異世界転生したようです
ドンッ!と言う鈍い音がして身体にとてつもない衝撃が掛かった事に気付いた時にはもう既に手遅れだった
血がどくどくと流れ出し薄れゆく意識の中、頭をよぎったのは
あ〜…小説の続き読みたかったなぁ…
そして意識は暗転した
目が覚め起き上がると今までの手とは違う柔らかくて真っ白くて綺麗な小さな子供の手、
サラサラと横から流れてくるのは綺麗な絹のような銀髪の長く柔らかい髪
きているものも明らかに高級そうな肌触りの良いもの、
周りの調度品はヨーロッパ風のアンティーク物
『私…そっか、転生でもしたのかな?』
状況を飲み込むのは早かった。
続き物の小説の新刊が出たので本屋に買いに行った帰りに事故に遭ったのは覚えている。ちゃんと信号を確認して渡ったから明らかに車側の過失
そして…その事故で私は死んだ。
以外とあっさりとしたものね…
そして、今の私の身体の過去の記憶、知識は…
良し、大丈夫。覚えている
私の名前は
セレス・ルナ・オブシディア
5歳
オブシディアが家名で真ん中のルナがミドルネーム、ミドルネームは基本的に頭文字のLで表しているみたい
オブシディア家は由緒正しき公爵家、私は当主であるお父様の1人娘
そこまで出てきたところで私は壁に取り付けられている全身をうつせる程大きな鏡を見つけた。
自分の姿を確認するために今までいたふかふかの豪華なベットを抜け出し鏡の前に行った
他にある調度品とあわせるように鏡のふちにもアンティーク風の意匠が凝らされている、実に私好みです
そんな鏡に映っていたのは絵に描いたような美少女
一切乱れのないサラサラツヤツヤの良く手入れされた腰より少し長いストレートの銀髪
クルリと綺麗に外に巻かれた長いまつ毛に縁取られ、クリクリとしたぱっちり二重の猫目の中にはアメジストのようなキレイな瞳が入っている
ふっくらとした唇はぷるぷるツヤツヤで血色の良い赤っぽい色をしていた
肌はいっさい荒れておらず驚くほど白かった
それに対比するように頰はバラのような色
顔のパーツの配置も言わずもがな完璧に整っている
あまりに顔が整いすぎているあまり
ニコっと笑えば恐らく人ひとり殺せるほどの威力を持つほどのかわいさだ
しかし上げていた口角を元に戻して無表情になると物を凍らせられるほどの冷たい印象を受ける
『この恐ろしく整った顔にサラサラの銀髪…無表情の時の冷たい印象…そして公爵令嬢という地位の高さ…間違いない…きっとどこかの乙女ゲームか小説の悪役令嬢に転生したのだわ!』
一気にテンションが上がった
前世の頃はとにかく小説、漫画、ゲーム、アニメこの手のものが大好きだった
その中でも女性向けゲームにハマっており、乙女ゲーム等は一番得意とする分野であった。小説、漫画においても異世界ものや異能力などがある世界設定のものは大好物、恋愛モノなんかもよく読んでいた
さて、とりあえず悪役令嬢だと言うことは間違いないにしてもここはどの作品の世界なのか……
前世の私は所謂オタク気質でありハマったものについてはとことん調べるタイプであった
さらに言えば私は記憶力が人より少しだけ良かった為頭のメモリいっぱいにその知識を詰め込んだ
しかし私の名前……セレス・ルナ・オブシディアという名前は脳内検索ではヒットしなかった
『確かに、世界に存在する作品全てを読んだわけじゃないからなんとも言えないけれど……私の記憶に無いことは間違いないわ。転生した時にここの作品についての記憶を消されたって可能性もあるけれどどちらにしろ分からないんだもの、どうしようもないわね……』
なんとなく落ち着かない気分になり鏡の前でうろついていると足音が扉の向こうからコツコツと規則的な足音が聞こえてきた
『寝たフリ、寝たフリっと……』
私は猫のようなしなやかさでベッドに戻ると毛布にくるまった