羽と運命と命令
「ここに羽娘がいるだろ?出せ」
朝から騒がしい。ゼファーは困惑しながら声の主に顔を出した。
「お前に……失われた羽の代わりをくれてやる。有り難く思え」
受け取った羽はやや重いものの、どうしていいか分からない、というのが本音だった。他のメイドたちがいそいそと装着をしてくれた。
不思議な感覚だった。まるで失われた羽が蘇ったような感覚。自分の思い通りに動く。
「あの……これは…」
「軍本部が羽娘と羽男を集めて特殊空軍を設立する。それにはお前の力が必要だと判断された。おめでとう、キミはしばらくしたら軍務に属する事となる。それと……これは不足分の代金だ」
義羽を持ってきた男は、無遠慮にゼファーの乳房に触れ、スカートの中に手を潜り込ませる。
「ふむ、なかなかだった。お前達も”楽しみたくない”なら、逆らわない方がいいぞ」
男は態と他のメイドたちにその光景を見せつけた。ゼファーはその屈辱を奥歯を噛み締め耐えると、乱れた服を戻す。
「あの……入浴されてはいかがでしょう…?」
一人のメイドが駆け寄ってくる。ゼファーは首を横に振った。
「遠慮しておくわ。その……服を…脱ぎたくなくて…」
それを聞いて、そのメイドは深々と頭を下げ、
「し、失礼をお詫びします!」
「いえ、大丈夫です……その…軍…とは…」
「いえ、我々も何も聞いておりませんゆえ…御主人様がお帰りになられるまで詳細はわかりません……」
ゼファーはそのメイドに優しく「有難う」と言うと、玄関をくぐり外の空気を吸う。
「また……戦いの日々が来るのだろうか……」
ゼファーのメインの仕事はCASであり、エルフの指揮下では対人間に大きな被害を出していた。
これほどまでにない恐怖を感じた。信用できない味方程怖いものはない。
仲間との連絡もとれず、空を見上げるしかできなかった。
「空はこんなにも穏やかなのに……」
私は悪い領主 可愛い可愛い小鳥ちゃん お前の国の民を皆殺しにしよう
おやめ下さい、おやめ下さい... なんでも言うこと聞くからおやめ下さい
だったら我が国のメイドとなれ
なります、なります…私一人の犠牲で済むのなら、今すぐメイドになります




