プロローグ:戦争の終わり
今から八千年前、歴史上最初で最大と同時に最後の大戦争が起こった。 その戦争はじょじょに広げる、徐々に他の種族を巻き込み、最終的に全種族の大戦争までに繰り広げられた。
雲の下は血の雨と雨の矢が降っている。 雷が赤となって現れる。 血まみれの羽が空を覆われる。 地上は死体の山、錆びれたの武器の山、数千数万の血に染められた赤い湖。 海が汚され、そこにあった生き物の死体も腐れきって、その臭いは空気を汚す。 しかし、この世には終わらない戦が存在しない……終わる時は必ず現れる。 それは戦争に戦っている者たちが思って、強く願っていたこと。
戦争は五十三年の間、続いた。 長く感じると言えるし……短くも感じるとでも言える。 そんな激しい大戦争のある日、ある夜に、全てが終わった。 あまりにも唐突に、休みすら与えず、全世界の各地に行っていた戦場が無に帰った。
戦場だったそこにあるのは焦げてる大地に変貌。 地面は黒焦げ、森は黒焦げ、石で建てられていた建物も真っ黒。 遠くから、空から見れば、あるのは文字通り「黒」だけ。 まるで炎に燃え尽きたみたいに、死体の山、血の湖、その空間にあったあらゆる生命や物が消え去った。
いったいこの現象は何なのかは誰も知らない、どうして起こったのも記されていない……しかし、ひとつだけは分かっていたことがあった。 戦争が終わって数年後の……人間、「人間種」はこの世界から跡形も無く消え去ったこと。
大戦争はこうして「人間種」の絶滅を確認した後、幕を閉じた。
のちにその大戦争は『終焉戦争』と呼べるようになった。