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タイトル番号間違えてたので訂正しました!
次の日、昨日帰ってきてから水につけてあったお米を乾燥させていたのを今朝はそれの水分を火の魔法と風の魔法を使って蒸発させ、地の魔法を使って粉砕した。
この米粉のために2人は昨日色々な魔法書を読みどの魔法系統が良いのか話し合い決めていたのでものの、十数分で出来上がった。
2人は米粉が出来上がったことに大喜びし何を作ろうかとインターネットで検索したときに現実を知った。
「「フライパンがない…」」
家にあるのは木で作ったお皿しかない。昨日読んだ中に結界のようなものがあったのでそれを水平にした状態で数十センチほど張り、下から火を魔法でつけてみたが、如何せん、結界で熱さが遮られているため熱さが感じられない。炎を青色までし強火にしてみたが結果は同じになった。
「米粉作った意味よ……」
「フライパン……いや鉄は何処にあるんだろう」
打ちひしがれた2人は考えることを放棄しそうになったか、蓮の「鉄」というキーワードである物が浮かんだ。
「「……小松菜!!!」」
「そうそう小松菜よ!」
「何で気が付かなかったのかな、さっ、小松菜を収穫しよう!」
満面の笑みになった2人は庭に向かおうとした。が、
「そうやね……ってか生えてたっけ?」
沈黙………
生えてません。
「あ、そうだ、よくある異世界転生で自分の魔力が変換されてその物質になるってよくあるから…そうだよね!ものは試しだね!」
「やろやろ!!」
庭に出た2人は家の端っこの方に行き蓮は適当に土を掴み錬金術を使ってフライパンを作ろうとした…が、何も起こらなかった。
そしてまた沈黙。
「………そう言えば無から何も作れないんだったな…」
「くっそ!マジナニコレ!!?ハードモードやろ!!?現代人にはイージーモードから初めてもらわな何も出来ひんねんけど!!!」
「……キャハハ…キモーイ!イージーモードが許されるのは小がっっつ!!!」
蓮の腹部に当たる時ちょっとくいっと手が上がる感じの鈴華からのストレートパンチが入った。地面に転がる蓮を鈴華は「あ゛?」ってドスのきいた声を発した。
「キモイ?は?何が?きいてる?なぁ?何がキモイ?」
5歳の女の子でとても可愛い顔をしているが、下げずんだ目は瞳孔が開き腕を組み、今にも蓮を足で踏み潰しそうな雰囲気を醸し出している。
「ゲホゲホ……ちょ、キャラ変わりすぎない、鈴華?ちょっ………あ、の、うん、自暴自棄しただけだよ!!誰もキモくない!すみませんでしたぁ!!!」
「は?……まぁええわ…ほなどうしよかな……あっ!鉄と言えばほら!血!!」
「え?」
驚きつつも上半身を起こした蓮に鈴華は続ける。
「ヘモグロビンやん!何で思いつかんかってんろ?そうやん超身近!!」
「待って!!誰の?」
「んー魔物?」
「………グロくないかな?」
「背に腹は代えられぬのだよ、お兄ちゃん」
そう言って、しゃがんだ鈴華は蓮の肩に手を置いて悟った顔をした。
「待って待って待って!!ほら、千里眼というか鑑定の能力を身に付けたらすぐに鉄を掘り当てられるし、粘土も見つかるし、植物も見つけやすい!ね?ちょっと、本を探しに行こう?」
早口言葉で捲し立てた蓮は、鈴華の手を引いて書庫に来て探してみた。すぐに捜し物の本を見つけたが今のレベルや状態では無理とのこと。
「つまり……天恵もしくは専門的な事を学び自分で極めて初めて授かると?」
「くっそないわぁぁ…あーそう言えばあの人ちゃっかり却下してたなぁ…ないわー…」
「と、言うことは……血を集めないと駄目なのかな…」
「「……」」
「お兄ちゃん!頑張ってね?」
両手を拝むように組んで胸に当て上目遣いで蓮にそう言った鈴鹿に蓮は「これは鈴華の案だからね?」っと笑みを深め鈴華の手を引いて外に連れ出した。いや、引きずり出した。
だが、鈴華は意地でも行かないと言い「乙女に血を集めさせるとか鬼畜か!!?」っと自分の発案なのにあまりにも横暴なことを言い全力で嫌がった。
蓮はどうしたものかと悩んだすえ、昨日討伐したゴブリンは、魔物同士の縄張りなどありもしかしたらあの場にゴブリンが居ないと知った魔物が現れてる可能性があるかもしれないと思案し、鈴華にその事をそのまま言うと拒否させる可能性があるので、ゴブリン達はもしかしたら食物を育ててるかもしれないと説得して前回討伐したところあたりまで行こうと誘い、鈴華はそれで手を打った。
そして2人はまた庭で果物をもぎ取り水で洗い流しそのまま食べながら箱庭の外を散策することにした。
散策を始め何十分経ったくらいだろうか、前回討伐したゴブリンが現れたその先に少しひらけたところに着き、ふと蓮が何かを見つけて歩いて行った。それを目で追いはするがその場に立って蓮の行動を見ることにした。
「あんな変な生き物なんて雑草食べてるんやろからうちらが食べる食べ物なんてないって、なぁ…早帰ろうよ」
「やっぱりそうだ…」
そう蓮が呟いて葉っぱを引っこ抜いた。
「やった!!」
そう蓮が大きく呟いたので、鈴華は何だろうかと思い蓮に近づきながら話し掛けた。
「何?何があったの?」
「ほら、これ!!」
そう言って見せてくれたのはサツマイモだった。それを見た鈴華は喜び2人はその辺り一帯のサツマイモを引き抜いた。
「あー…疲れた…」
「今秋の時期だから食べ物はあるかもと思ったんだよ。大当たりだね」
「流石蓮!もっと探してみようよ!サツマイモって確か日持ちするでしょ?もしかしたらカボチャとか栗とかあるかもしれないよ!?」
そうだね、っと蓮は言い2人はサツマイモを浮かして周辺を捜索し始めた。
数時間しそろそろお昼時だろうから帰ろうかと2人は考え今日の戦利品を見た。
「サツマイモに人参、ジャガイモに大根、そして玉葱……豊富すぎて嬉しいなぁ!!!」
「帰って保管方法考えないといけないね」
そう言って2人はほくほくして魔法で全て浮かせて歩き出した。楽しげに何の料理をしようか、と会話しているとき遠くからやってくる大きい音と共に何かが現れた。
「…………蓮さんや?あれは、あの、牛の…魔物の、テーテンシュティアに見えるんだけれど気のせいかなぁ?」
「……んー?そうだね、やっぱり縄張りとかあって……まぁ急にゴブリン居なくなったらそりゃぁー…現れるよね?」
蓮の目が少し泳いだのを見た鈴華は殴りかかりたい気持ちを抑え、視線はテーテンシュティアに注ぎつつ悪態をついた。
「わざとか!!?ここに来たのわざとなのか?これ目当てかよ!!くっそマジありえへん!」
冷や汗をかく2人は後ずさった。何かに隠れなければとも考えたが2tトラック程のサイズのテーテンシュティアの視線は2人を捕らえている。今隠れたとしても何の意味がない。
「じ、実はここの食料がお目当てとかかなぁ…?とりあえず食料置いて逃げよか…」
「いや、奴の狙いは私達だと思うよ?視線が合うでしょう」
そう会話している中と近寄ってくるテーテンシュティア。後ずさる2人は足が震えあまり下がれていない。段々と近づく距離感。
「魔力はまだまだあるから鈴華、とりあえず魔法を放つよ!!」
「え!?うん、そうやね!!じゃ、『Storm cut』」
雄叫びを上げるテーテンシュティアだがかすり傷が無数に出来ただけで、致命傷にはならなかった。が、傷をつけられたことに怒ったテーテンシュティアは走ってきた。
「次僕ね!!『fly!』」
そう蓮が魔法を放つと、テーテンシュティアはビル3階建ての高さ上空に飛ばされた。
「え?ちょ、ほな…、あ、ギロチンの刃先でえっと……『air blade』!!?」
そう叫んだ途端テーテンシュティア地面に落ちる瞬間の首がスパッと切れた。
「air bladeって……意味がちょっと…つか乗り物じゃん?」
「いやだってそれしか思いつかんくて…」
「しかも女子高生がギロチン…いや、5歳児がギロチンって……」
「もうええやん?倒せたんやし!」
「しかも、落ちるのは刃物じゃなくてテーテンシュティアのほうって言う……グロテスクな発想ですね?」
「もういいやん!ほらあれ食べれるで?血抜きして解体して食べよ!」
「逞しすぎる5歳児…」
その後2人はテーテンシュティアの切り落とした頭を焼き払い体を浮遊させ、下に結界を張り体から血を抜き取るイメージをし『抽出』と唱えると、テーテンシュティアの下にある結界に血だまりができ、そこからまたヘモグロビンに、含まれる鉄飲み抽出イメージをし『抽出』をした。鉄は鈴華の握りこぶし分の半分程度のサイズが抽出された。
また、そしてそれを浮かし次は毛皮をはぐイメージをしcutをかけていく。
それから部位によってカッとしていく。
「ところでさ塩がないよね塩が、臭み取れなくない?」
「塩と言えば岩塩か海かな?やっぱりさ・し・す・せ・その調味料が欲しいね?」
「あの人に願ったら出してもらえへんかな?」
「…………出してくれる思う?」
「………サトウキビと胡椒があるだけましと思えとか言いそう……」
そんな会話をしながら皮と肉の塊にカットされていくテーテンシュティア。ふと頭部を燃やした所を見るとそこに魔石がコロリと転がっていた。それを手に取った鈴華は日にかざした。
「なんやこれ?」
「あ、言い忘れてたけどそれ、前回の時にもあったんだよ、一応回収して家に置いてるから」
「え?今?遅い報告どうも…とりあえずこれも家に持って帰ろか」
それから2人は手に入れた物を浮かし家に帰っていった。
読んで下さりありがとうございます!!