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投稿遅くなりすみません。
よろしくお願いします。
翌日、朝食にホットケーキもどきを作り食べた2人はホットケーキが非常に恋しくなってしまったのであった。また昼に何か作るのが面倒だと思い多めにホットケーキもどきを作り皿に置き、ラップがないので皿で蓋をした。
朝食後、冷蔵庫の氷を張り直し外に出た。天気が良いが少し肌寒く体を少しさすり出掛けることをやめようかと思ったが、こちらに来て四日目にして午前中は近辺を調査を打ち切るのは早い。それに閉じこもっていてもどうしようもない2人は昨日とは違う方向に出掛けることにした。
数十分歩き疲れてきた鈴鹿は蓮に質問した。
「蓮君、前回あっちに行ったけど街なかったからこっちに行ったらあるんだよね?」
「え?…あ、そうだね…街の近くにってお願いしたからきっとそうだね」
「でもさ、街のまの字もないのはどう言うことなんかな?そろそろ休憩したいねんけど…」
「近いって実は車の移動での考えだったりして?」
「……めっちゃありえるやん、あれの考えることやからありえる、いや絶対そうやで」
そう言って二人でため息をついた。たまに現れる魔物はスライムぐらい…歩く道は道と言うより木が分かれた道で草がくるぶしあたりまであるので…道なのかと聞かれたら自信はない。だが、家から出て途中まではちゃんとした草が生えていない土がむき出しになった道だったのだ。
段々と疲れてきた二人は何処かで休もうかと辺りを見回したとき、少し先で草の緑の中に灰色のような黒っぽい部分があり草が生えてなさそうだったので、「石!」っ思った二人は走ってその場まで行った。草の上より石の上の方が無視が来ても分かりやすいので2人は喜んだ。
「「……………」」
「(ちょっとこれ人だよ!?石ちゃうで!?石とかゆったん誰よ!?ほんま目悪いんちゃう)」
倒れていたのは男性のようで背中が上下に動いているので生きていることが確認された。
「(……君もでしょ!!…はぁ…どうしようか…)」
悩んだ蓮をよそに、そこら辺に落ちていた枝を取ってきた鈴鹿はその枝を使って倒れた人を突きだした。それを蓮は慌てた止めに入った。
「(ちょ!何やってんの!?馬鹿なの君は?普通つつく?悪い人だったらどうするの!!?)」
「(えー…だってここは王道的に…枝やない?)ニコリ」
「(何の王道だよ!!?何の!!?)」
「(えー…でもさ、このまほっといたら目覚め悪いやん?それに悪い奴でもうちら魔法使えるやん?いけるいける!)」
「(何を根拠にそんなこと言ってんの!!?ここ魔法使える所なんだから先住民が使えるのは当たり前でしょ!?それに、僕たちより使える可能性だってあるんだから!)」
「(あー…じゃぁ逃げる?)」
そう言って逃げるポーズをする鈴鹿に頭が痛くなる蓮。その時倒れていた人間から「…うっ…」っと聞こえ気が付いたのか手が少し動いた。
「(やばい!起きた!とりあえず浮いて逃げるよ!)」
二人は小さい声で魔法を唱え浮上しそれぞれ木の陰に隠れた。
「ん…あ…っとここは……?…あー…そうか…どうしようか」
起き上がった人をよく見るとまだ20代半ばぐらいの男性で服が汚れ所々擦り傷があった。
「(え、ちょっとイケメンちゃう?ほら見て!!)」
「(こら!顔を出さないの!)」
「ん?誰か居るのか?」
「「((!!……))」」
のろのろと立ち上がった男性は2人の方に向かって歩き出した。慌てて蓮は鈴鹿に上に逃げると合図を送ったが鈴鹿は気が付かず「なぁー」っと猫を真似た鳴き声を1つした。あちゃーっと額に手を当てる蓮をよそに、親指を立ててドヤ顔をする鈴鹿。
「…なんだ、犬か」
「猫やろ今の!!!」「わ、馬鹿!!!」
「子供か…何でこんな所に?それにその…」
男性は木に隠れている蓮と鈴鹿を発見し驚いた顔をした。
蓮は警戒し男性から少し離れつつも鈴鹿に近寄った。
「馬鹿なの本当君?馬鹿?救いようのない馬鹿なの?」
「馬鹿馬鹿言い過ぎ!ってゆうかメッチャ似てたやろ猫の鳴き声!?」
「あーもう、逃げるよ!」
焦った男性は「待ってくれ!」っと2人に声をかけたが2人は慌てて上昇し来た道と反対の進んでいた方に飛んだ。もし、来た道を戻って家を知られては危険だと蓮は考えたからだ。
「この辺で良いか…所で腕が痛いんだけど…離してくれない」
「いやいやいやいやちょっと待ってちょっと待って!!?あんなここ地上何階ぐらいの高さに居てると思ってんの!?怖すぎ!」
先程も飛んだではないかと言うと低空飛行と話が違うと切れられたのでそれもそうかと思い、そのまま先を見てみた。
「鈴鹿、あそこに大きい街がある!」
「えっどこ…え、メッチャ遠いやん!!!おかしいおかしい、ここから見て豚まんサイズとか笑うわ」
「何故豚まん……とにかく遠いと言うことがよく分かったね」
このままあそこまで行くのもどうかと思い来た道を少し迂回して飛ぼうかと話していると、バキバキっと者が壊れる音がした。
音がする方に近づいた2人は、木に隠れながら上空から見ると、そこには壊れた荷馬車からゴブリンが食べ物を漁り木箱を無理矢理開け壊した音だった。
「(ゴブリン3匹…やるよ?)」
「(ちょっとうちゴブリンは無理やわ…人間みたいな体やし…)」
「え?あれだけ惨いことができる鈴鹿が急に女の子らしいこと言うなんて明日は雨かな?」
「ちょ!ひど!!」
鈴鹿の大きい声に3匹のゴブリンは2人に気が付き臨戦状態に入ったようだ。
仕方がないと蓮はため息をつき、魔法で切り跡形もなく燃やした。
「…ああー、怖かったわぁ、ありがとう」
棒読みに聞こえるのは気のせいではないと蓮は思うが、無視をし馬車を見てみた。
「…もしかしたら、先程の男性の物かな?物が散乱して何とも言えないが、衣類を見る感じ男性で一人分のように思える。ま、背丈が同じなら2人は居るかも知れないが……」
「ふぅーん…、あ!蓮これ塩ちゃう?塩やでこれ!欲しい!!」
「勝手にとっては駄目だよ…だがこの馬車のままではこの荷物を捨て置くか、自分で担いで持って行くしかないだろうな……」
「そうなんだよ、もう俺の魔法鞄いっぱいなんだよなぁ…」
「「!!!」」
2人の背後にはいつの間にか先程出会った男性がいた。2人は慌てて距離を取った。
「そんなに慌てなくて良いよ?それよりゴブリン倒してくれたんだね?ありがとう」
男性は笑っているが、とても寒気がする笑いで非常に怖い。じりじりと近づく男性に蓮は鈴鹿を後ろに庇いながら後退していく。
「ねぇ、何で君達そんな真っ白なの?服だけじゃない髪も肌も…君達は何者?」
「答える筋合いはないと思いますが?」
「ふむ…確かにねそれじゃぁ、無理矢理聞き出すしかないね?“拘束“」
「ぐっ!」「うお!!」
男性が杖のような物を出し、何か模様を書いたように見えた後に魔法を紡ぎ、蓮と鈴鹿の2人は両腕がピッタリ体にくっつき、体から離そうとしても何かに縛られているのか動けなくなった。
「“解放“」
そう蓮がいうと拘束が解かれたようでそれを見た鈴鹿も「“解放“」と魔法を自分にかけ、解放された鈴鹿を見た蓮は、男性に魔法をかけた。
「え、あ、ちょっと待って!切り返し早くない?わっ…ぶへ…ッテテテ…あ、待って待って話し合おうじゃないか!!なぁ、待って、ペッ…いや、あのごめん!本当にごめん!!」
蓮と鈴鹿は男性に魔法をかけてさっと飛び立とうと、浮遊すると男性は「待って」っと声をかけながら走ってきたが石に躓き地面とキスをした。がへこたれず横にごろんとなって、額や鼻に口に土をつけながら必死に叫んでいる。
「今唾はいたやんな?謝る気ない感じしかしないんやけど?」
「鈴鹿ほっとこう。あれは芋虫だよ」
「え?待って本当に行かないで!ねぇ、唾を吐いたのは砂が口に…ちょっ、待ってよぉぉぉぉ…シクシク」
大の大人が丸まって泣き始めた、可哀想だと思った鈴鹿は男性の元に降りようと下降したところ、蓮に止められた。
「鈴鹿、あれは嘘泣きだよ?大の大人が女々しい。恥ずかしいとは思わないのかな?」
「いや、本当に泣いてました!「ほら、泣いてないよ?」いやあの、聞いて下さい!「ほんまやなぁ、騙されたわ」騙されてない騙されてない、本当に泣きました!!」
そのまた高く浮遊していく子供達の2人においおいと泣く二十代男性…
「……塩、全部あげるから助けて「「よしきた!」」下さ……え?」
ふぇ、っと呆けた顔で上を見ると子供達2人は男性の横に降り、魔法を解きニコニコ笑っていた。
「いやぁー、塩をただでくれるなんてうれしいなぁ、太っ腹やなお兄さん!よ、男前!」
「そりゃそうだよ、だって僕達ゴブリン倒して上げたのにお金取るわけないよ。ね?」
顔が引きつる男性。姿形は子供だがこんな生意気な子供など初めて会ったのだろう。しかも生意気と言うだけでなく魔法も成人した男性よりうまく使いこなしている。
「き、君達は…擬態しているのかな?本当の姿を見せてくれないかな?」
「何ゆってんの?地面と初キスして頭のネジ飛んでった?大丈夫?」
「こら、大人にそんな口聞いちゃ駄目だよ?僕達はまだまだ魔法は(使い始めたばかりで)未熟だよ?擬態なんかしてないよ?僕は7歳で、こっちは5歳だよ?それより大丈夫?」
(僕より魔法が上でこんな口聞く7歳や5歳がいてたまるかぁ!)っと心の中で男性は顔を引きつらせながら何とか立ち上がった。
「ほな、塩全部貰ってくで?」
「ああ」っと答える前に鈴鹿はいそいそと馬車の中を漁り始めた。塩は全部で30キロを超えるぐらいあったが全て浮かべまた男性の元に戻ってきた。
「なんやっけ…魔法鞄?それにも塩入ってない?」
「君達はその年で山賊なのかい?」
「ちゃうよ!塩全部くれるって言ったやん!」
男性は確かに言ったが子供の力で持てるのか?っと考えたが目の前で浮いている塩を見て杞憂だったと気が付き、鞄から塩を取りだした。それを受け取った鈴鹿は喜び「これで、料理の幅が!!タン塩もどき作れるでぇ!」っと叫んだが、男性は頭を傾げた。
「えっと、今更ながらだけど私はヒューゴ・ヘンドラーだ。君達の名を教えてもらえるかな?」
「私の名は連です」
「う…私はリンリンで~す☆」
そう言って鈴鹿はウィンクをして頭を傾げて可愛くポーズをして見せた。蓮は胡散臭そうな顔をして鈴鹿を見、ヒューゴは「蓮君にリンリンちゃんだね」っと普通に声をかけ笑った。
「リンリン…キモイ、本当に気持ち悪い」
「……知ってるーーー!!!ちょっとした冗談やん?なぁ知ってる?人間キモイより気持ち悪いって言われたほうが傷つくんやで?ほんま、こんな見た目麗しく幼気な少女に向かって気持ち悪いはないわぁー…あ、ほんまの名前は鈴鹿やで?宜しく?」
連は適当に返事をし、馬車に向かった。ヒューゴは「え?え?」っと驚いていたが笑顔で「宜しく」っと言って蓮の後に続いて荷馬車を見に行った。
蓮はヒューゴに荷馬車から荷物を取り出すように指示し、近くにあった木を切り倒し軽く加工し馬車を錬金術で直していった。その光景をヒューゴは口を開けて凝視していた。
「ま、こんな物かな?」
「ええんちゃう?」
「え?え?ちょっと待って?錬金術…だよね?何キミ達にとってこれ普通?普通なの?どう言うこと?」
何が可笑しいのかよく分かっていない2人は頭を傾げた。「白…これが白なのか…」っとヒューゴは何かブツブツ言っており2人は先程から白、白っと連呼する理由を聞くことにした。
「何で知らないの!!?いやだから…」
っとまたヒューゴはブツブツ言ったあと、2人に向き合い話し始めた。
白色を出すのはとても難しく、白を作ろうと思ってもグレーになることが多いそうだ。なので白は上位の者の象徴の色であり、衣服など白を身に纏うことが許されているのは王族やそれに連なる者のみ。もしくは教会の教皇のみとのこと。ただ、貴族も装飾品や衣服のほんの一部とかならば白をまとえるとのこと。
「難しいなら白をどうやって作るの?」
「白の製造方法は定められた店のみの独占販売となってるよ。というか、それ以外の店は白の製造方法は知らない」
「それは許可された会社のみってことだよね…独占販売か…監視するには楽だからねー」
「かいしゃ…?あ、確かに独占販売にはなるね?また、製造以外にも上位種の魔物で白もいたりするからそれを捕らえた物は必ず、ギルドに行くかその店舗に直接売りに行かなければならないんだ」
「……面倒い話を纏めると、うちらが白い者を纏い白い髪をしているのが駄目と言いたい感じ?でも髪は仕方なくない?」
「いや、真っ白い人はキミ達以外見たこと無いけれど、魔力の器が大きい人達の肌はキミ達みたいに透き通った薄い色をしているよ。後髪も暗い色じゃなく明るく白に近い色になっていくかな?」
ただ、属性により髪の色が変わるようで強い属性の色が出るそうだ。例えば土と水を持っていて土が強ければ髪はブラウン系統の色になるそうだ。では、白は?
「白は…分からない。今までそんな色の人を聞いたことがないから」
そう言えばと二人は顔を見合う。
「「(私達の属性って何?)」」
そもそもこの属性は使えないとか特になかった。と言うよりも最初にお願いして叶えて貰っている。本来なら全色混ぜれば黒いような色になるかと思うが、二人の色は白だ。
「あ!白い動物はいないのかな?白の!」
「いるよ?上位種に当たるけどね?例えばフェンリルとかあとホワイトベアーとか?」
「「白くま!!」草生えるわぁ」
「草?」っと疑問に思うヒューゴは無視し二人は笑い合った。一通り笑った後、蓮は顎に手を当て考えた。
「とりあえず…街に行くときはこの髪や肌は隠すべきなんだろうね…鈴鹿は街に今行きたい?」
「うーん…行きたいけど変装グッズ先に手に入れへんことには無理ちゃうかな?」
「となると、まずはお金が必要か……」
悩みながら目の前にいるヒューゴを見て職業はきっと商人だろうがまだ駆け出しか?っと思い聞いてみると以前、王都にある商家で働いていたそうだが商人に憧れ、昨年から活動しているようだがまだ軌道に乗っていないそうだ。
「やっぱりまだ、ルートがちゃんとできてないってのもあるのかな?買い叩かれる事があるし仕入れるときもまだちょっとね…」
そう言って苦笑したヒューゴを見て蓮は定番中の定番の質問をしてみた。
「ペパーの取り扱いはどんな感じですか?」
「ペパーか…高いね…最近流通し始めたばかりだけれど、如何せん仕入れ先が遠い、そんなことを聞いてどうしたの?」
流石、創世神様分かってる!っと蓮はニヤリと笑い、「ペパーを販売するので高く買い取ってほしい」そう言うとヒューゴは驚きたたみかけるよう蓮は続けた。
「ただし、僕達が街に行って買い叩かれたと思ったら……どうなるか考えておいてね?」
7歳とは思えない迫力にヒューゴは身震いをし頭を縦に振った。
蓮は家に連れてくるにはヒューゴのことが信用ならないので、何処か集合場所を決めることにした。鈴鹿は何を悩んでいるのか蓮に聞きある場所を示した。
「ゴブリンがいたところか…まぁありだけれど魔物来そうじゃないかな?」
「定期的に討伐したら大丈夫なんじゃね?」
「それもそうか」
善は急げという事で、ヒューゴを荷馬車に乗せ二人も無理矢理乗り込み、魔法で浮遊させ向かった。
「☆〇△☆!!×△!!」
何か叫ぶヒューゴを無視して二人はどのくらいの周期で討伐しに行くか話し合った。
「〇×△……〇×△☆◇〇⬛︎〇!!!!」
読んで下さりありがとうございます