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#1 上面なヤクザ

書き手: ◻︎千土 戊


書いていいのは、書かれる覚悟のある奴だけだ!



『苦悩に悩むヤクザ』




20XX年

今では組合協会により、ヤクザ達は管理され、組に属さなければ、のけもの扱いされるようになった。

組合協会に認められた組に属せば超人的な能力を扱えるようになるからだ。


そんなご時世に真夜中の渋谷、本来なら静寂だったはずの渋谷は路地裏に入るといつものように野郎共がドンパチファイト!していた。



「オラッ!」ドカーン!

「クソがぁ!」ズバ!

「死ねぇ!」バキ!(※骨の折れる音)



壁の木箱にラリアットされる奴もいれば、短刀(ドス)で斬られる奴もいた、死ね!と言って、返り討ちに遭い骨を折られる奴もいる。



しかし、そんな惨状の中ただ1人、この男だけは違っていた。


一瞬でこの場の野郎共を薙ぎ倒せる!それだけの覇気をこの男は纏っていた。


そいつの名は木嶋(きじま)鉄平(てっぺい)

渋谷で最強と謳われる組織の一角、浦賀組。

そのボスの側近である。


木嶋は壁に寄り掛かり腕を組んで考えていた、


「(お家帰りたい...)」


そんな中、木嶋の耳元にナイフが刺さる。

木嶋はナイフを横目で流し見た後、飛んできた方向を向いた。

だが、周りは彼が睨んでるように見えた。


しかし、木嶋の内心はこうである。


「(やっべぇこれ死ぬわ、死んだわこれ。なんだよ治安悪ぃな!?ここは日本じゃなかったのか!?銃刀法息してねぇなオイ!?)」


そんな彼を見て何を勘違いしたのか、近くにいた部下が木嶋の前に出張ってこう言った。


「おいぃ!ゴラァ‼︎木嶋さんに当たったらどうすんだぁボケェ!」


それを聞き敵の組の1人はブチギレそいつに襲いかかった。

随分と強気な発言をしていたその部下だったが、木嶋の期待を裏切りあっさりとやられた。

そいつは次のターゲットを木嶋に変えその勢いで襲いかかってきた。


さて、ここで木嶋について補足しておこう。

実はこの木嶋くん、お気付きの方もいると思われるが、クソザコナメクジ野郎である!


であるからして無論、この状況は木嶋にとって好ましくなく、絶体絶命の窮地なのだ。


よって彼の心境はこうである。


「(あっ、これ死ぬわ。いやこれ死んだわこれ。もういっそのこと一思いに殺せ!クッ殺!)」


迫る拳。

覚悟を決める木嶋。


しかし拳は木嶋に届くことはなかった。


木嶋が気付くとそこには倒された敵とそいつを倒したであろう、相棒の姿があった。


「(た、助かった………っ)」


スカした顔で内心胸をなでおろす木嶋。

キメ顔の相棒。

買い出しの途中なのか、彼の両手にはギチギチに詰まった近場のスーパーの袋が握られていた。

どうやって倒したのか、一瞬過ぎて分からなかったが、そんな事よりも中の卵が心配な木嶋だった。


「(あ、袋から黄身が漏れてる)」


案の定卵は割れていた。


それからは、楽なものだった。


敵をバッタバッタと薙ぎ倒す相棒。


その姿を相棒から受け取ったスーパーの袋を両手に、ぼけ〜と眺める木嶋。


彼らが敵の組を倒すのに1分とかからなかった。





☆☆☆☆




割れた卵の入った袋を手にアジトにもどる木嶋と相棒。


割れた卵の入った袋を横目にボスに怒られるんだろうなぁ〜と考える木嶋。


そんなこと気にしてないかのように、のほほんと歩いている相棒、そしてアジトに着きボスの元に行ったら、卵が割れているのを怒られた。


まぁ、5分と経たず機嫌を直し、今ではキッチンの前で卵を焼いているのだが。


ちなみに、ボスと相棒は木嶋がクソザコナメクジだと知っている。


それから、木嶋と相棒はボスお手製の卵焼きを食べた。


そして彼らは本題に入る。

ボスと相棒は木嶋を組に入れようと説得を始めたのだ!

そう、何を隠そう木嶋は側近でありながら、浦賀組に籍を置いていないのだ。


ボスはしゃがれた声で言う。


「木嶋まァ゛……そろそろウチの組ごいやぁ゛!」


軽い口調で相棒は言う。


「そうだぞ!木嶋マン!そろそろウチの組にこいよ!

木嶋マンだって、わかるマンしてるんだろ!もう、能力無しじゃ〜、ついていけねぇ〜て、さっきだって死にそうだったじゃ〜ん!そろそろ組に入って能力貰いましょうよ〜」


とても説明口調だった。


木嶋は意味ありげに遠い目で言った。

「そうか……」


その否定とも肯定ともとれる発言に固唾を呑む2人


そんな2人をよそに木嶋はこう思っていた。


「(いや、籍なんか入れたらいよいよ反社会的勢力の一員になっちゃうだろ!?もし仮にガサ入れ捜査来たら俺まで捕まっちまうだろうが!ママを心配させたら後が怖えーんだぞ!!)」


相棒が空気を破るように言ってくる

「おっ!木嶋マン!そろそろ、やりおるマンになる時が来た感じ!」


木嶋が困っていると…





パーン!







発砲音が鳴り響いた。



ノックも無しにいきなりボスの部屋の扉が勢いよく開かれ、モブ顔の部下が入ってくる。

木嶋は驚いて振り返った。


「(誰だ!?なっ、こいつは………いや、誰こいつ?なんだこのいかにも経費を削減されたかのようなモブ顔の男は!?ハッ!!思い……出した!!このモブ顔はボスのお使い役その2号、通称 “モブ” !!)」


「何事だぁ゛‼︎」

モブに向かって叫ぶボス。

ボスは腰のホルスターから(チャカ)を抜き、モブに銃口を向けた。

その様子に相棒は慌てて仲裁に入った。


「ボス!舞ってくだせい!こいつは古株のモブっすっよ!毎回、ボスに(チャカ)向けられちゃあ、モブも、たまったもんじゃあないですぜ!」


落ち着いた様子でボスがなんだ早く言えよと銃を下ろした。


慌ててモブが話を続けた


「あの何を考えてるか、よくわからない(つじ)組がいきなりカチコミに来やしたぁ!」



やめて!ラーの翼神竜の特殊能力で、ギルフォード・ザ・ライトニングを焼き払われたら、闇のゲームでモンスターと繋がってる城之内の精神まで燃え尽きちゃう!


お願い、死なないで城之内!あんたが今ここで倒れたら、舞さんや遊戯との約束はどうなっちゃうの? ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、マリクに勝てるんだから!


次回、「城之内死す」。デュエルスタンバイ!

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