#4 木嶋覚醒せず。モブ強く生きろ!
書き手: ◻︎米内 廉
・次回、『木嶋覚醒!猛威を振るう木嶋の第二ボタン!』by米内
↓
・『#3 ボタンなんてなかった、いいね?』by千土
__こ___の___や___ろ___う__!
お前やりやがったな。
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〜前回までのあらすじ〜
とうとう四浪を迎えてしまった木嶋。彼はやけくそになって牛丼屋に入りカレーを掻き込んだ。そんな時、隣の席のから木嶋に声が掛かる。
「ぼくと契約して魔法少女になってよ」
戸惑う木嶋。
だが世の中に嫌気がさしていた彼は元々女装の趣味もあってその提案を承諾してしまう。
これを機に木嶋は魔法少女の頂点を競う争いに身を投じてゆくのだった。
(※ちがいます)
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木嶋は背後から回ってきた筒寺に人質にされてしまった。
それはもう囚われのお姫様の如く。
あるいは、登攀中に安全ベルトが外れてしまったクライマーの如く。
固まるボス。
動揺する相棒。
実は既にそのへんに転がされていたモブ。
ニヤける辻組の総長、辻。
鼻息が荒く興奮した様子の筒寺。
表面上は不敵に笑う木嶋。
よく見ると鼻水が垂れている木嶋。
どこからともなく謎の液体が滴り始めた木嶋。
なぜか髪のセットが気になりだす木嶋!
なんだかベルトが窮屈に感じ始めた木嶋!
絶体絶命のピンチ!
しかし木嶋の内心はこうであった。
「(うんこ漏れそう)」
もちろん本心からではない。
現実逃避の延長線上だ。
そんなことしていて助かるのかと訊かれれば、まあ考えるまでもなく否であろう。
だが、彼に限っては違う。
何故か?
それは、彼が悪運に恵まれているからだ。
例えば、幼少期。
彼は銀行強盗に遭ったことがある。
木嶋はたまたま人質に取られたのだが、なんと強盗の銃が謎の暴発を起こし、知らず知らずの内に返り討ちにしてしまった。
例えば、少年期。
彼は誘拐に遭ったことがある。
木嶋は近くにいた華族の娘と共に車に詰め込まれたのだが、なんとその車のエンジンが突然故障し、誘拐犯がもたついてる間に警察がやってきた。
電撃逮捕である。
そして、例えば今。
木嶋がなんとなしにされるがままになっていると、目の前に小さな虫が現れ、驚いた。
飛び上がると首元に突きつけられたバターナイフが刺さりそうで怖いので、肩がビクッと跳ねるくらいにとどまる。
が、なんの奇跡か木嶋の頭が筒寺の鼻に直撃。
気を抜いていた筒寺はあっさりと気絶した。
「よくやった木嶋ァ!よしお前らも続けェ!」
「ボス!モブの野郎もうやられてやす!俺と木嶋ンしかいないマンです!」
「うるせぇ!叩き起こせェ!」
「うっす!オラァ!」ドスッ(←蹴る音)
「ぐえっ」バサっ(←起き上がる音)
「いくぞモブ!夕日に向かって狂騒だ!」
「隙あり!オラァ!」ドスッ(←モブを殴る音)
「ぐえっ」バスっ(←モブが倒れる音)
「「モブぅぅぅぅぅ!!」」
倒れ伏すモブに叫ぶボスと相棒。
一方で木嶋は筒寺にヘッドバットした衝撃で立ったまま気絶していた。
即ち、再びの絶体絶命である。
頑張れ木嶋!
負けるな木嶋!
俺たちの戦いはこれからだ!
次回、辻組決着!決め手は木嶋のスクワット!
スクワットで倒せよ!?
次回スクワットで倒せよ千土!?