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彼の進む道  作者: けやき
20/63

切られた戦火

旧世界 スマトラ島


ヴァニタスに話を聞いた翌日、サキ達は悠里のねじれでスマトラ島に来ていた。

ねじれを使えば長距離の移動も楽に済むのである。


「大丈夫?悠里さん」


と、サキが悠里に聞く。


「…えぇ、大丈夫。休めば良くなるわ」


と、悠里。顔色がよくない。

長距離のねじれでの移動は、悠里にかなりの負担になる。それを承知で悠里はねじれを使ってくれた。


「…よいしょっと」


と、サキが無理矢理、悠里をおんぶした。


「わ…、おんぶしなくても歩けるわよ。」


と、恥ずかしそうに悠里。珍しく恥ずかしがり、耳まで赤くなっている。


「悠里さんも恥ずかしがるんだね。いっつも冷静だから印象なくて。」


と、笑いながらサキが歩き始めた。


「私にも羞恥心はあるわよ。」


と、不機嫌そうに言う悠里。

外面は不機嫌そうだが、内心ではサキのおんぶが何処か心地よかった。歩く揺れも最低限に抑えてくれる温かい、けど女の子の背中。


「…」


と、前を進むサキとおぶられた悠里を見て、霊紗が面白くない、と思う。


「なんなんじゃ〜…!悠里めー」


と、拳を震わせるカガリ。


「私もおんぶして欲しいな」


と、アイギス。


「…面白くないわ」


と、遂に言葉を漏らす霊紗。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

旧世界 組織対策本部(仮)


サキ達は、キャロルに言われた通り、組織対策本部を仮設したと教えられた場所に来た。


「ホントに仮設ね」


と、霊紗。目の前には大きなテントが立って、テントの入り口の前に看板で組織対策本部、と書いてある。


「…時間がないししょうがないよ。」


と、サキ。

急遽、建てられたため必要最低限の物になっている。


「お前達が上から報告のあった、数少ない戦力とやらか?ホントに女子供じゃないか。」


と、髭を立派に生やしたいかにも軍人という感じの男が、テントから出てきた。腰にはレイピア状の杖をぶら下げている。見ただけで気圧されそうな雰囲気を醸し出している。


「そうですが、あなたは?」


と、サキ。男の迫力を余り感じてないようだ。


「……私は、今回この戦いの指揮を執る、ガイ・シャロウ将軍だ。」


と、敬礼をした。


「わ」


「お前達がホントに戦力として役に立つかどうか見極めるため、我らと模擬戦をしてもらう。」


と、サキが自己紹介するのを遮り、手を叩いた。すると、テントの中から4人兵士がでてきた。


「旋風の雷と呼ばれて、ちやほやされたようだが、ここではそうはいかんのを教えてやる。」


と、レイピアを抜き、広い場所を指して、顎でサキ達に指示を出した。


「…何あれ。感じわる」


と、神楽が小さく言葉をこぼした。


「今回の戦いは、戦力が少ないから多いに越したことはないし、強いならなおさらだから、将軍の言うことは最もだよ。」


と、サキ。


「でも…」


と、神楽。


「なら、模擬戦で圧倒してやればいいんだよ。私はそうする。」


と、指された広い場所に向かってサキが歩き出した。


「…そうだね、そうする。」


と、神楽も頷き、サキの後を追いかけた。


「…ふむ、統率力もある。度胸もある。中々良いではないか。」


と、ガイが笑う。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

広い場所


サキ達と、ガイ達が向き合うように立っている。悠里は隅の方で座ってその様子を見ている。


「では、模擬戦をはじめる。ルールは相手に参ったと言わせるか、気絶させれば良し。」


と、ガイが説明を始めた。兵士4人が腕を回したり、手や足をぶらつかせ、軽く準備を始めた。


「でも、そっち4人しかいないよ。」


と、アイギス。


「オレが戦う。お前達の中で一番強いお前とな。」


と、ガイがサキを指差した。


「オ、私?」


と、サキが戸惑った。


「あぁ、お前は頭もよく回るらしいしな。」


と、ガイ。


「…」


と、頭をかくサキ。


「一対一でやる。じゃあ、四番隊隊長行け」


と、兵士の1人を指差した。頷き、その兵士は前に出た。


「私が行くわ。」


と、霊紗。いつも持っている魔符を手に持っていない。


2人が向き合った。


「ふむ、では始め!」


ガイが天高く手を上げた。


(魔符をこんなとこで使うわけにはいかないわ。隊長格を倒せなきゃ、私は組織の奴らに勝てない!トシキに追いつけない!!)


と、霊紗は一瞬で周りに光の球を出現させた。


「なっ!?」


と、四番隊隊長が驚いた。


「隙を作ったら終わりよ。」


と、霊紗が四番隊隊長の懐まで潜り込み、掌を隊長の胸に着いた。


「破!」


と、魔力を集中させ小さな爆発を起こした。

隊長はギリギリの所で後ろへ飛び、直撃を避けた。


「まだよ!」


と、霊紗は光の球を隊長に向かわせた。前よりも速度が速くなっている。


「くっ!」


と、隊長は障壁で何とか防ぐ。


「終わりね。」


と、霊紗。いつの間にか隊長の後ろに立っている。


「破動彈」


光の球の倍以上の大きさの球が、隊長へと高速で向かう。


「ぐはぁ!」


隊長に当たり、さっきの爆発より大きな爆発を起こした。

直撃した隊長は断末魔をあげ、完全にのびていた。


「そこまで。お前の勝ちだ。」


と、ガイ。


「当然」


と、霊紗はサキ達の方に戻ってきた。


「お疲れ」


と、サキが微笑みかけた。


「別に疲れてないわ。」


と、そっぽをむく霊紗。


「魔符を使わずに済んで良かったね。こんなとこで使ったらもったいないし。」


と、サキ。


「元から使うつもりもなかったわ。使わずに倒せなきゃ、これから生きていけないわ。」


と、その場に座った。


「そうだね。」


と、サキも頷く。


「次は三番隊隊長だ。そっちは?」


と、ガイ。


「次は私が。」


と、神楽。


「無理するなよ」


と、サキ。


「私だって、前より強くなってるんだよ。」


と、ムスッとした顔になる神楽。


「…そうだね、しっかり!」


と、微笑んで神楽を見送った。


2人が向き合った。


「では、始め!」


と、再びガイが手を高くあげた。


・・・・・・・・・・・・・・・


いつの間にか、模擬戦をしている場所に他の魔法使い達が集まって観戦していた。戦っているのが女の子ばかり、というのもあって男の人が多いが、女の人も少なくない。


「ふむ、なるほど。確かに生き残るだけの実力はある。」


と、ガイが自分の後ろでボロボロになっている隊長達を見て呆れながら言った。

4戦4敗。

神楽は、開始早々にウンディーネを召喚し、そのまま連携で勝利。カガリも得意の火の魔法のパワー押しで勝利。アイギスは、開始の合図の後、一瞬でみぞおち一発でKO。

隊長達を軽く圧倒した神楽達。

それに嬉しい様な、隊長達がこうもあっさり負けた事に呆れるガイ。


「…まぁいい、では我らも始めようか。」


と、ガイが前に出てきた。


「そうですね。」


と、サキも前に出る。

2人が向き合った。


「…」「…」


2人ともそのまま向き合ったままだった。


「…私が合図とってあげるわ」


と、霊紗が立ち上がった。


「うむ」


と、ガイ。今まで自分で合図を取っていたため、自分の時の合図を考えていなかった。


「じゃあ、始め!」


と、霊紗が高く手を上げた。


「!」


その瞬間、ガイの雰囲気が増し、威圧感がサキを襲う。

その威圧感を感じ取ったが、涼しい顔をするサキ。


(…はったりではないな。この者かなりの強者だ)


と、思うガイ。

威圧感を発する自分に対して、さらに上をいくようなオーラをサキは発していた。


と、サキが目の前から消えた。


「後ろぉ!」


と、レイピア状の杖を抜き、後ろを突いた。

それをサキは軽く避け、そのまま攻撃に出ようとした。


「甘い!」


と、レイピアを持ってない方の手でサキを殴り付けた。


「っ!!」


と、腕で防ぐサキ。かなり重い一撃で足元が沈む。軽い衝撃波が周りで見ている人達を襲う。


「はっ!」


と、サキがガイの腕に、円を描くように手を動かし捕まえた。


「!?」


と、ガイは捕まれたのに驚いた。距離を取るかと思っていたが、一瞬で腕を捕まれた。

その瞬間、ガイはサキの方に強く引っ張られ、バランスを崩した。


「ふっ!」


と、息をはきながら、バランスを崩した状態で倒れかかるガイの腹に肘を喰らわせた。


「ぬぐっ!」


と、呻くガイは、いつの間にかサキが手を離していたため、後ろに吹き飛んだ。


それに、おぉー!と、観客から歓声があがる。

将軍に一撃入れ、吹き飛ばす女の子に観客は驚いていた。


手を地面に着きバランスを取り、ガイは体勢を立て直した。


「…武術も習っているのか。中距離が得意の様だな。」


と、ガイは判断した。上からの報告では、魔法も多用すると聞いていた。今、武術も使えるとわかり、そう判断した。


「…」


と、サキが手に魔力を集中させ、逆刃の刀を出現させた。テリルを使っていた時の刀そっくりである。


「…魔法媒体は指輪か?にしても、あんな精細に武器を作り出せるのか?」


と、サキの右手薬指にはまっている指輪を見て、手に握られた刀を見た。

綺麗な刃をした刀で、切れ味が良さそうだが、逆刃である。


「模擬戦だから気を使っているのか?」


と、サキに聞いた。


「いいえ、私は人を殺さない主義なんで、模擬戦じゃなくても逆刃です。」


と、サキ。


「…ふ、その甘さが、命取りとなるのだ!小娘!!」


と、ガイがものすごい勢いでサキに突進してきた。


「…」


「!?」


サキは自分に向かってくる拳を、左手で受け流し、右手に持った刀を、背中を見せているガイに殴り付けた。


「ぐっ!」


と、受け流されたのに驚いているのもつかの間、ガイは地面に叩きつけられた。


それに、再び観客から、おぉー!と歓声があがる。


「正直言いましょうか。“今の”あなた程度の人なら何回も戦った事がありますよ。良いカモです。」


と、サキが刀を地面に突き刺した。


「…本気を出せと言ってるのか?」


と、ゆっくり起き上がるガイ。


「そう聞こえませんでした?本気を出さなきゃ、ただ一方的な試合になるだけですよ。」


と、微笑むサキ。


「ふっ、良いだろう!小娘が!後悔してもしらぬぞ!!」


と、言った瞬間ガイの周りの空気が変わり、魔力がはね上がった。


「…」


と、それにも動じないサキ。


「涼しい顔をいつまでしてられるか!見せてもらおうか!!」


と、ガイが目の前から消えた。


それに合わせてサキはクルリと体を回転させ、刀を振った。


「がっ!!」


と、ガイの顔面に刀が直撃し、そのまま顔をのけ反った状態で吹き飛び、地面を擦った。


遂に、観客は黙ってしまった。


「…」


サキが刀を払って、倒れたガイを見た。


「圧倒的じゃない、トシキのやつ…。エレメンタルブレードも使ってないし、魔法も全く使ってない。」


と、一方的な模擬戦を見て霊紗がいった。

完全に、サキがガイにダメージを与えるだけの模擬戦になっていた。


「…言ったでしょ。本気でって。なめてんですか?」


と、サキの声が何処か怒気を帯びている。


「…そうだな、すまない。完全に小娘と思って見くびっていた。」


と、ガイがまたゆっくり立ち上がった。一方的にダメージを受けているのに立ち上がる、中々タフである。


「ふうぅ」


と、息をはくガイ。鼻血を親指で拭き、レイピアを構えた。


「…」


サキは何も言わず、ガイの出方を伺うように様子を見た。


再び、ガイが突進してきた。


「はっ!」


と、ガイはサキをレイピアで突きに来た。

サキは真横からレイピアを刀で弾き、回し蹴りを繰り出した。

ガイは回し蹴りをしゃがんでかわした。


「!?」


と、サキは空振りしたのに驚いたが、直ぐに空振りした足を地面に着け、逆の足でガイの顎を蹴り上げた。


「ぐっ」


サキが、今度はその場で跳び一回転し、後ろ回し蹴りを繰り出した。

蹴りあげられたガイは、それに気づいたが、顎の一撃により、反応できず、腹に直撃した。


「ぐはっ!!」


と、ガイは吹き飛ぶ。


「なんてな。」


と、ガイがサキの後ろに現れた。

「!?」


と、驚くサキ。


「ふん!」


と、サキの腹を思いきり殴った。


「あぐっ!!」


と、ギリギリの物理障壁で威力を和らげたが、地面でワンバウンドして地面を擦るサキ。


「…デコイ、か」


と、サキは立ち上がり、口から垂れる血を拭く。

サキが吹き飛ばしたガイは、魔法で作り出した分身、デコイだった。


「…あの時か」


と、レイピアを弾いた後の事を思い出した。回し蹴りで一瞬、ガイに背中を見せていた。その時以外、デコイと変わる瞬間はなかったとサキは考えた。


「お前も本気を出せ。」


と、ガイがサキに言う。


「出したらすぐ終わりますよ?せめて5割です。」


と、サキ。その顔には、嘘や誇張は全く感じられない。


(今まで5割以下の力で戦ってたのか…、何て生意気な小娘だ)


と、苦笑いするガイ。


「じゃあ、行きますよ。Remplacement (換装)」


と、言った後、サキの左目が赤くなる。刀も大剣に変わる。


「…一体何者だ、お前は?」


と、ガイはサキに恐怖を感じた。

唾を飲み、喉をゴクンと鳴らした。

その瞬間、サキは目前に現れ大剣を振りかざしていた。


「くっ!」


と、さっきよりも微妙に遅くなってるのを感じとり、タイミングを合わせてレイピアをぶつけた。


「!」


大剣とレイピアがぶつかった瞬間、衝撃波が走り、サキとガイは吹き飛んだ。


地面を擦り何とか2人は止まった。2人は武器を構え、再び突撃した。


広場に金属音が響き渡る。


(これでまだ5割だというのか…)


と、ガイはサキと戦いながら思う。これ程の強さを持つものは、今旧世界にはいない。かなりの戦力となる事に確信し、嬉しいがこの強さに恐怖を感じた。


「…?」


と、サキが何故か距離を開けたのに疑問を感じた。

が、すぐサキはガイに突っ込んできた。


「…なっ!?」


と、ガイは驚いた。いつの間にか、大剣じゃなく、双剣を振っているサキ。


「ぐっ…く!」


と、攻撃回数が増え捌くのが厳しくなる。何とか捌きながら反撃のチャンスを伺う。


「はっ!」


と、サキが交差する様に斬りつけた。

両手を使ってレイピアで防いだ。

金属音を響かせた。サキは大振り過ぎて、隙ができた。


「そこっ!」


と、ガイは見逃さずにレイピアでサキを突きにいった。


「…なんてね」


と、サキが舌をベッと出して笑った。左目が黄色になっていた。


「よっ!」


サキが素早く双剣を下から上に交差するように振り抜いた。


「…つぅ!」


と、ガイはレイピアを弾かれた。そこにサキは双剣の片方をガイの首もとまでもっていった。


「チェックメイト」


と、サキがウィンクして笑う。


「…とんだ強さだな。お前らは」


と、ガイは苦笑いする。言葉ではそう言ったが、サキの強さは正直恐ろしかった。他のメンバーも上級魔法使いと同じぐらいだが、サキはずば抜けて強く、SS級はいっているんではないかとガイは思う。


「…完敗だ、お前達の実力認めよう。」


と、ガイがサキに手を伸ばし握手を求めた。


「ありがとうございます」


と、微笑みガイの手を握り握手した。

その瞬間に、模擬戦を見ていた観客から大きな歓声がわいた。


「…そう言えば、あそこにいる人達は魔法使いで良いんですよね?」


と、模擬戦をしていて人が次第に集まって来ているのに気づき、いつ聞こうかと思ってた事を聞いた。


「ん?あぁ、大丈夫だ。ここにいるのは全員魔法使いだ。一般人は、大噴火が来るといって避難させてある。」


と、ガイ。確かに、噴火が起こるかもしれないため、一般人は一応避難させておく事にした。魔法使いがバレる心配もなくなった。


「噴火…」


と、サキが遠くにあるのに近くに見える巨大火山を見た。


「あの火山を噴火させられたら、確かに人類が滅亡するかもしれんな。」


と、ガイ。


「…止めてみせますよ。」


と、意気込むサキ。


「…お前の本気は見せられないのか?」


と、力量差があるのはわかっているが、全力で戦おうとしないサキの本気をちょっと見たい気がした。

本気を出さない理由が気になった。


「見せられない訳じゃないんですが…」


と、言葉を濁すサキ。


「…やはり何かあるのか?」


と、ガイ。


「うぅん、まぁいいや。ちょっと離れててください。」


と、広場の人がいない方に移動するサキ。


「…」


と、深呼吸し、魔力を集中した。その瞬間、広場の周りにピリピリした空気が流れ始めた。


「な、何…?」


と、神楽が辺りをキョロキョロしだした。


「あれ」


と、霊紗がサキを指差した。


「何、あれ…」


と、サキを見て神楽が言った。

サキの体から黒い魔力が溢れ出している。その中に、細い雷や、風が混ざっている。


「闇の魔力…」


と、いつの間にか近くに来ていた悠里が言った。


「やっぱりそうなのね。」


と、ヴァニタスの闇の魔力を思い出した霊紗。ただ、ヴァニタスの闇の魔力は、サキのと違い荒々しく、ヴァニタスの気性を顕している様だった。

サキの場合、雷や風が混じってはいるが、柔らかく、緩やかに流れる様な感じである。


「あれが、あなた達の前に現れないようにしてた理由でもあるのよ。」


と、悠里。


「え?」


と、神楽。


「そうじゃ。トシキは闇の魔力を自分が持っていた事にかなり悩み、今でも気にしているはずじゃ。」


と、カガリ。思わずトシキと呼んでいる。


「じゃあ、何であんなこと…」


と、アイギスがサキの方を見た。


「いずれはバレるから早いうちに見せとこうと思ったんでしょ。アイツの考えそうなことだわ。」


と、霊紗。


「…」


と、トシキの事をわかってる風に言う霊紗に何処か苛つきを感じる神楽。


「そこはあの子に聞かなきゃわかんないけど、たぶん、そうでしょうね。めんどくさい事大嫌いだし。」


と、悠里。

皆がサキの方を見た。



「!うっ…!」


と、サキが胸を抑えた。胸に痛みが走る。

痛みに体を屈めた。

その瞬間、頭、肩、肘、背中、腰、膝、足に魔力が集中した。



「すーっ……はぁー」


と、深呼吸したサキ。

その後、闇の魔力は消えサキが姿勢を元に戻した。


(ちょっと魔力を出しすぎた…)


と、思い小さくため息をついた。


「…闇の魔力か。確かに巨大な力だが、お前の闇の魔力は何処か温かい気がした。」


と、ガイがサキに歩み寄りながら言う。


「何かリバウンドの様な物があるみたいだな。」


と、ガイがサキにしか聞こえないように小声で言った。


「いい。何も言うな。気づいた者は気づいたかもしれんが、お前の力の事は言わん。」


と、ガイ。


「ありがとうございます」


と、微笑むサキ。


「良し。では、今いるメンバーの中で隊長達とお前を入れて会議を行う。時間になったら呼びにいくからこの辺で休んでいろ。建物がないから地べただがな」


と、苦笑いするガイ。


「いいですよ、地べたでも。じゃあ、休んでます。」


と、一礼して微笑み霊紗達の方に歩いていくサキ。


「…若いのに闇に見いられてしまったか。その力を活かすも殺すもお前次第だぞ。サカイトシキ」


と、離れていく背中に言ってテントの方に向かうガイ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

広場の木陰


模擬戦が終わり、30分ぐらい木陰でサキ達は休んでいた。


「にしても、あんたが闇の魔力をねぇ…」


と、霊紗。


「ん?…あぁ、そうだね。自分でも驚いたよ。まさか、闇の魔力を使えるようになっちゃってるんだもん」


と、ぎこちなく笑うサキ。


「…何で皆に見せたの?」


と、神楽。


「いずれ使うだろうしね。だったら今使っちゃえ、ってね。あれこれ考えるのもめんどくさいし。」


と、今度は普通に笑うサキ。嘘は無いようで、霊紗が言った通りだった。


「…ふ〜ん」


と、霊紗の言う通りで何処かイラつく神楽。


「?」


と、そんな神楽を不思議そうにみるサキ。


「でも、サキのはヴァニタスみたいな魔力じゃなかったよ。何か温かい気がした。」


と、アイギス。


「…確かにそうじゃな。闇の魔力なのに、温かい初めて見る魔力じゃ。」


と、頷くカガリ。


「自分じゃわかんない。」


と、苦笑いするサキ。


「失礼します!」


と、会話を遮り男の声が聞こえた。皆が一斉に声の方を見た。茶色のローブを羽織った男の人が敬礼しながら立っていた。


「会議の準備ができましたので、呼びに参りました。」


と、言う男。


「あ、はい。今から行きます。」


と、サキが立ち上がった。


「…私も行くわ」


と、霊紗も立ち上がる。


「良いけど…」


と、チラッと男の方をサキが見た。


「構いませんよ。」


と、男が頷く。


「ありがとうございます、じゃあ、ちょっと行ってくるね」


と、神楽達に手を振りテントへ向かうサキ達。


「会議キライ」


と、アイギスが膨れっ面をする。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・組織対策本部(仮)


「失礼しまーす」


と、サキが言ってテントに入ってきた。何故か霊紗も一緒だったが、ガイは気にせず、そこに座れ、と空席2つを指差した。

予め、席を1つ余分に用意して正解だった。


「…よし。全員揃ったな。では、会議を始める。」


と、ガイ。


「今回、我々は少ない戦力で巨大な組織と戦う事になった。」


と、言うガイに頷く面々。


「まだ、増援は来るがそれでも少ないだろう。敵の戦力を載せたデータを皆に配る。」


と、ガイが兵士にデータを全員に配らせた。

そのデータには、敵の戦力と、魔戦車が載っていた。


「何処かの命知らずが100人斬りをしてくれたおかげで兵数は減ったが、我らよりもやはり多く、強力な兵器を持っている。」


と、ガイがサキをチラッとみた後に、兵数と魔戦車を指差した。


「兵数およそ500、魔戦車およそ50…か。こっちは、今の時点でおよそ200。不利ですね」


と、資料を見ながらサキが言った。



「うむ、増援込みで350。まだ数に差があるし、何より魔戦車という兵器だ。話では、魔法が使えるようになった戦車だと聞いたぞ。」


と、ガイがサキを見た。


「えぇ、その通りです。前に戦ったヤツは実弾と魔法彈を用いてきました。」


と、サキ。


「魔法彈とは何ですか?」


と、隊長の一人が聞く。


「魔法彈は、弾に魔力を込めた球で、各系統の魔法が使えるんです。魔力を込めた弾だから使用者は魔力を消費しないで、魔法が使えるわけです。」


と、サキ。


「魔力を使わずに魔法が使えるなんて、ヤバイじゃないですか!!」


と、慌てる隊長。


「ただ、使える魔法は限られてます。中級以上は使えないし、魔法彈の生産数がそんなに多くはないですから、弾切れしますよ。」


と、サキ。


「当たらなければいいってわけか。」


と、隊長。


「見極めが難しいですよ。発射された時点ではただの弾ですから。弾がなにかに当たった時に発動だから、見ただけじゃ全然わかんない。」


と、サキ。


「…他にも何か魔戦車にあるのか?」


と、ガイ。


「対物理、魔法障壁。これは両方展開はできないので、展開してない方でやらないと防がれます。」


と、サキ。


「障壁を通れば破壊可能か?」


と、ガイ。


「前よりも強固な装甲に変えてくるはぜだから、同じ箇所に攻撃を集中させるか、搭乗席を狙うのが一番だと思います。」


と、サキ。


「ふむ…。その戦車だけでもかなり苦しいな。」


と、苦い顔をするガイ。


「向こうには、幹部+上級魔法使いばかりですから、かなり苦しいですよ。」


と、サキ。


「…さて、どうしたものか」


と、ガイ。スマトラ島に来るのはわかっているのだが、スマトラ島の何処に来るかはわからず、陣形も建てにくい。


「…まだ組織には兵器がありますよ。ここにデータはないですが。」


と、サキ。


「…何だ?」


と、ガイ。


「方舟、です。」


「!」 「??」


サキの言葉にガイは驚いたが、隊長達は何かわからずキョトンとしている。


「ふむ…厄介だな」


と、ガイ。


「方舟が何かわかってるんですか?」


と、何か知っている様な素振りのガイにサキが聞く。


「…大したことではない。過去に、多くの人々を救った舟だという事は知っている。」


と、ガイ。


「えぇ、人々を救った舟ですよ。今回も人を救いますよ。」


と、サキ。


「どう言うことだ?」


と、ガイ。


「組織の連中は助かります。」


「!」


と、サキの言葉にガイは納得した。確かにふたたび人を助ける。


「なるほどな、組織の人間は救われ、我々は死ぬ訳か。」


と、ガイ。


「方舟を破壊するか、落とさないと火山も噴火してしまいます。」


と、サキ。


「厳しいな…」


と、ガイ。

会議室に沈黙が流れた。


「それは置いといて、次の話をするぞ。」


と、ガイが次の話に切り替えようとした。それに皆頷く。


「次は陣形だ。」


と、ホワイトボードを兵士達に持ってこさせた。


それにガイが黒色のペンで何やら書き始めた。


「1番隊と2番隊で左翼と右翼。その後ろに6番隊と7番隊。」


と、ホワイトボードに数字を書いていく。


「3、4、5番隊は中央で、左右から崩した所に突撃。8、9番隊は遊撃。」


と、記していくガイ。


「私たちは?」


と、サキ。


「お前達も遊撃手として動け。」


と、ガイ。

それに頷くサキ。


「遊撃手ってどうすりゃいいのよ。」


と、霊紗。


「その場の状況に合わせて動けばいいよ。」


と、サキ。


「…何それ、適当すぎるでしょ」


と、呆れ顔の霊紗。

アハハ、と苦笑いするサキ。


「今はこんなものだな。作戦は考えておくが、完全に後手に回る。敵が何処から攻めてくるかわからんからな。」


と、ガイ。

皆が頷く。


「では、解散だ。」


と、立ち上がるガイ。

隊長達が次々とテントから出ていく。サキ達も出ようとした。


「お前達はちょっと待て。」


と、ガイに呼び止められた。


「何ですか?」


と、サキ。


「聞きたいことがある。お前の考えは参考になるらしいからな。」


と、ガイ。


「…いいですけど、何ですか?」


と、サキ。


「攻めてくるのが海からだったらどう作戦をたてる?」


と、ガイ。


「…ねじれを使って、魔戦車や兵士を送り込みながら、方舟や魔法で攻撃をしてきそうだから、兵士を一ヶ所に集めず散らばらせ、攻めてくる兵士を撃退、がいいかなぁ、と。1人にはせず、最低2人一組で。」


と、サキ。


「ふむ…。」


「……まぁよい。行っていいぞ」


とガイ。


「じゃあ、失礼します。」


と、2人は頭を下げ出ていった。


「戦争に出たことがないし、攻めてくる方向もわからんからしょうがないと言えば、しょうがないか。」


と、ホワイトボードを見つめるガイ。その作戦は、既に自分で思い付いていた。


「…明日期待させてもらおうか」


と、テントの出口を見た。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

広場の木陰


会議が終わり、サキ達が戻ってきた。

2人は会議の内容を皆に知らせた。


「ふ〜ん。臨機応変に行動すればいいのね。」


と、神楽。


「うん、他の人たちが溢した兵士たちを叩くのが役目、と思ってもいいと思うよ。」


と、サキ。

位置的には後ろの将軍周りで、1番隊等の人達が前にでる為、基本的に後ろの方で待機である。


「まぁ、安全といえば安全ね。」


と、悠里。敵が来なければ確かに安全だが、兵数的に無理である。組織の兵数はこちらの2倍である。


「私はサキの言うことしか聞かぬ!!」


と、カガリ。


「…ちょ!」


と、カガリの発言に戸惑うサキ。


「じゃあ、私も〜!」


と、アイギスが悪のりし始めた。


「え?ちょまっ!」


と、サキがあたふたし始めた。


「…じゃあ、あんたが私たちを指揮しなさいよ。0番隊隊長さん。」


と、いたずらっぽく笑う霊紗。


「いいんじゃない?臨機応変に行動するんなら、サキにどうしろ、とか言われた方が解りやすい。」


と、神楽。何故か賛同の意見ばかりでる。


「…指揮なんてとったこと無いからどうなっても知らないよ?」


と、サキが諦めたのか、ため息をついた。


「サキならできる。自分を信じよ!」


と、カガリがサキの肩を軽く叩く。


「…じゃあ、皆の命私が預かった!!」


と、意気込み手を前にだすサキ。

皆が頷き、サキの手の上に手を重ねていく。


「絶対勝とう!」


と、サキ。

気合いはバッチリである。


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洞窟内に広がるただっ広い場所に、巨大な舟とかなりの人数が集まっていた。そこへ、壁に空いた穴から光が差し込んで、暗い洞窟を少し明るくしている。

夜になると、暗い洞窟がかなり暗くなり、明かりがないと動けない程である。


「諸君、我らの計画を明日次の段階へと進める。」


と、洞窟内に声が響く。


「我らの敵、旧世界人を排除する時が来た!」


と、言った途端、おぉー!とそこかしこから歓声が上がる。


「目標地点はスマトラ島、トバ火山だ。皆、我らが舟に乗れ!」


と、マゼランが兵達に言った。

兵達は歓声をあげ、次々と舟に乗り込んでいく。



旧世界襲撃まで残り時間わずか。


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旧世界 トバ火山付近


いよいよ、“世界を再生する者達”が来ると、ヴァニタスに教えられた日が来た。


サキ達は、広場に集まり戦闘の準備を整えていた。後は、援軍が着けば、準備は万端である。


「…」


サキは青く広がる空を見上げた。これから、この空が火山の灰や岩で覆われるなんて想像できなかった。

この世界が滅ぶなんて、普通に暮らしてたら絶対わからないだろう。

だが、此所に集まっている人々は皆、世界が滅ぶのを防ぐためいる。自分等が失敗すれば、この世界が終わるのである。

そのプレッシャーに襲われる者は少なくはなく、ビビリ気味の者もいる。


「…滅ばせない!絶対に!!」


と、言葉に出し、拳を握るサキ。


「そうね、私も同じだわ。」


と、後ろから声をかけられた。


「霊紗…」


と、後ろを振り向くと霊紗が立っていた。


「…思ったより平気そうね。あんたは」


と、霊紗。


「平気じゃないよ。ほら、手震えてるっしょ?」


と、震える手を見せて苦笑いするサキ。


「さっきのも自分に言い聞かせる様なもんだし。」


と、サキ。

霊紗がサキの近くに来て、手を握った。


「な、何?」


と、慌てて手を離そうとするサキだが、霊紗は強く握り離そうとしない。


「落ち着かない?」


と、霊紗が微笑む。その笑顔をみて、サキが抵抗をやめた。


「…落ち着く」


と、サキも微笑む。何故か、手を握られ、プレッシャーで震えていたのがおさまった。それどころか、何とかなる気がしてきたのに、サキは驚いた。


「こうすると落ち着くって、お母さんに教えてもらった。私があんたみたいに震えてた時にやってもらったの。」


と、霊紗。


「…そっか。」


と、ふと霊紗の手が微妙に震えてるのに気づく。握ってもらってるのに、自分はちゃんと握り返してなかった。


(自分もビビってるのに、無理しちゃって…)


と、サキが霊紗の手をギュッと握る。


「…!」


と、霊紗の体がビクッとした。


「ごめんな」


と、それだけ言って霊紗に微笑む。


「……別に」


と、そっぽを向いた。顔が赤くなってるのを気づかれまいと顔を背けた。


(ちゃんと気づくときは気づくのね)


と、内心喜ぶ霊紗。


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「ごめん、もう大丈夫。ありがとう。」


と、霊紗に微笑み手を離した。


「…ったく、長いわよ。手が疲れたわ。」


と、ツンツンする霊紗。

言葉ではそう言ったが、手を離すのが少し惜しかった。


「ありがとう」


と、改めてお礼を言うサキ。


「別にいいわ、私のマスターがビビってるのをほっとけないしね。」


と、いたずらっぽく笑う霊紗。

サキはふと気づいた。霊紗がいつの間にか、こんなに笑うようになっていたことに。こんなに近くにいつもいてくれることに。霊紗の存在が大きくなっていた。だが、この感情が何なのか、まだよくわかってなかった。


「霊紗。絶対に守るから。」


と、それだけ言って陣形の方に向かって歩き出した。この感情がわからないけど、そう言わなきゃいけない気がした。


「…あんたに守られなきゃならないほど弱くはないわよ。」


と、しかめっ面をしてサキの後を追った。でも、内心そう言ってくれた事が嬉しかった。


2人並んで、陣形へと戻っていく。


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広場


いつ襲撃されても対応できるよう陣形を組み、火山の方と海の方を前と後ろの隊で見張っていた。

もう昼である。


「…ほんとにくるのか?」


「さぁ?敵の情報だしな…」


と、兵士からそんな声が聞こえ始めた。だらけ始める兵士も出てきている。


「…」


そんな中、サキはただ海の方を見つめていた。何となくだけど、こっちから来る気がした。

海からなら、船として発見され報告が遅れるかもしれないんじゃないかと思っていた。空を飛ぶよりも発見される確率が低い。


「…この周辺に船を航海させてないですよね?」


と、サキが自分の後ろに位置するガイに聞いた。


「あぁ、危険だからこの付近は航海禁止にしている。だから、この辺の海を航海する船はいないはずだ。」


と、ガイ。

サキが一番後ろに位置するガイを抜いて、海の方を見つめた。


「…望遠鏡あります?」


と、ガイに聞いた。


「あるぞ、ほれ。」


と、サキに望遠鏡を出すガイ。

お礼を言って、望遠鏡を覗き込んだ。


「…」


と、何も言わず海の方を見つめるサキ。


「何か見えるのか?」


と、ガイ。


「いえ、ただ海の方から吹く風が微妙に変わった気がするんです。」


と、サキ。そんな違い、ガイにはさっぱりわからない。潮の臭いを運ぶ弱い風しか感じない。


「!」


と、サキが何かに反応した。


「何だ、どうした?」


と、ガイ。


「来た!」


と、サキが望遠鏡をガイに渡して海の方を指差した。

指された方向を望遠鏡で覗き込むガイ。


「ん?船か?…速いな」


と、水しぶきを上げながらすごい勢いでこちらへ向かってくる船が一隻見えた。


「…あれか!」


と、ガイ。警報をだし、この付近を進む船はいないはず。なのに、一隻すごい速さで向かってくる。考えられるのは、“世界を再生する者達”の船だけだった。


「敵が来るぞ!海の方に陣形を建て直す!急げ!!」


と、ガイが号令を出す。

だらけていた兵達も、ちゃんと見張ってた兵達も、慌てて海の方に陣形を建て直し始めた。


その間にも、舟はドンドン近づき、姿が大きくなっていく。


「…」


と、サキは舟を凝視していた。何か普通の船と違う気がする。

ふと、廃棄されたアジトの格納庫を思い出した。


「あの舟、かなり大きい!」


と、サキ。


「大きいったって限度があ…」


と、ガイが言葉を途中で止めた。というか、出せなかった。

まだ離れているのに、何故か普通の船と同じぐらいの大きさなのである。


「攻撃きます!」


と、舟の砲台に魔力が溜まっていくのに気づいたサキが叫ぶ。


「1、2番隊、障壁を展開しろ!」


と、ガイ。


その瞬間、舟から巨大なビームのような攻撃が向かって来た。


ギリギリ障壁が間に合い、障壁にぶつかり、爆発を起こした。


土煙がまきあがる。


「くっ…!」


と、土煙に目をつむった。


風が吹き、土煙がなくなっていく。


「何なんだ、この舟は…」


と、ガイが目の前に現れた舟を見て、言葉を溢す。

砂浜に乗り上げている巨大な舟。


「これが、方舟…!」


サキが方舟を睨み付けた。

こんにちわ。

今回はバトルが前半、話が後半という流れにしました。次からはバトルばかりです。

この小説も少しずつ人気が出てきました。作者は正直かなり喜んでます。

もっと精進していきますので、これからもよろしくお願いします。

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