休息Ⅲ
魔法世界 ハメット周辺の洞窟
洞窟の中の工房の様な部屋に3人の人影があった。工房は荒れ果て、工作用の机はひっくり返ったり真っ二つに割れていたりしている。イスも所々に散乱している。
「…やっぱりここは完全に廃棄されたみたいだね。」
と、サキ。
机を触り、手についた埃を払った。
「と言うことは、サキに奇襲を駆けられてからすぐ廃棄したみたいね。」
と、サキが何かないか漁る度に出る埃を手で払う悠里。
「何じゃ、逃げ出したのか。奴らは。…というか、もっと優しく何か探さんか!」
と、適当に探すサキを叱るカガリ。
「あ、ごめん。埃が舞ってたか。」
と、埃が部屋中に舞っているのにやっと気づくサキ。
「全く…」
と、腕組をし部屋を見渡すカガリ。
サキが奇襲をかけたのは二ヶ月前で、それからすぐここは廃棄された。そのために人の手から離れ、埃等が積もりずっと放置されている。
「…必要な物だけ持ってどっかに行っちゃったみたいだね。」
と、探すのをやめたサキ。
「そうね、何も見つからないんだし、その可能性があるわ。」
と、悠里。
「何じゃ、無駄足だったのか?」
と、サキの横に行くカガリ。それを笑顔で迎えるサキ。
「みたいだね。“方舟”の情報が欲しかったんだけど、さっぱりだ。」
と、ため息をつくサキ。
「“方舟”?」
キョトンとするカガリ。
「そう。組織の最終兵器“方舟”。“魔戦車”も搭載できるらしいわ。」
と、悠里。
アイギスはあまり組織の仕事に熱心ではないため、方舟も魔戦車の事すら知らなかった。
「厄介だね。魔戦車まで搭載できるとなるとかなりの大きさになるよ。」
と、工房から出た3人。サキが壁を触りながら言った。工房から出た左側の廊下の奥の方は明かりもなく暗い。右側の方は入り口も近いため明かりが少し差し込んでくる。
暗さに思わず足が止まる3人。
「…明かり点けよっか。」
と、サキが壁に付いている燭台を外し、蝋燭に魔法で火をつけた。
そのおかげで、3人の周りは少しだけ明るくなった。
燭台を持つサキを先頭に廊下を歩き始める。
「せめて“方舟”の製造所が見つかれば…」
と、サキ。方舟の大きさはわからないが、魔戦車が搭載できるためかなりでかい。そのため製造所もかなり広い所となる。
「…ここではないか?」
と、カガリがでかい頑丈な扉を指差した。
サキと悠里が顔を見合わせ、サキが扉の前に立った。
「開けるよ。」
そう言って、扉に手を添え力をいれた。
低い音をたて、ゆっくりと扉が開いていく。
「…ビンゴみたいね。」
と、部屋の中に入って悠里が周りを見回した。
かなりの広さがある。軽く東京ドーム程はある。地面をくりぬいたのか、下に降りる階段が入ってすぐ右側にある。正面には腰の位置にフェンスが建っている。どうやら、ここから下を見下ろすこともできるようになっている。
「私は下に行ってくる。」
と、カガリが階段を降りていった。
「わかった、何かあったら呼んで。」
と、サキ。それに答えて、手だけ振って階段を降りていった。
「じゃあ、あそこから探しましょうか。」
と、悠里が工房にもあった机を指差した。
「そだね、何かあるかも。」
と、頷き机に向かって歩いて行った。歩いている最中に埃が舞っているのを感じた。
「…大した資料がないね。」
と、机の上に散らばったA5程の紙を見ながらサキが言った。手に取った紙には何かの作り方が書いてある。
「…合成獣?」
紙の上部に合成獣と書いてある。
「ライオンと山羊と蠍?…キマイラの事なのかな」
と、サキ。
頭がライオン、体が山羊、尾が蠍という、伝承の中の生き物である。
「キマイラ…、まさか人が侵してはならない領域にまで手を出したと言うの?」
と、珍しく焦る素振りを見せる悠里。
「…でも失敗したって書いてあるよ。」
と、紙に記された文字と大きくつけられたペケ印を悠里に見せた。
「失敗したからって許される物ではないわ。命を弄んでただでは済まされないわ。」
と、冷たく言い放つ悠里。
「…!何か来る!?」
と、サキが廊下の方から一定のリズムで音がするのを聞いた。だんだん格納庫の方に音が近づいてくる。
悠里の前に立ち、エレメンタルブレードを構えた。
「あれは…?」
と、格納庫の扉の隙間から入ってきた物を見たサキが言った。
「キマイラね、失敗作の。」
と、悠里。
ライオンの頭、山羊の体、蠍の尾をした生物。悠里の言った通り、体が所々腐り骨が見えている。
「罪もない生物を人間の勝手で弄ぶなんて…!」
と、サキの魔力が昂る。
遠吠えをあげ、サキの方に向かって走り出した。
サキもキマイラに向かって行った。
「はあぁ!」
と、キマイラの攻撃を体を捻ってかわし、エレメンタルブレードを振り抜いた。
「ガアゥ」
キマイラの横っ腹を裂き、怯んだ。
そこを突いて追い討ちをかけようとキマイラに近づいた。
「くっ!」
キマイラがサキの接近に気づき、口から火炎を吐いた。
当たる直前で横に跳び火炎をかわした。
そのまま片足で着地し、すぐキマイラに向かって跳んだ。
「はっ!」
と、キマイラの顎を蹴りあげた。
そこへサキは、蹴られて上半身が浮いたキマイラの腹に回し蹴りを繰り出した。
キマイラは横に吹っ飛び、地面でワンバウンドして地面を擦った。
「バーンストライク」
と、サキが炎の中級魔法を唱えた。
小さな炎を纏った隕石が9個キマイラに降り注いだ。
キマイラは次々降り注ぐ隕石に直撃し、体が炎上し始めた。
抵抗してもがくが、炎はどんどんキマイラを包んでいく。
「…お疲れ様」
と、完全に燃えて灰になったキマイラを見てから悠里がサキに言った。
「…ん。」
と、何処かぎこちない笑みを浮かべるサキ。
「気にしちゃダメ、って言ってもあまり意味は無いんでしょうね。」
と、悠里が苦笑いした。
「ん…、ゴメン。」
と、悠里の苦笑いを見てサキが謝った。
サキは、人間の勝手で体を弄られ、望まない肉体にされたキマイラに対して哀れみ、組織の人間に怒りを感じていた。
「何じゃ!何かあったのか!?」
と、下に落ちないようにあるフェンスを飛び越えてカガリがきた。
「キマイラに襲われたんだけど、さっき撃退した。」
と、サキが短く言った。
「…怪我はしておらんようじゃな。」
と、サキの体を見た後、悠里の方を見た。
悠里は微笑んで頷いた。
「それより、何か見つけた?」
と、サキ。
「うむ。埃がかぶってない真新しい“場所”を見つけた。」
と、カガリ。
「埃をかぶってない“場所”?」
と、サキが首を傾げた。
「…考えるのはサキ達の専門じゃ。」
と、カガリが下を指差した。
「ん。」
と、サキが軽く頷いて階段を使わず、フェンスを飛び越えて下に降りた。
それに続いて、カガリがスッと降り、悠里がフワッとゆっくり降りてきた。
サキが床を見ながら歩いた。
「これは…」
と、サキが地面を触った。
確かに、カガリの言う通り埃をかぶってない場所があった。
「どうやら、ここにあったのは確かなようね。組織の最終兵器が。」
と、悠里。
「うん。しかもかなり巨大なね。」
と、サキが埃をかぶってない場所を見渡した。
埃がない場所は、軽くサキ達を遠く離れた所まである。
サキ達の近くは四角になっており離れた場所の方は尖った様な状態になっている。
分かりやすく言うと、船のような形になっているのである。かなり巨大な。
「こんな物を誰にも知られずに運ぶなんて、まず不可能だ。」
と、サキ。
サキの言う通り、魔法世界にはもちろん、旧世界でも巨大な船が目撃されたなんて情報はなかった。
「となると、残る可能性は1つ。」
と、悠里。
「うん、だろうね。」
と、サキも頷いた。
「何じゃ!二人だけで納得するでない!!」
と、カガリが怒る。
悠里に対して微妙に嫉妬もある。
「こんな大きな物を誰にもバレずに運ぶのは、さっきも言った通り不可能。かと言って、バラバラに分解して運んでも、不審な荷車とかが目撃されるはず。」
と、サキ。
「…でも、魔法世界、旧世界どちらにもそんな物が目撃されたなんて情報はない。」
と、悠里。
「ふむ…」
と、頷くカガリ。
「で、目撃されずに新しいアジトに運ぶ方法は1つしかない。」
と、サキ。
「ねじれか!」
と、カガリ。
「そう。ねじれを使って運んだんだ。それしか考えられない。」
と、サキ。
「でも、こんな大きい物をねじれで運べるのか?」
と、カガリ。
「…運べるようになったんだよ、ねじれで。」
と、サキ。
「そうか…」
と、カガリ。
「旧世界に戻ろう。“方舟”をねじれで移動できるようになっている組織は、旧世界を狙ってくるよ。」
と、サキが立ち上がった。
「…そうね。彼らの計画では旧世界が初めに狙われる。」
と、悠里。
「じゃあ、早く戻るぞ!」
と、カガリ。
サキが頷き悠里を見た。悠里も小さく頷いた。
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旧世界 サキと悠里の部屋
サキ達は魔法世界から戻ってきて、埃が着いた服を着替えていた。
組織の元アジトにいた時には、暗くて気づかなかったが、帰ってきたら服に埃がかなりついていた。
「埃なんて払うだけでいいのに…」
と、ぶつくさ文句を言うサキ。
ベランダで服の埃を払っている。
「…まだ旧世界を襲ってはこないのかな。」
と、青く広がる空を見上げた。
「何が襲ってこないって?」
と、隣の壁越しに声が聞こえてきた。
「わぁ!びっくりしたなぁ…」
と、急に聞こえてきた声に驚くサキ。
「…で、独り言の意味は?」
と、霊紗が壁の横から顔を出した。
「霊紗か…、そのまんまの意味だよ。」
と、霊紗を見て言うサキ。
「ふーん…。じゃあ、今まで何処行ってたの?朝、部屋に行ったら鍵掛かってたから。」
と、霊紗。
朝にサキの部屋へ行ったが、鍵が掛かっており、部屋に入れず、自分の部屋に帰った。特に用事はなかったが、何となく会いに行ったのである。
それで、ついさっき隣の部屋に物音がし、人の気配を感じてベランダに出たのである。
「何処って…、魔法世界だけど?」
と、服を払い終わりたたみ始めたサキ。
「魔法世界?……で、何かあったの?」
と、何か考えている様な難しい顔をしてから霊紗が聞いた。
「大した収穫はなかったけど、両世界に危機が迫ってるのは確実になったよ。」
と、服をたたみ終わったサキ。
「…どういうこと?」
と、霊紗。
「組織は、魔戦車の他にもキマイラの様な合成獣を造ってた。」
と、サキ。
「キマイラ…合成獣…」
と、単語だけ呟く霊紗。
「魔戦車と合成獣、魔法使い達。それだけを相手にしないといけない。ゲートが復旧してない、援軍なしの状態でね。」
と、サキ。
「こっちの魔法使い達を合わせても対処しきれないんじゃないの?」
と、霊紗。
今の時点で、旧世界にいる魔法使いの数は100前後。
組織の方は、魔戦車数台と、合成獣数頭、魔法使い500前後。
圧倒的に数で負けている。
「たぶんしんどいよ。それにまだ兵器を隠し持ってる。」
と、サキ。
「兵器を?」
と、霊紗。
「うん、“方舟”という巨大な舟を隠し持ってる。」
と、サキ。
「“方舟”って、殺戮の武装を大量に装備、搭載してる過去に大量に虐殺を行った、と噂されてる死の舟の…?」
と、霊紗。
方舟は一般的にただの噂として伝わっていた。
「…あたしら完全に不利じゃない!!」
と、霊紗が焦る。
「私らで何とかしなきゃてないよ。」
と、サキ。
「何とかって、どうするの?」
と、首を傾げる霊紗。
「…魔法使いは魔法使いにやらせて、魔戦車達は私たちであたる。魔戦車と合成獣はそんなに作れてないはずだから。」
と、サキ。
「でも魔法使いの数が圧倒的に少ないわよ。」
と、霊紗。
「1人で行動させずに、2、3人で1人を倒す。そうすれば少しは時間が稼げるはず。こっちにも強い人が何人かいるだろうし。」
と、サキ。
「…そうね。後は奴らがいつくるか、だけね。」
と、霊紗。
「うん、それがどうにもならないんだよね。あっちはねじれを使ってくるから、タイミングが全くわからない。」
と、苦い顔をするサキ。
「後手に回っちゃうのは確実みたいね…」
と、霊紗が小さくため息をついた。
「その前に何とかこっちの戦力を整えとかないと。」
と、サキ。
「じゃあ、キャロルに言って何とかしてもらうわ。私たちより、学園長みたいな人のが言うこと聞いてくれそうだし。」
と、肩をすくめる霊紗。
「じゃあ、そっちはよろしく。」
そう言って、霊紗に手を振り、じゃあ。と声をかけ中に行った。
霊紗も、ん。と手を振り見送った。
「…ま、何とかなるでしょ。あんたもいるしね。」
と、サキのいなくなったベランダを見てから、アーティファクトの指輪を見た。
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サキと悠里の部屋
埃っぽくて、3人は風呂に入っていた。
カガリ、悠里、サキの順番で、霊紗と話終わった後にちょうどサキの番が来た。
「私と入っても良かったのに。」
と、悠里がイタズラっぽくサキに笑いかけた。
「1人で良いって!」
と、サキが慌てて断る。
「入るなんて言ったら殺すぞ!サキ!!」
と、カガリがプルプルと体を震わせて言う。
「あ…あははは…」
と、苦笑いして風呂場へと逃げるサキ。
「はぁ〜、埃ぐらいで風呂に入らなくても…」
と、服を脱ぎながら文句を言うサキ。独り言が意外と多いサキ。
「ん…、またでかくなったか?」
と、下着の上から大きく育った2つの物を触った。
「…これ以上でかくなってもしょうがないんだけどなぁ。霊紗に分けたげたい。」
と、霊紗の貧相な胸を思い出した。
「っくしょん!」
と、くしゃみをする霊紗。
「風邪?」
と、心配そうな神楽。
「ん、だいじょぶ。」
と、お茶を飲む霊紗。
「うー…、きもちー!」
と、風呂に浸かって伸びをするサキ。
家賃がその町で一番高いだけあり、風呂場もしっかりしている。足を伸ばせる風呂に、シャワーも付き、広さも申し分ない。
「はぁ〜…、お風呂はいつ入ってもいいなぁ。」
と、風呂を満喫するサキ。そこまで長くはないが、一応髪が湯に浸からないように後ろでとめている。
「…」
ふと、天井を見上げ、何か考え始めた。
「圧倒的に不利なのは変わらない。やっぱあの時、方舟を見つけ出して、破壊しとくべきだったな…」
と、独り言を言うサキ。右の親指と人差し指を擦り合わせている。
「でも、あの時は無理だったか。ヴァニタスとシュバルツ、ノーマの3人は流石に厳しかったし。」
と、2ヶ月前の奇襲をかけたときのことを思い出した。
組織のアジトへと潜入したサキは、気配を消しつつ奥へと向かっていた。
そして、工房や資料室みたいな所を探していたら、組織の訓練所の様な場所に入ってしまい、しかも、ちょうど訓練中で速攻見つかり戦闘となった。
サキ1人に対して、相手は50人以上の手練れ。苦戦を強いられ、訓練所を出て、アジト全体で戦闘が行われ、逃げながら戦っていた。
それを追う連中の中に、ヴァニタスとシュバルツ、ノーマがいた。
「ふぅ…あれはなかなか厳しかったなぁ」
と、ヴァニタス達に苦戦を強いられたのを思い出して苦笑いした。
「…魔戦車と合成獣を倒して、魔法使いの方に対処しないと厳しいよなぁ…。」
と、足を組み、膝だけが水上にでたサキ。
「ってか、魔戦車とかを使ってくるのかすらわかんないし…」
と、ため息をつくサキ。
「…情報が足りない。」
と、またため息をついた。親指と人差し指を擦り合わせている。
と、風呂から出るサキ。
「…あっつ」
と、全身をタオルでしっかりふくサキ。空いた手でぱたぱた顔をあおいだ。
「あ、服を忘れた…」
と、着替えを入れるカゴに替えの下着だけがはいっている事に気づいた。
「…しょーがない、取りにいくか。」
銭湯で忘れた訳じゃないし、いいか。と、体を拭き下着を着けて、念のためタオルを巻いた。
「あ、洗濯機に服入れとかなきゃ。」
と、着ていた服を洗濯機に入れ、脱衣所から自分の部屋に向かった。
「あら?サキ出たの?…って、どうしたの?」
と、悠里がタオルを巻いた状態で出てきたサキを見て言った。
「着替えを忘れちゃったから」
と、答えて自分の部屋に向かい扉を開けた。。
「おわっ!?ノックぐらいせんか!!バカモノ!」
と、着替えの途中で下着のままのカガリが怒る。
「ご、ごめん!」
と、慌てて扉を閉めた。
「…くしゅっ!」
と、くしゃみをして自分の格好をよく見た。
「ってか、私も着替えたいんだけど!」
と、扉を叩くサキ。
「もうちょい待て!」
と、カガリ。
「私は今タオルだけなんだよ!寒い!!」
と、カガリに訴えた。
「…ありがとう、悠里さん。」
悠里が、膝掛けをサキにかけた。
サキのお礼に微笑み、机に戻ってお茶を飲み始めた。
そんな悠里を見て微笑んだ後に、自分の部屋の扉に向き直った。
「…待たせたの。」
と、部屋から、着替え終わったカガリが出てきた。
「いいよ、悠里さんが毛布掛けてくれたから。」
と、カガリに微笑み部屋に入っていった。
「悠里、サキは私のものじゃ!!」
と、カガリが悠里に人差し指を向けて言い放った。
「はいはい。」
と、呆れた様に悠里が言った。
「…何言ってんの、カガリ」
と、着替え終わりサキが部屋から呆れ顔で出てきた。
「私は事実を言ったまでじゃ。」
と、ふんぞりがえるカガリ。
「…まったく」
と、サキが悠里の正面に座った。カガリもサキの隣に座った。
「で、どうするの?向こうに大した情報はなかった。完全に手詰まりよ。」
と、悠里。
「アジトには、特に何も無かったし、組織の誰かが来たら聞いてみる?」
と、サキが苦笑する。
「…それも1つの手段ね。だけど、来ないかもしれないし、“方舟”でいきなり来るかもしれない。」
と、悠里。
「そうなんだよね…」
と、サキ。
「面倒じゃな。」
と、カガリ。
「…だね」
と、同意するサキ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔法世界 ???
「おい、メンバーはこれだけか?」
と、長方形の机を囲む1人が言った。
「えぇ、患部は全員集まりました。」
と、眼鏡をかけた男が言った。
机を囲むのは全員で5人。
「…どういう事だ、シュバルツ。3人はともかく他のメンバーがいない理由は知らないぞ。」
と、眼鏡をかけた男に聞いた。
「…私も知らないのです。何故他のメンバーがいないのか。」
と、シュバルツがいう。
「…まぁいい。進めるぞ」
と、マゼランがシュバルツを見て言う。
「では、率直に言います。我らの再生計画の段階を1つ進めます。」
と、シュバルツ。
「ってことは、旧世界へ?」
と、クロエ。
「えぇ、そうです。旧世界へ行きます。」
と、シュバルツ。
「決行はいつ?」
と、ノーマ。
「…3日後だ」
と、怪しく笑うマゼラン。
「ちょうど2日後に準備が終わります。そして準備が終わり次第いきます。」
と、シュバルツ。
「さぁ、我らの計画のため力を尽くそう!」
と、立ち上がり拳を握るマゼラン。
それをみて、幹部達も立ち上がった。
更新かなり遅れました。先週中にするつもりが、今ごろになってしまいました。
ポケモン買ったら、ポケモンやっちゃいますね。電車ではやらないけど。
関係ない話ですいません。
これからもよろしくお願いします。