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優しい言葉という盾

作者: 秋和翔

 自分のためじゃない、これはお前のために言っているんだぞ。

 この言葉が少し苦手。

 

 この言葉を使われたら、何も言えなくなってしまう。自分のために言ってくれている人を足蹴になど自分には出来ない。

 だけどこの言葉を使う人たちは、この言葉を盾にして、好き放題やりたい放題に言ってくる。


 そんなんじゃ社会で生きていけないぞ


 今度は槍を投げてくる。いつしか、そんなんじゃ社会で生きている価値ないぞ、と言われているように感じるようになった。


 優しい言葉を盾にして、刺さるような言葉を槍として投げてくる。

 自覚していることを、無遠慮に、無神経に投げてくる。

 その度に、心のかさぶたをはがされ、血を流す。見つめると辛いからと、隠していた穴のブルーシートがとられ、その穴をえぐられえぐれて、ますます大きくなる。


 自分でも分かっている。傷つけるためではない言葉ということを。でもだからこそ傷ついてしまう。

 自分でも分かっている。この程度で傷ついていては駄目だと。だけどそう上手くはいかない。だから強くならなくちゃと、変わらなきゃという焦燥感に溺れる。


 そういうのが嫌になって、見えないように隠していると、また槍が投げられ、かさぶたをはがされ、穴をえぐられる。

 

 優しい言葉として、攻撃、反撃させない盾。優しい言葉という盾が苦手だ。

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