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詩集  作者: 榮倉 慶
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「電話に出ない」

ピリリリリ

ピリリリリ


どれだけ携帯を鳴らそうが、君は出ない

この冷たい鉄の塊の中に魂をも閉じ込めてしまったというのか

君に会えるのはもう、この冷たい檻の中だけなのか


ピリリリリ

ピリリリリ


懲りずに鳴らそうとも、君はまだ出ない

1時間おきに、2時間おきに、3時間おきに

ずっとずっと鳴らし続けてるのに、どうして出ないの


ピリリリリ

ピリリリリ


いくら返事を気長に待とうと思っても流石に心配する

ひょっとしたら、私のことが嫌いになったのか

まさか、部屋の中で倒れてたりなんてことないよね


どうして出ないのだろうか


携帯が水没した?

いいえ、あの人は携帯以外にも使える装置があるはず

昨日からずっと寝ている?

いいえ、そんなに長く寝るような人ではない

ただの風邪で寝込んでいる?

いいえ、仮に風邪であったとしても文字ぐらいは打てるはず


色々な可能性を思い浮かべては消し、ついに残ったのは不謹慎な想像ばかり

ひょっとしたら、失踪したのかもしれない

ひょっとしたら、死んじゃったのかもしれない

ひょっとしたら、誰かに危害を加えられているのかもしれない


そんな可能性ばかり残ってしまった

心配だし不安だし怖い

色々な負の感情がミックスジュースになって体の中に取り込まれてしまったみたい


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