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船団の護衛-前

前回のあらすじ


村長殺して息子操って絞ってたら村に居づらくなったので、夜逃げしました。

 一日三食無料提供、救護室、トイレ、シャワー、浴槽あり。寝室は個室。

 このとても優れた福利厚生を持つのが、今回の依頼だ。

 テザーの他にも数百人雇われている、大規模な依頼。商業船団の護衛だ。

 センチラルとオリエンゲートの往復。片道だけでも一ヶ月近くに渡る渡航は、道中で様々な苦難に襲われる。この世界には未だに古臭い海賊が居るようで、船団の中には商業船の他に武装船も混ざっていた。テザー達傭兵は、主に接舷された際の戦闘を担当する。

 報酬がよく福利厚生がしっかりしていること以外にも、この依頼には利点があった。

 商業船団に同行することで、この世界の市場に詳しくなれるのだ。

 商業船団は、船を持っているような手練の商人――成功者達の集まりである。彼らの話は、これからここで金を稼ごうとしているテザーにとっては貴重なものだ。

 特に、食事の席は傭兵と商人が同席する。テザーに食事は必要ないのだが、この食事会に出席しない手はない。

 出席するとなると、一人だけ料理を口にしないのは不自然になる。自然と、料理を口にする運びとなった。

 文明が未熟な頃でかつ船上ということで、料理の味はあまり期待していなかった。が、思ったよりも美味しい。久々の食事ということもあり、少し食べ過ぎてしまった。どうやら、食べなくても問題はないが食欲が完全消滅したわけではないらしい。



 船上生活三日目。朝食を終えてから、急に便意に襲われた。

 ものを食べれば、便になる。至極当然の理屈だ。驚くようなことではない。

 ただ、竿がないので立ちションができなかったり、口が小さくなったので食事の際に一口の量が減ったりと、これまでの生活は女になったせいでいろいろと変わっている。

 そこにある種の不自由さを感じてしまい、若干のストレスを生んでいた。

 果たして、排便はどうなるのだろうか。

 船尾近くにあるトイレのドアを開け、間取りを確認。男女の隔てはなく、個室がいくつか並んでいるだけだった。個室自体は、思ったより広い。

 便器の形は洋式だ。和式は苦手なので、調度良かった。無論ウォシュレットは存在せず、紙すら存在しない。個室に水道があるので、手で洗えと言いたいのだろう。

 痔が頻発しそうな硬い紙が置いてあるよりはマシだが、これはこれで酷い。

 仕方がないので、色々と諦めて使うことにした。

 ショーツを下ろして便器にまたがり、肛門を閉めていた外肛門括約筋を弛緩させ、腸のうねりと重力に任せて溜まっていたものを輩出する。

 ……男の頃と、一切変わらない。

 尻が大きくなったことは、全く影響しなかった。気持ちいい。この感動は、元の世界と一切変わっていない。

 ああ、いい。たまらない。

 外界と完全に隔離された個室の中、テザーは絶頂にも似た幸福感に包まれていた。(尻から便を垂れ流しながら)



 細い指で肛門を拭う。付着物は既になく、洗浄は完了したと言っていいだろう。

 もう一度手を洗い、ハンカチで水気を取る。

 出したものを流そうと思ったが、便器の下はそのまま海になっていたので流す必要はなかった。

 ショーツを再び履いて、排便完了。

 まさか、こんなところで幸せを感じることができるとは思わなかった。汚物を手で洗うことが気にならなくなるぐらいの幸せだ。

 船旅の幸せを噛み締めつつ、自室へと戻ろうとトイレを出て――法螺貝の音が聞こえてきた。

 事前に聞いた話では、これは海賊接近のサインだそうだ。

 仕事の時間がやってきた。部屋へはゆっくり戻ろうと思っていたが、走ることにする。

 この船旅で初めての海賊だからか、船内ではそこかしこでパニックが起きていた。

 慌てふためく船員を避け、自室に突入。剣を取り、トランクからビキニアーマーを取り出す。

 飾り気のない布のドレスを脱ぎ捨て、胸当てで柔らかなバストを包み込む。はちきれんばかりの柔肉が、胸当てに圧迫されて形を変える。背中に手を回し、食い込み気味のベルトをホックボタンとバックルで固定。腰巻きでショーツを隠し、位置を整える。こちらも、後ろにあるバックルで固定。最後に鞘を脇に装着し、準備完了。

 部屋を出るのと同時に、外から轟音が響いてくる。

 甲板に出ると、武装船と海賊船が砲撃戦を行っていた。

 海賊の船は数隻で、こちらよりもかなり規模が小さい。だがこちらはその大半が非・戦闘用の船である。小振りな船が武装船の間をすり抜け、この船に取り付く。

 次々と甲板に乗り込む海賊。それをテザーは、バッサバッサと斬り捨てる。テザー以外の傭兵達も、容赦なく海賊を屠っていた。相当な手練のようである。

 と、黒々とした塊が甲板に放り投げられた。ハンドボール程度の大きさで、導火線に火がついたそれは、紛れも無く――爆弾だ。

 マズイと離れる傭兵達。しかしテザーは、臆することなく爆弾を投げ返した。

 それを見た海賊が呆気にとられている間に、爆弾は小型艇に落下。爆発し、積んであった他の爆弾や爆薬に誘爆。小型艇は爆炎を上げて沈没した。



 多少の被害はあったようだが、なんとか海賊を追い返すことができた。テザーとしては皆殺しにしておきたかったが、生憎撤退されてしまったためにそれは叶わなかった。

 部屋に戻る際、爆弾を投げ返したことについて、そこそこ賞賛された。あれのお陰で第一波をスムーズに処理できた、とのことだ。

 まあ、普通は爆弾を投げ返そうとはしないだろう。持ったまま爆発すれば、常人はまず死ぬ。不死身のテザーだからこそできる荒業だ。

 そんなわけで、船内での評判がわずかに上がった。最初は女だからと舐められ馬鹿にされたこともあったが、今はテザーを貶す者はこの船に居ない。

 代わりに、ナンパが増えた。

 娯楽の乏しいミラーフォードで、しかも船内と来ている。持ち込んだカードでギャンブルをしている連中も居るが、飽きれば大抵はナンパに走っていた。

 テザーもそれなりに暇なので、何度か抱かれてやった。

 性行為は、テザーが女として一番馴染んでいる分野だ。

 もう男に抱かれることに抵抗はないし、むしろいい暇つぶしだと思っている。更に最近は、新しい穴を使ってみたり、三人同時に相手をしてみたりと、貪欲になりつつあった。

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