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彼の進む道  作者: けやき
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少女達の名前

「んー…、さてどうしたもんかな」


鏡を見ながら呟くトシキ。赤のメッシュをいれた髪が、変装のため青く染まっている。

顔は、何故か右頬が腫れている。後から追いかけてきたサラに叩かれた。ついでにサイトも来たが、言いたいことだけいって帰っていった。


サラと一緒に夜道を歩く訳にもいかず、近くにあったビジネスホテルに泊まった。


ちなみに、サイトは


「紛らわしいことするな!相棒に挨拶せずに行くな!」


と、文句を言われた。

サラは、


「あんなに愛してくれたのに、なにも言わずに行っちゃうなんて薄情ですね。謝っても許しませんが」


と、笑いながら言う。


「はぁ…」


ため息をつき頬をなぞる。


「あら、お早いですね。」


目を擦りながら上半身だけ起こすサラ。


「あぁ、おはよ…!?」


慌てて顔をそらすトシキ。サラは上半身裸でトシキの方を向いていた。


「おはようございます。」


気づいてないのか、起き上がろうとするサラ。


「ちょっと待った!そのまま動くな!!」


トシキがあわててサラを止める。


「?」


訳がわからないサラ。


待て待て待て

オレは起きた時服を着ていた、乱れ一つなく。だが、何故サラは着てない

そうか!裸じゃないと寝れない人なのかもしれない!そうに決まってる!きっとそうだ!決定!もう覆りません!!


トシキの脳内のやりとり、ここまで0,5秒。


トシキはサラの布団を抑える。


「あのー…」


と、安心したトシキにサラが声をかけてくる。

そういえば手に柔らかい感触がする。


「へ?」


サラの方を向く。

トシキの手は、布団を下から突き上げている二つの物を鷲掴みしていた。


「あ!?ああぁぁぁぁ!!」


その事に気付き、慌てて手を離す。が、手に布団の上からでも柔らかな感触が残っている。


「ご、ごめん!わざとじゃないんだ!」


あたふたしながら弁解するトシキ。


「朝から求めて来るなんて、溜まってるんですか?」


サラがイタズラっぽく笑う。


「いや、違う!溜まってるとか、女の子が言わない!!」


慌てながらも叱るトシキ。


「私は良いんですよ?あなたのしたいようにしても」


と、布団を持ちながら上半身を起こすサラ。肩だけ露出してるのが、逆にいやらしい。というか、わざとやっているのだろう。


「う……」


朝と言うこともあり、意志が揺らぐ。

サラはトシキの好みの外見なので、ダメージは大きい。


「ふふ、かわいいです」


サラが微笑む。


「……一ついい?」


フラフラしながらトシキが聞く。何とか理性が保てている。


「何ですか?」


その様子を見ながら微笑むサラ。


「何で裸?」


「あら、お忘れですか?」


「は?」


「あんなに愛してくれたのに!」


と、サラが布団を被り体を震わす。


「…嘘だろ?」


「はい。」


ケロッと布団から上半身を起こすサラ。


「暑かったので脱いだんです。上着だけ。」


ベッドの下に着ていた服が落ちている。


「…下着が外れてるのは?」


「さぁ?それは知りません。ま、まさか!」


と、顔の方へと布団をあげてトシキを見るサラ。


「いや、無いな。」


と、何とか冷静に答えるトシキ。

少し不安になり、自分のベッドの方を見る。

サラの下着らしきものは見えない。


ほっと安心する。


「あ、有りました。どうやら上着と一緒に脱いでたみたいです。」


自分の服の中から下着を見つけ、トシキに見せる。


「見せなくていいから!」


慌てて後ろを向くトシキ。

ピンクだった…


「むぅ、なかなか落ちませんね。」


と、文句を言うサラ。

衣服が擦れる音がし始めたため、服を着ているようだ。


胸を撫で下ろして安心しつつ、惜しい事した様な感じがした。


「…はぁ」


トシキがため息をつく。


「あら、どうかしましたか?」


「わっ!?」


サラが後ろからトシキを抱き締めていた。

上着を着ているようだが、下着を着けている感じがしない。


「ちょっ、なに!?」


ふりほどこうとするが、ガシッと掴んでいて離れない。


「…迷惑ですか?」


と、急にいつものサラらしくない声で聞いてくる。


「は?」


思わず振り返りサラの方を見る。


「迷惑じゃないけど、もう朝だし帰るなら帰りなよ」


真顔でサラを見るトシキ。


「…帰りたくないと言ったら?」


上目遣いでトシキを見る。


「だめ。自分の仕事が有るでしょ。アカツキの事も大事にしてよ。オレもたまに行くから」


頭を撫でる。それだけで、心がポカポカしてくる。


「全くあなたは…」


クスリと笑い体を離す。


「別れの挨拶にきただけですので、もう帰ります」


自分の服の元へ行き身につける。

「そっか」


「お元気で」


微笑み部屋から出ていった。


「ふぅ…、とりあえず髪の色落とすか」


再び鏡を見るトシキ。


・・・・・・・・・・・


髪の色を戻し、ホテルを出た。時間は9時過ぎ。太陽が上がってきて日が少し眩しい。


「連絡いれとこうかな。」


小型の通信機を取りだし、携帯を耳に当てる。

携帯を耳に当てる意味はない。イヤホンマイクを付けるため、手には何も持たないが、独り言のようにも見られるため、ブラフで携帯を持つようにしていた。


「む、坊やか?」


と、イヤホンから学園長の声がする。


「はい、連絡が遅れました。すいません。」


「一週間連絡しないとは、どういうつもりじゃ?」


学園長の声しかわからないが、怒っている感じがトシキを襲う。


こえぇ…、怒ってるよ…


「えっと、ちょっとしたいざこざが有りまして…」


と、トシキがこの一週間の事を話す。


「…ふむ、アホじゃな」


学園長が笑う。


「アホって…」


苦笑いするトシキ。


「バレるな、とは言ったが、話すなとは言ってない。バレてからも話さなかったのは、坊やが悪い。」


「うっ…」


一理あるため反論がでない。というより、反論したら怒鳴られる。


「で、何された?」


「は?」


「拷問だろ?何された?爪を抉られたか?骨を折られたか?蝋を垂らされたか?鞭で叩かれたか?」


何処と無く声がウキウキしている。


「…鞭で叩かれました。ビンタも何発かされました。」


トシキの表情は曇る。人生で初めて鞭や手で叩かれた挙げ句、キスまでされ恥ずかしいことをされた。思い出しただけで、恥ずかしさと少しドキドキしてくる。


「んー…?坊や辛くなさそうだな」


面白がっている声が聞こえる。


「面白くないです。恥ずかしかったんですよ。美女にそんなことされて…」


トシキはため息をつく。


「美女だと?ほぅ、では興奮したのか?」


声がうって代わり冷たくなる。


「興奮?するわけないじゃないですか、痛いだけですよ!!」


強い口調で返すトシキ。少し興奮してしまった自分が恥ずかしい。


「…まぁいいだろう。戻ってきたら折檻じゃ。くふふふ」


学園長の不気味な笑い声を聴き逃さなかった。


「勘弁してください…」


絶望だ、あの人ドSだからサラ以上にキツいことしてくる。あぁ、鬱だ…


落胆するトシキ。

トシキはMっけはないため、普通に落ち込む。全くではないが。


「あぁ、それよりも坊やが助けたこどもじゃが。」


と、話題を変える学園長。


「はい、それも聞きたかったんで」


立ち直りが早いトシキ。


「神楽達のマンションに住まわせた。部屋は違うが、一緒のマンションだ。坊やも会いやすいじゃろ?」


「はい、ありがとうございます。わざわざすいません。」


「ふん、弟子を甘やかすのも良くはないが、奴隷として売られるのはもっとよくない。」


…それはそうだけど、ちょっと違うような


「今回は、坊やの功労賞と言うことで特別じゃ。次はない。自分で何とかしろ」


「…はい、わかりました。」


その事はトシキにもわかっていた。軽い気持ちで彼女達を助けても、その後がどうにもならないのでは助けた意味がない。そこをちゃんと理解していなければ、結局またさ迷う子供達を増やすだけだ。


「…」


トシキが指を擦る。


「…まぁ、相談には乗ってやろう。」


学園長が顔を背けているのが想像できる。

その事に微笑むトシキ。


「ありがとうございます。」


「彼女等にも会っておくんじゃぞ。会いたがっておったからの。」


「はい。」


「で、話は以上か?」


「はい。そっちに行ってから詳しく報告します。」


「うむ、では気を付けて帰ってこい」


「はい、師匠」


ブツン、と通信が切れる。

携帯を離す動作と一緒にイヤホンマイクも外す。


「報告もしたし、会いに行こうかな。」


通信機をしまい、ローブを羽織って、その場から目に見えない速さで建物の屋根に飛び上がる。

それを見れたのは誰もいない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「よっと、」


屋上に降り立ったトシキ。神楽達のマンションの屋上。相変わらず中々の景色である。頭に被ったローブを外す。


「んー…、久しぶりの景色だ」


伸びをして空気を吸い込む。はあー、とゆっくり吐く。


「…ん?誰か来るな」


階段を上がってくる音が屋上まで聞こえてくる。


「ふぅー!…あれ?」


屋上に上がってきたのは一人の少女。緑の髪をツインテールにした、見覚えのある少女が、トシキを見て首を傾げる。


「…お?」


トシキがその少々の事を思い出す。一週間前に奴隷として売られそうになっていたのを助けた少々達の一人だった。


「あぁー!お兄ちゃんだー!!」


少女も気付き、トシキのもとへと走ってくる。


「うおっ!?」


飛び付く少女を受け止める。


いいタックルしやがる!腹にダメージが…


と、苦笑いしながら少女の頭に手をのせる。


「助けてくれたお兄ちゃんでしょ?…あれ?お姉ちゃん?」


この少女とポニーテールの子は、トシキとサキの顔をどっちも見ていた。少女達を助けた時は男の姿で、その後はサキの姿であっていた。


「お兄ちゃんだよ。」


説明してもわからんだろう、と思い短く答える。


「お兄ちゃん!来てくれたんだ!!」


ギュウ、と抱き締めてくる少女。


「そうだよ、お姉ちゃん達に迷惑かけてない?」


「うん、良い子にしてたよ!」


「そっか、偉いね。」


トシキが少女の頭を撫でる。


「えへへ、誉められたー」


と、嬉しそうに笑う少女。


あぁー、何か癒されるなぁ


と、思わず顔が緩む。


「ねぇねぇ、皆もお兄ちゃんに会いたがってたよ?」


トシキの腕を引っ張る少女。


「うん、今から行くよ。部屋まで案内してくれる?」


「案内するー!」


嬉しそうにトシキの腕を引っ張って屋上から出ていく。


・・・・・・・・・・・


「おねーちゃ!おにーちゃんがきたよー!」


少女が部屋を開けて、中に声をかける。


まさか、神楽の部屋の隣とは…

わざとか?


少女達の部屋は神楽の部屋の隣。その隣の部屋も少女達の部屋。


「おじゃましまーす」


靴を脱ぎ、トシキが部屋に上がる。甘い柔らかい臭いがする。


「お?やっと来ましたか、待ってたんだよ。」


と、ポニーテールの女の子がトシキに笑いかける。


「もうちょっと早く来るつもりだったけど、遅れちゃった。ごめん。」


頬をかいて苦笑いする。


「何を言いますか、私たちを地獄から救ってくれた人が」


と、ウィンクして微笑む。


「そか、ありがとう」


微笑むトシキ。


「わぁー!」


少女達が一斉にトシキに抱きついてくる。


「ちょっ!?」


五人一辺にトシキに飛び付いたため、支えきれず倒れるトシキ。ちゃんと少女達を抱きしめ、怪我がないように倒れた。


なんてタックルだ…、将来が、楽しみだぜ…


「あたしもー」


緑髪の少女も混ざる。


「うぐっ!?」


五人が首、両腕、両足に抱きついていて、最後に開いていた腰に抱きついた少女の膝がトシキの股間にクリティカルヒットする。


なんて膝蹴りを!?この子が一番有望…だな…


何とか意識を保ち、痛みに耐える。


「あはは…」


その様子を見ていた二人の女の子は苦笑い。少女達は不思議そうにトシキを見上げる。


「…?そういえば、君達の名前聞いてなかった。」


と、痛みが引き抱きつく少女達を優しく引き剥す。


「…」


少女達が急にうつ向く。


「あっと…、私達名前ないんだ。奴隷には名前は与えられないの」


と、ポニーテールの子が答える。


「…そっか。」


雰囲気が暗くなった。


…うーん、皆落ち込んじゃった。何とか元気を…、そうか!


「あのさ、迷惑じゃないならオレが名前を考えても良い?」


「え?」


少女達が一斉に顔をトシキに向ける。


「あ、迷惑だったら良いんだけど…」


苦笑いするトシキ。


「名前付けてくれるの?」


紫の髪の少女が聞く。


「あぁ、皆が良いならオレが考えてつけるよ。」


と、微笑むトシキ。正直ネーミングセンスはない。だが、名前がないよりは、と思い提案。


トシキの意思を知ってか知らずか、少女達は嬉しそうな顔をする。女の子二人も嬉しそう。


「あなたが付けてくれるなら迷惑じゃないよ」


ポニーテールの子が微笑み答える。少女達も頷く。


「そっか、じゃあ考えるからちょっと待って。」


と、少女達を見ながら考える。指を擦る癖も出ている。


・・・・・・・・・・・


少女達が座り、トシキだけが立っている。


「君は(ゆかり)


紫の髪を腰まで伸ばす少女の頭を撫でながら言う。少しつり上がった目に、強気そうな眉毛。気の強そうな少女は紫と名付けられ、嬉しそう。


「君は桃」


ピンクの毛先の方をウェーブした肩ぐらいで切り揃えた髪の少女の頭に手を置く。少したれ目のおっとりした雰囲気の少女は桃と名付けられた。胸が少女達の中で一番大きく、ポニーテールの子と同じぐらいある。

桃と名付けられ、少し恥ずかしそう。


「君は(らん)


藍色の短めの髪をした少女。見た目通り男勝りな性格。藍と名付けられはにかむ。


「君は(うみ)


青い髪を頭の横で結ぶ少女。笑顔が可愛らしく、海と名付けられ照れながら笑う。


「君は(ひかり)

黄色の髪をポニーテールにした少女。元気あふれる表情で、嬉しそう。


「君は(みどり)


緑のツインテールの髪の少女。トシキに会ってからずっと笑顔。名付けられてからも、嬉しそう。


少女達は、髪の色を元に名前をつけられた。単純な物もあれば、少しひねった物もある。


「えへへー」


緑がトシキに抱きついてくる。どうやら抱き付くのが癖になってきてるようだ。


少女達の中で、海、光、翠、桃、藍、紫の順で背が高く、海、藍、光、翠、紫、桃の順で胸が大きい。


「ねぇ、私達は?」


と、二人の女の子がトシキに尋ねる。


「ちょっと待って…」


トシキが二人を見ながら頭を捻る。


「んー…、君は凛」


肩で切り揃った赤い髪の女の子。気の強そうな感じがする。


「で、君は美琴」


黒髪をポニーテールにした女の子。人懐っこい笑顔をしてくれる、優しい少女達のお姉さん。くすぐったそうな表情。


背は凛のが高く、胸は美琴のが大きい。


「気に入ってくれた、かな?」


不安げに聞くトシキ。


そんなトシキに少女達は満面の笑みで応える。


「!ありがとう」


トシキも微笑む。


「私達の方こそありがとう!」


「どういたしまして」


少女達がトシキに再び抱き付く。今度は優しく抱きついてくれたため、倒れずにすんだ。


「あ、自分の事言うの忘れてた。オレは坂井俊貴。トシキって呼んで。」


少女達の頭を撫でながら名乗る。


「トシキ!」「おにーちゃん!」「トシキにーちゃん!」「おにい!」

「にぃ!」


少女達に一斉に呼ばれる。


「好きなように呼んで良いから」



苦笑いする。


「トシキ」


呼び捨てでトシキを呼ぶ美琴。


「ん?」


翠達にベタベタ触られながら美琴を見る。


「今日は泊まってってくれるでしょ?」


「へぁ!?」


まさかの申し出に戸惑う。翠達も期待した目でトシキを見上げる。


「ちゃんとおもてなしするよ!私達の命の恩人だしね。」


「まぁ、そうだけど…」


「夜のお相手もするよ?」


ウィンクする美琴。

翠達も恥ずかしそうにトシキを見上げる。


何だ、その態度は…

お嬢さん達にはまだ早い…!


トシキがたじろく。


「えっと、やめとくよ。」


「まだ皆未体験だよ?」


「それは大事な人のために取っときなさい!」


貞操感のずれた女性ばかり最近会う。トシキはそう思っていた。

美琴達は、トシキにならあげてもいい、要するに好きになっていた。


「えぇー、トシキにならあげてもいいよね?」


美琴がみんなに聞く。

恥ずかしそうに皆頷く。


何だ、この状況…

1週間耐えたら、今度はこれですか?勘弁してよ、理性が崩れる…


「いや、オレは帰ります。」


理性がおかしくなる前に帰ろうと、手をあげ挨拶し部屋から出ていこうとする。翠達が抱きついているのを忘れて。


「えぇー、帰っちゃうの?」

「おにー!泊まってって!」

「トシキにーさん、待って!」

「にぃに!」

「トシキ待って!」

「おにーちゃん、待ってよー!」


と、部屋から出たトシキを止めようと必死にしがみつく翠達。


「ちょっ、また来るから!」


帰ることに集中していてやっと気づく。


「ちゃんと会いに来るから!こら!どさくさにまぎれて、そんなとこ触っちゃいけません!!」


トシキが翠達を離そうとする。

どさくさに紛れて、トシキのものを触ったのは、翠でわざと触れたのに、恥ずかしくて顔を下に向ける。

幸いにも、トシキはそれに気づいていない。


「良いでしょ?今日ぐらい。せめて晩ごはんだけでも食べてってよ!」


部屋から美琴と凛が出てきて、トシキの腕を引っ張る。


「ちょっ!」


焦るトシキ。


そんな事をしていたら、隣の神楽の部屋のドアが開く。


「…」


「…あ」


出てきたのは霊紗だった。トシキの方を見て驚き、そして抱きついている翠達を見て静かにドアを閉めた。


トシキの全身に冷や汗が流れる。


「…今の人知り合い?」


美琴が首を傾げる。トシキの腕を握る力が強くなる。


「知り合い。とっても」


トシキが苦笑いする。

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