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「イチイ」
一位の君が目の前で座っている
真っ赤に染まった部分を僕に見せつけてくる
失敗作のオリーブみたいな君に
失敗作の僕は親近感を感じる
共に吸おう
一気に入ってくる木の焼けた匂い
鼻腔からノックもせずに入ってくる
喉の奥を通過して気管を通路がわりに
ゆっくりと重たい灰色はそのまま
僕の肺を自身の色に染める
君も苦しいか?
君も辛いか?
最美部分以外に毒がある僕ら
既成のものと違って失敗作な僕ら
人を傷つけてしまう僕ら
僕らなら一緒にいけば怖くない
灰色に溢れた七輪越しに君を掴む
君はやっぱり僕とは違う
君は人に必要とされる側だったようだ
蜜柑を思い切り潰してしまったような
床に落ちた熟柿を思い切り踏み潰したような
そんな感触が僕の掌に
どうやら君を一足先にいかせてしまったようだ