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4月のきみ
「白木さん、昨日テニス部の見学いたよね?テニス部入るの?」
休み時間になり話しかけてきたのは、教室で隣の席に座っているあなた。
綿貫 緑くん。
サラサラとした焦げ茶色の髪が揺れている。
まるくて綺麗な目が私を見つめ、笑顔にはキラキラと効果音が付いている。
「私は部活はまだ決めておりませんが、、、綿貫くんはテニス部なのでしょうか?」
「いや、一応見てみたけど、やっぱガチな部活だと気がひけるなーって。考え中。もし同じ部活になったらよろしくね。」
じゃ、と手あげて私のもとを去り、教室から出て行った。
入学してまだ2日。
みんなが探り探り、気を使いながら話す中、綿貫くんは気軽に話しかけている。
綿貫くんと話す人はみんな、張っている力が抜けて自然体だ。
壁を感じさせない綿貫くんはすごいと、素直に尊敬します。
1日の授業が終わり、