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目指せチート人生  作者: 葉月
1/14

0.5

よろしくお願いします。

ハァハァハァ……


 あっちから何か感じる。

 何か分からない。

 とにかく走って走って向かった。


 私はここを作った。始め生まれたときからがむしゃらに頑張った。一度こうでないと思って消したこともあったけれど、今は何とか余裕が出来てきて、この出来栄えを気に入ってたまに降りては遊んでる。

 そんなときに感じたこの違和感。今まで感じたことのない何かを感じる。

 建物と建物の間をすり抜け、裏路地に出てとにかく走った。そして見つけた。

 肩で息をしているのを整えつつそちらに歩いて行く。


「あーあ、見つかっちゃった」


「……見つかったって…何故、私の創世地()にいらっしゃるのですか」


「んー?面白そうだから?」


 頭をこてんと傾げるその男の姿をした者は、この裏路地に不釣り合いなカフェの外テーブルに座って姿もこの場には似合わない姿をして猫を撫でている。その者は猫に「面白いよねー」っと話し掛けて、またこちらに笑顔を向けてきた。


「自分の所はいいのですか?」


「んー、大丈夫じゃない?代行者置いてるし、そもそも君みたいな若いのに僕が劣るとでも?」


「その様なことは!ですが、何故私の所に何故いらっしゃるのか…」


 そう言葉を発した後、また近くに違和感を感じその方向を見た。


「あーあ、見つかっちゃったんだ」


「なっ!」


 そこには5人の女性の姿をした者がいた。若い女性から子供まで。


「見つかっちゃった。まぁ、そろそろ気づくとは思ってたしね?」


「な、何故貴方方は私の所に…」


「「「「面白いから?」」」」「にゃぉーん」


 皆+猫は言葉をそろえて言ってきた。子供の姿をした者は黙って頷いていた。私は慌てた。私よりずっと先輩である方々が私の所にいるなど、畏れ多くまた何か粗相をしていないか、だが何故私の所に


「いつから私の所に?」


「んー?何時だろう?僕は着物を着ている時代が長かったなぁ」


 すでに百年は居てる…


「私は近いから何度か来てるわ」

「私はカラオケが始まった頃かしら」

「……私は忘れた」

「えー、最近?あ、カラオケが流行り出す前だったかな?」

「よく行ったり来たりするからなぁ」


 皆様よくおいでで……


「…何をしに?」


「「遊びに?」」


「ぶっちゃけこんな面白いし楽しいところはないわ、私ここ最近オタクになった気がするわ」


 そう言って漫画の表紙を見せてきた。


「私は音楽が楽しいわ」


 皆口口に色々話をしてくれた。嬉しいのだけれど何故皆そろって私の所なの?他にこんな所ないのかしら……


「僕から君に話があるんだけどいいかな?」


「な、何でしょうか?」


 椅子に座っていた者が質問してきた。


「ここ最近異世界ネタの話をよく見たり聞いたりしてね、面白そうだから作ってみたんだよ」


「は、はぁ…」


「魔法あり、魔物あり、貴族設定あり、で、中世?設定で、今できてるんだけれど、どうかな、こっちの世界の人僕に頂戴?」


「は、、は?えっと、それは」


「急ピッチで作ったから時間軸がこっちと今違うけれど向こう行ったら向こうにあわせて生活できるし、まぁ、そろそろこっちの時間軸にあわせるけどね」


「え、何それ面白そうー!」


 先程自称オタクと言った人が近くまでやってきた。


「でしょ?だから頂戴」


「っ!しかし、私はここの者立ちには自分の意思を与え行動させているので、本人達の意見を聞かず頂戴と言われてはいどうぞと渡すなど出来ません!」


「それなら本人の意思に直接聞くよ、それでいいでしょう?」


「し、しかし、こちらとそちらの身体の構造など……っ」


 男性の姿をした者は笑顔を顔に貼り付けているがとても怖い雰囲気を醸し出している。


「僕がそんな事を出来ないとでも?」


「い、いえ!あの、本人達の了承を得て向こうで幸せに暮らせるのでしたら…!!」


 怖い。ただ怖い。蛇に睨まれた蛙とはこう言うことかと、私の所の者達は上手いことを言う……


「そ、良かった。ありがとう、じゃぁ早速動こうとしようかなー」


「はっはい!」


 話を聞いていた1人が喋りながらこちらに来た。


「うっわ面白そう!そっちもまた遊びに行くわ」


「お待ちしております、じゃねぇー」


 そう言って男性の姿をした者は消えた。

 緊張の糸が取れ地面に座り込んでしまい、呆然としていたが、まだ女性の姿をした者達が居ることを思い出し慌ててそちらを見たがもう誰も居なかった。


 『チリーン』


 はっとして音のした方を見ると、先程まで男性の姿をした者の膝の上にいた猫がこちらに歩いてきた。だが、よく見ると猫の姿をした者で、決して猫では無いと言うことに気が付いた。


「あ、あの!」


「にゃおーん」


 そう一声なくとその者も消えて、私の周りには誰も居なくなった。

読んで下さりありがとうございます

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