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目指せチート人生  作者: 葉月
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3

 初級の魔術書にはまず、魔力とは何か、また体の何処から魔力を作り出すのか、属性とは、また魔素とは何か、魔素は何故発生しているのかなどが約半分に渡って詳細に書かれていた。魔法など無い世界から来た2人にとってはとても有難かった。


 まず魔力とは、全ての物に宿っている。動物の魔力は言わば血液のように全身巡っておりその魔力は心臓付近で生成される。その生成される属性を決めるのは遺伝子で決まる。呪文は使いたい魔法を具現したい補助を行うと共に起動するトリガーでもある。

 また魔素は空気中に含まれるものである。呼吸で体内に吸い込み魔力の一部となる。また魔法を使った後その魔力は一部魔素と変換される。

 動物が死にそれまでにあった魔力の生成させられる物が土に還り、それが降った雨水に吸収されそれが植物などに吸収される。そして植物から空気中に排出される。また落ち葉にも微力ながら魔力が残っておりそれも土に還り同じ道をたどる。


 いわば、酸素のような物…そう理解した。


 魔物とは…

 魔物は魔素がたくさん発生するところから発生する。動物などとは全く異なる物である。魔物は魔力に惹かれるため魔力を強くもつ物を襲うが、植物など微々たる物には反応しない。が、非常に弱い魔物はこれには当てはまらず植物の中でも魔力が強い物を好んで食べる。


 読み始めて数時間経過した頃、鈴華は体制を何度か変えて読んでいたがクッションも椅子も何もなく床に座るか寝転ぶかで体が段々痛くなってきた。


「蓮君や?まず錬金術を学んでも宜しいか?」


「ん?どうしたんだ?」


「……腰と背中と、と言うか全身まじで痛い…クッションとか何か欲しいわ」


 確かにと蓮は思い、頷き錬金術の本を読むことにしたようで本を探しに行った。その姿を見た鈴華は壁により掛かっていた体をずるずる床に滑らせ床に転がった。


「また読むんー?無理ーもうしんどい!!!」


「では、昼にしようか?少し小腹も空いてきたような気がするしね」


「やったぁー!ってかお皿ないしシンクはあれど水出す蛇口ないんよね…」


「まぁ、水は流せるようだしそこで魔法で水を出して洗って食べようか」


 鈴華は返事をし2人はリビングに出て魔法で水を出して果物を洗い食べ始めた。

 食べ終えたあと2人はリビングで向き合って座り話し合った。


「とりあえず果物から水分は取れるし、お腹は満たせるから良いけど明後日には飽きるだろうね…だから今日は食べるための料理器具を作ったりしようかと思うんだけどうかな?」


「ありだと思います!!後せめて椅子と机が欲しいなぁ?」


「それは良い素材があったらにしようか」


「うーん、わかった、じゃぁまず何したらいい?」


「君は何の魔法書を読んだのかな?因みに私は土と風と火の初級編だよ」


「うちも風と水やで?ってかいつの間に3冊も読んだの?」


「読むのはやい方なんだ、さてと、外に行こうか?早く行動しないとこの家電気も何もないから日が沈んだら何も出来ない」


 2人は外に出て、庭の中の風景はとても綺麗でこの景色にある木を切りたくないので少し外に出て歩いて行くことにした。

 庭から続く道を歩いて行くと少し広い通りに出た。舗装はされていないがたまに人は通るのか草は生えていない。

 流石に道の通りの木を切るのは行けない気がするので、道から少し離れた中の方で木を切り倒すことにした。


「このくらいの木で良いかな?見た感じ胡桃の木だしちょうどいいかな、向こうに竹もあるけどお皿は木が良いな…コップは竹でいいかなぁ…」


「え?何で胡桃の木だといいん?」


「………ウォールナット材って聞いたことあるかな?」


「ん?あるっちゃある…家具とか見たとき書いてた気がするけど…それが?」


「胡桃を英語で言うとウォールナットだよ。で、この木の実を砕いて油を出してそれを器にぬれはちょうど良いんだよね」


「そうなん?」


「たぶんね?気になって調べたことあったけど試したことないから詳しくは知らないんだよね」


「ってか油って事は揚げ物出来るんじゃない?」


「それが苦いらしい…」


「それはあかんな」


「そう言うことそれじゃぁ……“air cut“それから錬金はこうすれば良いのかな?」


 蓮はその木に向かって魔法を放つと木が一本カットされ木の一部はお皿の形になり、一部は角材になった。その後、錬金術で木になっていた胡桃でお皿にコーティングされ、また、角材は長椅子と一人用の椅子2脚や角テーブルの形になりまた胡桃でコーティングしていった。


「こんな物かな?」


「うっわぁー、すご!えー魔法すご!!」


「形の形成は錬金だから、錬金様々だね」


「で、これどうやって持って行くの?」


「あっ…」


 椅子2脚にテーブル一つ、その上に浅い皿から深めのお皿が多数…これを家に運ぶのは少し面倒くさいし大変である。


「“floating“これでどう?」


 そう鈴華が魔法をかけると作られたものが浮きあがり、手で運ばなくて良くなった。先程魔力は減ったはずだが食物を食べたのでそれで魔力が少し回復したようだ。


「お!ありがとう。とりあえず、家まで運んで貰っても良い?まだベッドとか欲しいからとりあえず木をカットして、その状態で私も運んでいくよ、後コップもね」


「了解なり~、じゃぁ先に戻ってるね?」


 そう言って鈴華は家まで運んでいった。

 家に入りリビングにテーブルを置き片側に長椅子を置き、反対に一人用の椅子を2脚置きテーブルの上にお皿を置いた。

 そこで食器棚が必要だと気が付き、外に出て蓮に伝えようと振り返るとちょうど蓮が手に竹のコップと蓮の前に角材と胡桃を浮かした状態で家に入ってきた。


「蓮!ベッドより食器棚が必要やで!食器出しっぱなしやと汚いし」


「あ、それもそうだね」


 そう言って蓮は先程と同じ要領で角材を魔法でカットし、錬金術で組み立てコーティングした。

 出来上がったのは足が長く高さは100センチほどで引き出し型の食器棚になった。それから、シンクの前に小さい台も作ってくれた。


「あ、これ助かる!このシンク高いんだよね」


「大人になったらちょうど良い高さになると思うから、そうしたんじゃないかな?」


 「かもねー」とか言いながら、鈴華は食器を棚に入れていった。蓮は残りの材料でベッドを作ってくると言って2階に上がっていったが、結局足りなくてまた走って胡桃の気をとりに行き、また戻ってきてベッドを作った。


 その後出来上がったと言われて鈴華が見に行くとそこにはシングルベッドなのだが、ちょっとお洒落なベッドがあった。これで布団があれば最高なのだ、作るために材料を見つけなければならない。

 そしてベッドの向かいの壁にシンプルな机と椅子が置かれていた。


「これも作ったん?」


「ベッドだけじゃ寂しいでしょう?だから作ってみたよ。いらなかった?」


「いや、ありがとう」


 蓮の部屋も同じような感じで、2人はまたリビングに降りていった。


読んで下さりありがとう御座いました

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