計画
色々しんどいですが書いてますよー
「いや、すまぬ」
王城に呼び出された俺はレンに引きずられて王城へと到着した。勿論それを見た門番が血相変えて俺の救護をしたのはいい判断だ。マジで死ぬかと思った。江戸時代とかの市中引き回しの刑を体感した。
「門番の人にちゃんとお礼しておいてくださいよ? あの門番回復魔法使えるし、門番にしておくのが勿体無いですよ。まぁ聖属性魔法なんて滅多に使えるわけじゃないから隠してたんでしょうけど」
「そうか。有用な情報だな。それで、呼んだ理由だがな」
「大体想像ついてますよ。竜峰に建築する社についてですよね」
「ああ。場所は竜神が住まう火口の近くということだったな」
「ええ。理由は二つ。あの位置であるなら竜神の結界範囲内なので不遜な輩の侵入は不可。もう一つは、竜神の住処の管理という名誉を竜王国側に押し付けることができます。ただ、この国にも竜神信仰者はいますので、両国間でしっかりと使者を見極めて欲しいと思います」
王国は女神信仰ではあるは、それを強要したりはしていない。当然竜神信仰者の中にも王国へ移り住んだ者もいるので、その辺りの差別などはないようだと調べはついている。
「ただ、問題としては、使者を誰の派閥にも入っていない人間を選ぶべきですね」
「権力問題か。しかし、それは我々にも口出しできんな」
「そこですね。いっそのこと、もう一つ派閥でも作ってしまえばいいんです」
「まさかとは思うがな」
「聖女派閥です。ヒナは幸いなことにこの国への敵愾心は持ち合わせていません。将来的なことはなんとも言えないですが、現時点でという選考の仕方が適切かと」
「向こうも黙ってはいないだろう?」
「そうは言っても、密な連絡は俺とヒナにしかできません。万が一彼女を取り込もうと強硬手段に出るなら容赦はしませんよ」
同郷という可能性も捨てきれない以上は、俺は彼女を守りたいと思う。結果違かったとしても、俺は彼女の人間性を気に入っている。だから出来る限りのことはしたいと思う。
「では、ウィルフィードよ。勇者についての知らせというのもあるが」
「セリアに勝てないなら俺に勝つのは無理ですよ」
「であろうな。わかった。おおよそは貴様に任せるが、具体的にどうするか見立てがあるなら今教えろ」
「勇者に関しては、真正面からぶっ潰します。恐らく勇者なんて肩書をもらったが故にプライドは高い。そして周りの連中も勇者を囃し立てて、何も言えない。だったら、それは好都合ですね。自惚れを叩き潰す。師匠の大好きな手法に則ります。弟子なんで」
「おれは貴様が子供だとは思わぬが⋯⋯いっそ本当に王にでもなるか?」
「冗談キツイですよ。俺はスローライフをしたいんです。で、社ですが、そこはまぁ⋯⋯なんとかします。具体的にというか、ヒナの協力が必要不可欠ですので、彼女をしばらくこっちに滞在させたいんですが、可能ですかね?」
その提案自体は可能だが、竜王国側が認めるとは限らないというのは義父との相互認識だと理解した俺は次善策について話を進める。
社は基本的に管理は竜王国側へと任せるが、国境を越えるというのは竜王国側でも認識している事実であり、そこの入国税は取らない事が決定されている。それだけ聞けば竜王国側は何もリスクがなく、王国へと入国可能なだけに聞こえるが、国交での竜王国側へ求めることは、竜峰を正式に王国の土地だと認める事と、その裾野に広がる魔の森も王国の土地とする事の同意だ。二国間での共通認識があればなし崩しが可能であり、竜峰に囲まれ、魔の森を経て存在する王国というのはある意味では陸の孤島とも言える。竜峰を越えての交易は非常に厳しく、海路を使用するほかないが、この海路の警護を竜王国へとさせる。
勿論王国側も海軍は存在するのだが、竜王国は下級のドラゴンであるワイバーンを多く所有し、竜騎兵が存在する。それに海路の警護をさせるわけだ。補給などは王国側もするが、費用は竜王国側への毎月請求。両国同意のもとで行われるため誰も文句は言わない。文句を言うのであれば、社の計画は白紙にすると俺が宣言しているうえに、聖女であるヒナも認めていることだ。
「まぁ、社自体は、設計を生産ギルドの建築士にお願いして書いてもらうとして、細部は俺が決めます。発案者ですし、社にも自衛手段は必要なので、そこの技術は秘匿します」
「聖女を呼び出しできないが故にか?」
「ええ。ま、知ったところで理解できないと思いますけどね、彼女以外は」
「その技術は我々にも秘匿するのか?」
難しいところではある。正直公開しても良いのだが、悪用されると面倒だ。
「次善策ですが、正直難しいところです。社の防衛機構に関しては、任命された人間の血縁者のみで、その頭首のみに公開していきたいと考えます」
「技術の独占か⋯⋯。今は良くとも未来が、か」
「ええ。あーでも、うーん、竜神に加護を受けた人間以外には理解できない仕掛けが作れれば別ですけど」
「それには、その者に相応の地位が必要か⋯⋯」
「はい。ですので、こればっかりは王国側と竜王国側でどの一族の秘伝にするか慎重に協議してください」
「国王ではだめなのか?」
「ダメです。権力を集中させるのはいいですが、それだと政略結婚の道具になりますから。条件は自由恋愛です」
「非合理的だな」
「覚悟の問題ですよ。竜神に試練でも作ってもらいますよ。それこそ命をかけた試練を」
後にこれが採用されて、王国と竜王国で防人と呼ばれる重要職になるのはまた別の話。
さらに、愛する人の為に命を懸けた試練を受けるというロマンス溢れたお話になるのも別の話。
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