第一章3:思いもよらぬ出会い
少女たちが歩いてる時、ちょうど通っていた庭の美しさに見惚れる。 薔薇、いばら、噴水、まるで公園で散歩してる気分で、とても学園にいる感じがしなかった。
校舎に向かってる途中、オーフィスターニャが口を開け、この沈黙を破る。
「あ、あのさ……今さらなんだけどぉ、君の名前は?」
オーフィスターニャは慣れない敬語で淡い水色の少女に名前を聞く。
「私の名前は《アルファーニ・シュテルンヌン(Alphany・Sternun)》です。 よろしくお願いします」
「?!」
オーフィスターニャがアルファーニのフルネームを聞いた途端、冷や汗をかく。
「ん? 私の顔に何か付いてるですか?」
「あ、いえ……大丈夫です」
苦笑いするオーフィスターニャは視線を逸らす。
「そう……? では、私から質問させていただきますね、君の名前……教えてくれませんか?」
「(ギクッ!)」
っと、オーフィスターニャは明らかに動揺した。 彼女はますます嫌な予感を感じ、顔を逸らす。
「あ、えっと……ところで! 《シュテルンヌン》って、あの有名な貴族の苗字ですよね! 氷属性の魔法を極めた一族! もしかしてシュテルンヌンさんは……?」
自分が始めた話題に収拾つけなかったオーフィスターニャは話題の方向性を変えるため、彼女は別の質問をアルファーニに聞く。
「アルファーニで結構よ」
アルファーニは笑ってオーフィスターニャに彼女を呼び捨てすることを許す。
「あぁ、アルファーニはもしかして、あの一族のひとり娘で……跡取り、さん?」
「ええ、そうです」
「(やっぱりかー! なんでワタシが入学式の当日に、精霊族の中でも超有名な貴族の跡取りさんと会えたんだ?! うう……もう嫌だ、帰りたい……)」
オーフィスターニャの心はすでに泣いていた。
そして自覚無しのアルファーニは好奇心で聞く。
「なんでそんなことを聞くのですか?」
「あ、いえ……なんでもないです。 ただの好奇心です、気にしないでください」
不慣れな敬語で話すオーフィスターニャの目が死んでいる。 彼女は初対面のエルフに対して、なるべく丁寧な口調で話しているが……もうダメだっとオーフィスターニャの心のどこかでそう考えていた。
「そうですか。 ならば、名前を教えてくれませんか?」
「(ギクッ!)
またしてもびくっとするオーフィスターニャ。
「(どうしよう、どうしよう? このままワタシの名前がバレてしまう……!)」
もう諦めようとした瞬間、彼女たちはちょうどカードを曲がったら、目的地にたどり着いた。
「こ、ここは……これから通う三年間の学校……ひ、広ーーーーい!!」
再び話題の方向性を変えるため、オーフィスターニャは思ってたことをそのまま口にして、大声で叫んだ。
三階フロアと屋上、その上に庭園もある。 学校の中央に、桜の木が満開してる。 そしてその周囲に幾つのベンチがいっぱいの桜の花びらで覆っていた。
暖かい風は甘い香りで包まれていた、彼女たちはすーっと深呼吸して、幸せな表情を無意識にさらす。 数秒の風と草のメロディーは空間全体を躍らせる、オーフィスターニャたちはそれに合わせ、学校の入り口から入る。 そこには、広い空間、下駄箱はない。 そのままブーツで入っても大丈夫、っと右の壁にかけてる掲示板にポスターが貼られていた。
彼女たちはそのまま中へ入り、階段の前で足を止まった。
「保健室って……一階にいるよね?」
先にオーフィスターニャが不安を感じる。
「普通はそうですが……さっき、入り口に入り、下駄箱がないことに驚きました。 小学校、中等部と高等部は全て、下駄箱があったのに。 制服も美しいワンピースとスカートをメインにしたデザイン、まさかこの《コローナ・デ・サフィーロ》の制服は軍服だっただなんて……迂闊でした。 しかし! ここの学校はお母さまの母校! 私もお母さまの学校はどんな所か、見ておきたい!」
そしてギュッと、左拳を強く握る。
「ええと……ワタシの両親も、この学校の卒業生です……(アルファーニって意外と熱血タイプ?)ァハハハ……」
オフィスターニャは強引な笑い方で笑う。
「あの……保健室はあっちが見えるけど……」
そのあいだ、オーフィスターニャたちが支えていたもうひとりのエルフは話かけて、指で右の方へさした。 そして彼女たちの後ろにいた女中は最初の時から、黙々とアルファーニのそばで少し後ろに付いていた。
保健室の中はベッドが三つ、カーテンは開いたまま、窓も閉めている。 教師はどこにいなかった、オーフィスターニャたちはまずケガニンをそこらへんにあった木製のスツールに座って、正しい治療法を行おうとしていた。
「まずは腫れているところをある程度で冷やして……その後は包帯とそれを固定する二つの木の棒だ……」
オーフィスターニャはロッカーを開け、包帯を探してる間、アルファーニは氷属性魔法で腫れてるところを冷やしていた。
「ところで、聞きそびれたが……君のお名前は?」
「あ、はい! わたしは《ユッティ・グラナートアプフェル(Yutty・Granatapfel)》です、実家は農場です。 よろしくお願いします!」
ユッティは冷やしてる捻挫の痛みを耐えて、簡潔で丁寧に自己紹介した。
「こちらこそよろしくお願いします、グラナートアプフェルさん」
「ユッティでいいよ、《グラナートアプフェルさん》って呼びにくいでしょう? 呼び捨ても大丈夫です、あなたたちはわたしの恩人ですから! あ、そう言えば、あなたの名前は?」
ここでユッティは満開な笑顔で笑らって、オーフィスターニャに質問した。 オーフィスターニャはその時、ロッカーの前で探し物をしていた。
「え? わ、ワタシの名前? お、オーフィスターニャ、です。 よろしくお願いします……」
「オフィスターニャさん……改めて、ありがとうございます!」
「《オーフィスターニャ》……? なんかどこかで聞いた名前のような……」
アルファーニはオーフィスターニャの名前に疑問を持った。 それはオーフィスターニャ自身も感じていた。 彼女はすると――、
「あったあった。 アルファーニ、はい、これを!」
「ん? あ……ありがとうございます」
オーフィスターニャは誤魔化すみたいなことを取り、考え中のアルファーニにあるモノを渡した。
アルファーニが握っていたモノは二つの木の棒だった。 オーフィスターニャは先に包帯でユッティの足を巻き、続いてアルファーニは二つの棒を足の左右に置いて、その上絆創膏で巻き付く。
彼女たちは数秒で終わった。
「これでよし!」
「これなら早く治ると思う」
オーフィスターニャとアルファーニは満足したみたいに笑う。
「ありがとうございます! これなら入学式にまにあ……あれ?」
そこでユッティは全員に大事なことを思い出す。
「「あ……」」
全員がそのまま唖然とした、女中を除いて。 そして静止したまま、数秒後――、
「そう言えば! 入学式! すっかり忘れてた!!」
先に、オーフィスターニャが慌てて叫ぶ。
「今から走っても間に合わない! 既に始まっている! もう手遅れよ! それに、彼女はまだケガしています」
そして既に諦めていたアルファーニがため息をつく。
「なんかごめんなさい……私のせいでこんなことになって……」
っと罪悪感を感じ、頭を下げて謝るユッティ。
彼女たちが暗くなってる間、女中は静かに近づく。
「お嬢様、今は落ち込んでる場合ではありません。 たとえ遅刻しただとしてもいい、早く体育館の方へ向かった方がいいと思います」
初めて口を開けた女中の声は厳しさと優しさの両方を感じる声だった。
「ミネルヴァ(Minerva)……そうですね、ここにいても何も変わらない」
ミネルヴァの一言で彼女たちは元気を取り戻した。 そしてオーフィスターニャたちは直ぐに立ち直った。
「そうだね、早く行きましょう」
「だな! ん……足は大丈夫かい? 肩貸そうか?」
「うん、お願いします」
全員は仲良く一緒に保健室から出て、共に体育館へ向かった。
オーフィスターニャはユッティに肩を貸して、ゆっくりと……彼女に痛みを感じないように歩いてる。 それに合わせて、アルファーニとミネルヴァも彼女たちのペースに合わせて歩いている。
数分後、彼女たちは無事に体育館の扉の前までたどり着いた、が――、
「校長先生のスピーチ、長かったな~」「だな~、私は途中で危うく寝てしまうところだったぁ……」「ねーこの後、どうする?」
すでに入学式と校長先生のスピーチが終了し、その中にいた生徒たちが外へ歩き出していた。
そしてオーフィスターニャたちは唖然。
「おい……嘘、だろう? もう終わっただなんて……これでは、母さんにどう説明したらいい……?」
オーフィスターニャが地面に張り付いたみたいに、身の一つ取れず、そこに立っている。
「とにかく、早く行きましょう。 先生や校長先生に事情を説明に」
しかしアルファーニは急ぎの様子で、先に歩き出す。
「あ、おい……!」
オーフィスターニャがユッティを支えていたことに忘れ、アルファーニを止めようとしたが――、
「あ、危ない! きゃっ!」
ユッティはバランスを崩し、オーフィスターニャの制服を掴もうとした先に、足をつまずいて、逆にオーフィスターニャを前へ押した。
「うわっ!」
ちょうどオーフィスターニャの前に、アルファーニがいた。 オーフィスターニャはすでにどうすることもできなかった。
「(まずい! このままじゃアルファーニとぶつかってしまう! せめて、彼女を無傷で前へ押してみる!)」
覚悟を決めたオーフィスターニャは、左手を伸ばす。 しかし――、
「あぁ……」
ちょうど足が地面にあった隙に引っかかって、届けるはずだった距離が一気に離れて、オーフィスターニャは諦めず手がそのまま伸びていた。 そして、アルファーニのズボンを掴んだ。
「え?」
アルファーニは反応間に合わず、結局、同時に転んでしまった。
「あいててて……あっ! アルファーニ! だいじょう……ぶ……? あっ……」
頭を揺らすオーフィスターニャの目の前に、綺麗でツルツルな肌があった。 そして何か
起こっているのかを気になる周りの生徒たちもどんどん集まっていた。
「ん……顎が打ってしまった……あ、はい、大丈夫です……オーフィスターニャ……さん? はぁぁ……」
這い蹲っていたアルファーニは上半身を起き、彼女のいつものニコニコの顔が、一気に真っ赤になった。 彼女は混乱していた、なにを話したらいいのかもわからない状態になっていた。
そしてオーフィスターニャも同じく、頭の中の情報は混雑状況、そして必死に何かを言おうとした時――、
「き、綺麗なお尻だな……」
その言葉が周囲の音を沈黙に変えた。 それは、オーフィスターニャ自身も理解していた、自分がやらかしたことを。
「(や、やってしまったぁ……!! よりによって、頭に浮かんだ最初の感想を口に出してしまった…!)」
絶望となったオーフィスターニャと既に冷静を取り戻したアルファーニ。
「オーフィスターニャさん……いや、オーフィスターニャ!」
大声でオーフィスターニャの名前を叫ぶアルファーニが彼女を怒った眼差しでにらむ。
「いつまで私のズボンと下着を掴んでるつもり? いい加減に放してくれませんか?」
「あ、ごめん!」
スッと、早く手放したオーフィスターニャが謝る。
「あの……もしかして、怒ってる?」
「いいえ、怒ってません。 あれは単なる事故です、仕方がありません……」
そして意外と落ち着いてるアルファーニはズボンを穿いて、いつもと同じ笑顔を晒す。
それを見たオーフィスターニャがほっとした表情で愛想笑いした。
「そっか……よかった~本当にごめん! そんなつもりはなかったんだ、後で埋め合わせする!」
「分かりました。 ええ、分かっています。 私はただ皆さんの前でズボンと下着を同時に脱がされ、そして私の大切な所とお尻を君に見られてしまっただけです。 ええ、私はまったく! これぽっちも怒ってません。 ただ……ぶっつんする寸前です、うふふ……」
アルファーニの声は自分がどれだけ怒っているのか、はっきりと伝わってきた。 表情を変えず、音と雰囲気で自分の怒りをオーフィスターニャに伝わってきた。
「わ、分かった……アルファーニ……だから落ち着こう……な? まさか入学式の当日に――」
「オーフィスターニャ! 君に、決闘を申し込む!!」
アルファーニは腰にぶら下がっていた細い剣を鞘から抜き、オーフィスターニャの眼前に止まる。
「え? ええええええぇぇ!!???」
「はわわわ……とんでもないことになった……!」
地面に座ったままオーフィスターニャは大きな声で叫ぶ、そばにいたユッティは慌てて始める。
「あの有名なシュテルンヌンの跡取りが、とあるエルフに決闘を申し込んだ?!」「相手は誰なんだ?」「東の闘技場で行われるらしい!」「早く見に行こう!」
そしてアルファーニがオーフィスターニャに申し込んだ決闘は風のごとく、あっという間に全校に響いた。
東の闘技場、フィールドは西の闘技場より大きくて、設備も最高の対・物理と対・魔法の結界で誇っている。 闘技場の中は広い円形劇場、更にそれを囲む観客席は四方で設置している。
オーフィスターニャが闘技場の中に案内をしたら、彼女の先に、光が見えた。 数秒歩いてると、闘技場のど真ん中にいた。 周りの観衆の声が強く頭に中に響いた、オーフィスターニャはすごく驚いていた、その観客席の一番フィールドに近いに、ユッティがそこに強く願う。
「どうかケガだげはしないでください……」
そして……彼女の前に、アルファーニが登場する。
「お待たせしました、オーフィスターニャ。 さぁー! 今から真剣に、正々堂々と勝負だ!」
気合い十分のアルファーニが叫ぶ、対してオーフィスターニャは逆に、やる気すら感じ取れないほどに大きなため息をつく。
「ハァー、本当にやるの?」
「今さら逃げるのですか? 言っておくが、もしここで降参したら、私の不戦勝となり、君にはこれからの五年間、私の専用の女中として働いてもらう! もし嫌なら、私と勝負です!」
「ハァ?!! なんだよそれ?! 聞いてねえぞ! なんでワタシが負けたら、お前の女中にならなきゃいけないんだ?!」
理不尽な条件を出したアルファーニは、オーフィスターニャを煽る。
「もちろん、君も勝利した時の要求を言える権利がある。 もちろん、私は絶対に負けないけどね、ふふ……」
「じゃー遠慮なく言わせてもらうね! ワタシが勝ったら、あんた苗字をワタシの苗字に変えてもらうね! いいな?!」
「なっ?!」
「え? え?」「今なんて言った?」
オーフィスターニャが出した条件はアルファーニならず、それを聞いた生徒たちの顔は真っ赤となっていく。
「あ、君は! な、なにを言ってるのか、分かってるの!? 私の誇り高く苗字を貴女の苗字に変えるだなんて……そこまで責任を取る必要なんて……」
アルファーニは明らかに動揺していた、おまけに最後のセリフは小さい声で喋ったことで、オーフィスターニャは聞こえなかった。 そしてオーフィスターニャは彼女がどうしてあそこまで動揺しているのか、見当をつかない。
「それでいいよね? じゃー始めよう! 開始のゴングは?」
「ああもう! 分かりました! 一瞬で終わらせて見せる!」
「来い!」
そして、開始のゴングは彼女たちの右の階段の上にあった鐘で開始のゴングを鳴った。
「ハァァァーー!!!」
アルファーニは先に大声で叫んで、クロスの斬撃を空に刻み、氷のクロスが現る。
こうして、オーフィスターニャとアルファーニの戦いは始まった。