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ep1.SPACE・GIRLS・LIFE

SPACE・GIRLS・LIFE、連載開始第一話です。これからリンをどうかよろしくお願いします。

ッチッチッチ....時計の秒針は動き続けた。


私は今、緊張の最中にいる。

家族を養うためとはいえ戦闘科に入学するのはまずかったか....

まさか今日、聖母イソーマと契約することになるとは思いもしなかった。てっきりもっと....こう..修行とか一杯してから契約はするものかと思い込んでいた。


時は遡り25分前....


ガラガラッ....勢い良くドアが開いた。


「これより諸君の担任を務める、ゴルバ・トルクネイドだ。以後、宜しく。」


ななななんかいかついおっちゃんが入ってきたぞ....新しい学校、新しい顔ぶれでナーバスモードになってたのに....


ガタッ....勢いよく隣の席の女子が起立した。


「吾輩の名前は、メリー....メリー・キャンベルであります!以後、宜しくお願い致します!」

「ああ、オーケーだ、メリー・キャンベル。座れ。」

「はいっ!」


ななななんか喋ってる..なんだこの人....見た目は金髪ポニーテールの如何にも可愛い女の子って感じなのに....


「せっかく顔がいいのになぁ..勿体ね」


メリーと反対側の隣の男子が呟いた。


「入学おめでとう、諸君。そして、ようこそ、ヒト族兵士育成校、戦闘科へ。」


ゴルバ先生は続けた。


「諸君には、ヒト族を代表し、種族の窮地を救う兵士として、それを目指し成長して欲しい。」


ほうほう。


「では、その第一歩としてまずこれをしてもらう。」


なるほどな。


「これとはどういったものでしょうか!」


うるさいぞメリー。


「すまない、言葉が足りなかったな。」

「それは聖母イソーマとの契約だ。」


え........え?

いや、いつかは契約すると知っていた。ヒト族は軟弱だから宇宙での戦闘ができにくい。だから戦闘兵には聖母イソーマとの契約を義務付け、『神の恵み』を持ち戦うとは。でも....え?今から?もっとこう....さ、修行?とかなんかいろいろあるでしょーが!


「三十分後に、出席番号順で契約して行くぞ。」


おいおい....マジで言っちゃってんのかいな....え、マジで?マジで言ってんの?急だし怖いよ不安不安不安不安不安不安....................




ヤバい、あと五分で始まるよ....始まっちまうよ....


(おい....)


さっきの男子が話しかけてきた。


(お前..名前聞いてもいいか)

(え、なんでよ)

(ッチ....こっちはあの馬鹿女と繋がんなきゃいけねーんだよ....)

(え、なんでよ)

(それはこっちの都合だろ?!)

(う..うん。いいよ。私の名前はリン・ハリス。あの子と話したいなら直接言えばいいのに....)

(そ....それは........)


「ん?なんだ?私の話でもしていたか?」

「うわぁ?!」

「何を驚いているのだ。そこの男。」

「....別になんでもねえよ....」

「とはいえ、名前も知らない相手に陰でコソコソと話されるのはあまりいい気分ではないな。何を話していた?」


こう聞かれれば話してしまうのがいいか。


「それはこの人....名前はまだ聞いてないけど、この人があなたとどうとか....」

「ちょ..おま....」

「む?なんだ?なにかやましいことでもあるのか?」

「別にねえよ....」

「では名を名乗れ!!」

「は....?なんでだよ」


名前も言わずににコソコソするのは確かにあんまし良くないな。よし、メリーに協力してやろう。


「ねぇあんた、あたしだって名前言ったんだから、言いなさいよ」

「お、そうなのか。名前を聞いてもいいか?美少女さん」

「やめてよ恥ずかしい....リン・ハリスだよ。」

「そうか。覚えたぞ。私の名前は....」

「知ってるよ。メリー・キャンベルでしょ?」

「覚えてくれてたのか、ありがとう、そして宜しく、リン。」

「いいよ、別に。それはともかく、あんたよ、あんた。」

「そうだな、まだ名前を聞いていない。」

「....マジでか?」

「当たり前だろ!」

「そーだそーだ!」




「........ローベルト....ローベルト・ラングナー....」

「!?」

「はいはい、そのリアクション既に慣れてるよ....」


ラングナー....確か、戦闘兵の超名門だったけか....?坊ちゃまじゃねーか....


「だから嫌なんだよ....名乗るのは....」

「なに!気にすることはない!君はラングナー家なのだから、それに相応しく堂々としていればいいのだ!」


それって多分地雷じゃないの....


「おい!メリー・キャンベル!来いと行っているんだ!」

「っはい!」


うわぁぁ....初っ端から怒られちゃった....迷惑かけたな....後で謝ろ。


ブフォオオオオオオ!!!!


なんかものすごい音が下の階から聞こえてくる....

それになんか下の階が騒がしいな....どしたんだ。


ガラガラッ....

勢いよくドアが開いた。

メリーだ。なんかもの凄い笑顔だな。


「次の者!!」


遅れて教室にやってきたゴルバ先生が言った。

誰かが立ち上がる。

メリーはすぐさま駆け寄ってきた。


「契約どうだった?」

「....」


返事がない。どうしたんだろう。


「おーい、メリー?生きてるー?」

「っつああ!!」

「契約どうだった?」

「....そうだな....なんか....凄かったぞ」


なんかメリーらしくないな。まだ付き合いもほんの少しだけども。


「そうなんだ....メリーの、''恵み''はどうだった?」

「そうだな....なんというか..力が溢れ出すような感じだ!」

「じゃなくて、なんか能力?みたいなの」

「ああ、これだな」


メリーは私の机の前に立ったまま手を出してきた。


ブフォ!


メリーの手のひらの上に炎が現れた。


「どうだ!これが私への''恵み''だ!!」

「すごっ!てかアチッ!」

「ハハ!どんな敵も焼き殺す炎だ!」

「その....炎の恵み、珍しいね。」

「ああ。あまり炎系の恵みは聞かないからな。」

「私にはどんな恵みが与えられるのかな....」

「なに!心配することはないさ!必ず!聖母イソーマ様はリンにピッタリのものを恵んでくださる!」

「そうだといいけどな....」


そろそろ私の番だな。


「次の者!リン・ハリス!!」

「ハイ!」


私は期待と、ほんの少しの不安を胸に勢いよく教室を飛び出した。

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