嫌だなあ。悪神と魔神は方向性が違うから問題しかないんだよ。個人的には悪神の方が嫌いだ。魔神はまだ何とかなる。まだ悪神に比べたら素直な部類だからな。
「じゃあ、俺とエスメラルダが索敵な。いつも通りだけど、まずは最小グループと当たる事を意識する。乱入は無しの方向で考えている。それで良いよな?」
「問題無いの。そもそも最悪の事を想定していても、逃げ切れることは解っているの」
「無理ならガストビとエルンストを置いて拠点から援軍を呼んで来たら良いんだよね。そんなに強いのが居るのかどうかは知らないけど」
「無理な奴に当たらねぇ事を祈るしかねぇよな」
「置いて行くのなんて最後の最後なんだから、何とかなる敵なら戦うわよ。基本的に、倒せない敵は居ないのでしょう?」
まあ、理論上はな。どんな敵でも相性を付けば倒せるようになっている。理不尽な敵は出てこないことになっている。熟練度を上げて、レベルを上げて、上級魔法のぶっ放しで勝てるほどには甘くはないけど、対策を練れば勝てる。その魔法も大抵教えてある。……覚えているのかが心配ではあるんだけど。特にカンタレラ。火力担当なんだから頼むから忘れたとか言わないでくれよな。
「……結構いるけど、最小グループが微妙だな。4体が最小っぽいな。エスメラルダの方は何か解ったか?」
「4体が最小かの。これは多少楽が出来そうだの」
「……そう、だな。4体か。嫌な予感がしてくるな」
「え? 不吉! 嫌な予感って何さ!?」
「基本的には、難易度の高い狩場になると、最小グループの数が増えていく。それは良いよな?」
「うむ。普通は1体である。それが2体、3体と増えていくのであるな」
「だろぉ? で、4体って事は、そこそこ強ぇって事じゃねえのか?」
「推定第8層程度の強さがありそうか? いや、もっと強い可能性もあるのか」
ああ、そうなんだよな。常識的に考えたら最小グループが多いって事は、それだけ強い上に固まって行動しているって事になるんだよな。しかし、例外はなんでもある。最小グループが少なくなる事もあるのだ。それが言っていたように、魔神、悪神、その他神様系になると一気に最小グループが少なくなる。通常の魔物、大罪の悪魔系の魔物だと、最小グループは8体とかそこらへんになるんだよな。そして、4体は、神様系統で最小の数字だ。3体であれば、神様系統では無い。殆ど確定で。例外はあるんだけど、それでも、最小グループが4体ってのは気を付けないといけない数字だ。




